10.富山港線取材-オークスカナルパークホテル富山前と龍谷富山高校前(永楽町)
富山駅北口で偶然見つけた9600形9628号機を取材し、
改めてここから富山地方鉄道富山港線の取材をする。
富山港線を最初に敷設したのは富岩鉄道で、
1924年7月23日に富山口(現・廃止)から、
岩瀬港(現・岩瀬浜)までの区間が敷設された。
1928年には富山口から富山まで延伸され全通した。
富岩鉄道は1941年12月1日に路線を富山電気鉄道に譲渡し、
路線名を富岩線に変更、富岩鉄道は解散した。
富山電気鉄道は陸上交通事業調整法によって、
1943年1月1日に富山県内の鉄道を統合、
会社名を富山地方鉄道に変更した。
しかし富岩線は戦時買収により国有化され、国鉄富山港線となった。
国有化されたものの、北陸本線は交流電化区間、
富山港線は直流電化区間であったため、
直流電車で折り返し運転され、北陸本線からの直通の設定はなかった。
旧型電車廃車後には交直流電車が使用されたものの、
直通されることはなく、国鉄分割民営化後はJR西日本に引き継がれ、
旅客減少から廃止も検討されることになり、
富山市が中心となって設立された第三セクターの富山地方鉄道に引き継がれた。
2006年3月1日にJR西日本富山港線は廃止され、
奥田中学校前から供用区間に入り、富山駅北までの区間を新設、
同年4月29日より富山ライトレールとしてLRT化された。
北陸新幹線金沢延伸に併せ、在来線も高架化され、
富山地方鉄道史内線と直通運転が計画され、
2020年2月22日に富山ライトレールは富山地方鉄道に吸収合併された。
富山港線は戦時買収されてから77年経って再び富山地方鉄道の路線になった。
同年3月21日に富山港線は富山軌道線と相互直通が開始された。
2020年3月21日の相互直通の準備として、
北口駅前まで乗り入れていた富山北電停は、
オーパードホールの横に仮設の電停を設置して、
駅前工事のために場所を提供した。
※仮設時代の富山ライトレール富山駅北電停
※撮影日時 2019/09/15 13:41:17
この仮設の富山駅北電停は2020年3月21日の、
富山軌道線の相互直通によって廃止された。
しかし富山駅とインテック本社前の間に電停があった方が、
オーバードホールや富山市総合体育館、富岩運河環水公園、
富山県美術館などへのアクセス利便性がいいとして、
旧・富山駅北仮設電停の近くに2021年3月21日に電停が新設された。
電停は命名権をオークスカナルパークホテル富山が取得、
電停名は「オークスカナルパークホテル富山前」となった。
ここを取材して2つ先の龍谷富山高校前(永楽町)に行く。
ここはインテック本社前と奥田中学校前の間に新設された電停で、
龍谷富山高校を運営する学校法人藤命名権を命名権を取得、
電停名が「龍谷富山高校前(永楽町)」となった。
この区間もバス停はあるものの、富山ライトレール時代は電停間が長く、
近くにある高校生にとっては通学にも便利だろう。
今回の富山旅行はこの2つの電停の取材と、
富山駅から廃止された富山駅北仮設電停の区間の乗り潰しだった。
この時点で今回の旅行の目的は達成された。