お雛祭りの日となりました長かった冬もひと雨ごとに終わっていきそうです。
他の画廊さんと比べたことがありませんので実際のところはよくわかりませんが、
当店はきっと同じ作品を在庫として所有する期間の長い画廊だと思います。
勿論資金繰りが大変なので
早く交換会などで売ってしまう作品もあるのですが、
ご縁を待っている?とでもいいましょうか、佐橋美術店に長く在庫としていてくれる
作品には、それぞれご贔屓のお客様がいらっしゃってくださるように感じます。
「次にこれを買うからよろしくね」などという言葉は私たちには無くても、
作品とお客様の間だけでどうも秘密の会話ができているようで、
ある日突然作品のお嫁入りが決まったりします。
この作品とお客様の会話がわからない…
怪しいとは思っても私たちには立ち入ることのできない世界です。
その中の作品を一つご紹介いたします。
朝井閑右衛門 8号 人形 東京美術倶楽部鑑定書有 です
私のリストによればこの作品は22年の7月の仕入れとなっていますので、
実に2年近くここにいてくれていることになります。
閑右衛門の作品といえば以前には私たちも全く手がでないような高値の花でした。
この2年の間にも相場は変化し、
ご提示させていただく価格もどんどん下げておりますが、「お値打ち」というべきか?
「もったいない」というべきか?、この作品の価値についは私達も複雑な気持ちです。
道化師、人形、薔薇を題材として、
厚塗りの表現を得意とした閑右衛門の描く人形たちの可愛らしさといい、
堂々とした構図と豊かな色調の油彩画らしさといい申し分のない作品で
幾度ギャラリーに飾っても飽きることはありません。
この子の行く末もなかなかの楽しみです。
お嫁入りが決まりましたらまたご報告させていただきますね。
※納品のため画像を削除させていただきました。
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