11.二つの顔と二つの名前を持つ札沼線-5日目
5日目も4:45a.m.に起床し、大浴場で朝風呂に入ってから6:45a.m.を待って朝食。
玉子焼、ウインナー、若鶏の甘酢揚げ、鮭の柔らかトンカツ、コロッケ、
梅干、海苔、ツナサラダ、スパゲティサラダ、コーヒーなど。
今日は09:55の札沼線に乗る予定だが、時間的余裕があるため、
その前に函館本線の近隣の駅取材を決行する。
部屋に戻って歯を磨いてから支度をしてホテルを出る。
07:51札幌発の手稲行きに乗って終点の手稲まで行く。
ここで駅取材して稲穂まで戻る。
稲穂は何の変哲もない相対式2面2線の駅舎が独立した無人駅だが、
細い道を挟んで札幌運転所が近接しており、そこで車両取材する。
それでもまだ時間に余裕があるため、
稲穂で711系に乗り、札幌を越えて森林公園まで行き、ここで駅取材。
再び札幌まで戻って札沼線に乗る。
北海道は何度も来ているし、札幌駅での車両取材は何度も決行しているし、
札沼線の車両も何度も写真を撮っているのだが、実際に乗るのは初めてである。
予定通り、09:55の下り列車で終点の石狩当別まで行く。
キハ143-102に乗ったが、隣の車両はキサハ144-102だった。
キハ141系列は50系客車を気動車に改造して誕生した系列で、
キハ143形はキハ150形のエンジンを搭載して誕生した形式である。
またキサハ144形は起動エンジンを持たない気動車専用の中間車である。
利用客の多い札沼線札幌-石狩当別、北海道医療大学間で限定的に使用される。
出力の高い気動車に連結されることで初めて運用が可能となる。
札沼線は函館本線桑園から新十津川の76.5kmの非電化路線で、
札幌近郊の一部は複線で敷設されているものの、あいの里教育大から先は単線区間となる。
正式名称は札沼線だが、沿線に数多くの学校があり、
学校名の着いている駅も多いことから学園都市線の愛称がつけられている。
起点は桑園だが運用では札幌が起点となっている。
また現在は新十津川が終点だが、かつては留萌本線石狩沼田までの111.4kmの路線であり、
札幌から石狩沼田までの路線ということで札沼線と名付けられた。
最初から鉄道省によって建設され、
石狩沼田から札沼北線として1931年10月10日に中富徳(現廃止)までが敷設され、
1934年10月10日に浦臼まで延伸された。
札沼南線は1934年11月20日に桑園から石狩当別までが敷設され、
1935年10月3日に浦臼まで延伸されて南北の札沼線が直通して全線開業された。
これと同時に札沼線と路線名変更された。
戦時中、一時石狩当別から石狩追分間が不要不急区間として休止された。
戦後復活したが利用客は多くなく、
1972年6月19日に新十津川から石狩沼田間が廃止された。
学園都市線の愛称が決定したのは1991年3月16日である。
札幌から暫くは高架上を走り、途中の駅は相対式2面2線の駅で、
この区間が非電化というのは不思議な感じがした。
実際、札幌から石狩当別までを電化しようという案も出ているようである。
また愛称名通り、途中には“あいの里教育大”や“北海道医療大学”など、
学校名をそのまま駅名にしているところも見受けられた。
札沼線は通勤通学路線として地域に密着している。
しかし石狩当別から先はその様相が一変する。
実際、その先はキハ40形が1両で運行され、利用客も多くない。
終点の新十津川も含めて全て無人駅で、特に浦臼から先は1日3本の列車しか発着しない。
終点の新十津川の駅の時刻表は当然ながら3行しかない。
石狩当別では駅弁を購入しようと思ったが、
売店では弁当は売っておらず、菓子パン一つだけ買って車内で喰う。
新十津川には12:37に到着する。
近くには病院もあるが、駅前は閑散としていて自販機さえ見つからない。
20分の折り返し時間を少し持て余す。
運転手の休憩所もなく、運転手も外で手持ち無沙汰である。
新十津川では雲は多かったものの日差しも十分にあったが、
札比内に到着したあたりから突然大粒の雨が降り出す。
折り返した列車は石狩当別行きだったが、ひとつ手前の北海道医療大学で下車する。
ここはこの大学のために1981年11月20日に仮乗車場として設置され、
翌年4月1日に駅に格上げになった。
大学名の変更に伴い、1995年3月16日に現在の駅名となる。
ここでの乗り換え時間は11分で、既に長編成の列車が2番線に停まっている。
1番線は単式ホームで基本的にはこちらのホームを使うが、
2番線が折り返し列車専用として設置されている。
学生の下校時間に合わせて石狩当別から回送されて、
新十津川からの列車を見送ってから発車という設定のようである。
実際、車内は学生で大混雑であった。
これで札幌まで戻る。
札幌の到着時間は15:13だが、これでまだ今日の予定は終わらない。
ここから先、室蘭本線完乗のため、岩見沢を目指すのだ。
※この文章はgooブログ「林檎乃『とほほ・・・。』ブログ」と
ぷらぷらレール「れいの日記」、同時公開です。
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