1976年3月頃に、味の素ゼネラルフーズからの依頼で、カレンダーの撮影で原宿のスタジオに2才のベルを連れて行きました。
カメラマンは、ファッション、化粧品などの広告写真で有名な林 宏樹氏です。
犬の顔だけのカレンダー撮影を頼まれた林氏は、犬の表情を撮ろうと大変な努力と時間をかけて、撮影されました。
モデルさんと違って、注文をつけても相手が犬ですから、付き添いの飼い主の方が焦って、いい表情をさせようと犬に声をかけます。
ドッグショーのようにハンドラーが操作するのではなく、犬だけが主役でモデルとして立ったり座ったりするわけで、訓練出来てない犬ならじっとしてないでカメラマンの後ろにいる飼い主の方に行ってしまうでしょう。
1日かかっても撮影できなかった犬もいたそうです。
ベルは、モデルとして動いたりはしませんでしたが、普段の生活のようないい表情をするわけがありません。
やっと撮り終えてから、
「原宿にピレニーズを4頭も買っている家があり、よく吠えていますよ」と地図を書いて教えてくださいました。
1970年当時は日本にピレニーズは少なくて、珍しい時代です。
4頭もピレニースを飼っている人?犬を見たくて゛2日後に名前も知らない原宿のお宅に行きました。
門の表札に「五味川 純平」と書いてあり、びっくりしましたが、入って行きお留守番のお手伝いさんにお話をして、私が連載している愛犬ジャーナルを2冊お渡しして帰りました。
改めて訪問して五味川先生と奥様にお会いして、4頭の犬と仲良しになりお付き合いが始まりました。
原宿のスタジオで、林宏樹氏の紹介がなかったら、五味川先生とのご縁はなかったことでしょう。
その後ゲインズのカレンダーの写真が朝日ソノラマから「イヌの紳士録」となって発行されたのです。