rock_et_nothing

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農地の集約活用には賛成しがたい

2015-11-30 22:49:19 | つぶやき&ぼやき
仕事上、よく地図を見ている。
地図と連動した航空写真もみている。
そこで特徴的なのは、うねうねと不規則に散らばるこんもりとした緑。
水利にそって作られる田園、適当な大きさを持つ畑が、その緑によって縁取られている。
一見効率が悪そうだが、実は自然を熟知した配置なのだ。
木々があることで保水力を得、風による乾燥と表土の流出を阻止して、農地を守る作用がある。
もしこれが、大規模農地となって緑の木々が伐採され、単一作物の連作にでもなったなら、土地の力は激減するだろう。
それを補おうと化成肥料でドーピング、遺伝子操作の作物とセットの農薬で、農地はただの作物の基底部と成り下がってしまうかもしれない。

今日のニュースに「耕作放棄地、課税2倍で集約促す」との記事があったが、大規模農業が可能な平地がターゲットとなりそうな雲行きだ。
目先の効率に惑わされてはいけない。
恒久的に地力を奪わない農耕を目指すべきで、集約活用をしたいならば、耕作単位はそのままに、耕作物の展開をコーディネートしどの生産者も収入に大きなばらつきがでず、作物の安定生産を確保できるよう計らう機能としてあるべきだ。
農家は個人事業主、農機具は危険かつ高額、農薬も使えば天候不順によるリスクもあり、生産物によっては休みもままならない過酷な仕事だ。
けれど、働いた分の見返りがあるならば、、自分の考えとペースで仕事が進められ、自然の中で暮らせる利点もある。

重ねて言うけれど、農地の集約的活用、安易な謳い文句に踊らされてはいけない危険な香りがするのだ。