私の育った吉祥寺の家の庭に、ざくろの木がありました。
初夏に咲く鮮紅色の花の紅色が、子供心に目にしみて、私の好きな特別な色として、心と目に焼きついてい居ます。
そして、秋には大きな果実となり、熟すと固い外皮が割れ其の中から覗くルビーのような赤い実を眺めると、その美しさに惚れ惚れとして、しばし眺めてしまいます。
結婚して以来、庭にざくろの木がないので、其の実を手に取る事はできません。
日本画の絵に描きたいと、ざくろの実のなっている知らない家を訪問して、分けていただいたことがありますが、なかなか実行するのは大変で、何回踏みとどまった事か。
市販されているのは、実が大きくて立派な実ですが、つるりとして風情は全くありません。
先日偶然にも実ったざくろの実を頂く幸運を得ました。
何故か外皮は綺麗でないのですが、自然の風と太陽を充分に浴び、しっかりと充実した赤い実を手にとり、眺めて幸せな気分です。
ザクロは、石榴 ,柘榴と書きますが、原産地はイランの東部で,ザクロス山脈。
観賞用だけでなく、薬用に使われたり、神話があったり、興味豊かな果実です。