子供の遊び
ルフィーノ・タマヨは、20世紀のメキシコを代表するの画家の一人。
メキシコの強い光の中で輝く色彩を、彼の絵はとどめる。
生命感が漲るその傍らに、濃く暗い乾いた死が張り付く。
一見可愛らしく見える絵に隠れる不気味さ。
グロテスクな中にも垣間見えるユーモア。
相反するものが同居している、不思議な画面。
彼に流れるメキシコ先住民族の血が、呪術の力を持っているのか。
絵を観たその瞬間に、彼のまじないにかかってしまうようだ。
彼の使うローズピンクは、特に強い力があるように思える。
忘れられないのだ。
この色が、ときどきフラッシュバックする。
いてもたってもいられず、タマヨの画集を手に取りページをめくる。
きっと、初めて彼の絵を観たとき既に、呪術をかけられていたのだろう。
これからも、彼の呪術が解かれることはない。
あるパルスが脳内をめぐるたびに、自動的に画集を開くのだ。
きっと。
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