つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

さて

2022年07月04日 | 長谷川利行
さて、ここは1番!藤井風君の「へでもねーよ」🎵を聴きながら頑張って書きます。

長谷川利行作品と並べて見ると、藤島武二の作品がとても大人しく時として地味に感じられます。
梅原龍三郎作品でさえも、ちょっと危ない💦が、さすが梅原!負けてはいません。






芸術を狂気、情緒の極限ととらえるなら、長谷川利行の一部の、そうです😊一部ですよ、
その一部の作品に芸術を感じる事は間違いない事実です。

利行は詩人であり、決して画家としてその一生を全うした人ではありませんが、その芸術性は詩よりむしろ絵画によって強く表現されたと言ってよいと思います。

普通の画家ではない。かといって、山下清や棟方志功側の人だともいえませんね。

震えるような感動、作品を前にした時のあの登り詰める感動の世界が、上?とは言いませんが、違った色をしているからです。



利行は絵を描いて生活はしておらず、ただ食べ物、お酒に替えていた。
良寛もそうですが、その命がけ、ギリギリ感、凹み具合、感性の狂気、、やっぱり上手く言えないなぁ、、

兎に角別格なのですね。先の記事に書かせていただいたお客様がポツンと名言を吐かれました。
利行は生きている間に、自分の作品がこんなにもてはやされ、高値が付くとはつゆぞ思っていなかっただろうに。。。






画商という仕事の難しさは実はここ、芸術性の問題にあります。

狂気を追いかけたら、又は錯覚をしたらドボン!と深い水の底に沈みます。
死にます。けれど、追いかけなければ、芸術には触れられない。わからない。

私たち夫婦は、生活をしながら、お互いに腰に紐を巻いて🪢おっと危ない!とその紐を引き合いながらこの道を歩いてきたように感じます。

佐橋の病気もやむを得ない。私のトンチンカンもやむを得ない。
言い訳になりますが、2人共にそう思っています。


例えば、ロートレック、例えば佐伯祐三、例えば御舟、華岳を追いかけるとはそういう事です。




その上で、まぁこの藤島が藤島の最高峰作品とは言えないかもしれませんが、絵描きの矜持。
技術、感情のコントロール、一生をかけて鍛えて行く筆に自分の命を淡々とのせていく職人技。

それを見逃さず、大切にできる画商でもありたいと思うのです。

これも芸術!いえ、もしかしたら、これこそが文化!芸術だからです。

そして、このお行儀の良さ、品こそが、私たちの生活を支え、家族を守っていくヒントをくれるからです。

ただ、そこにも揺さぶりは必要です。








佐橋美術店にお通いくださるお客様には、芸術の境界線を行ったり来たりしながらも、ご自身の生活を守り、人生をお楽しみいただきたい。

私達はいつもそれを願い、この仕事をさせていただいています。

最後にこの作品を長くお持ちでいらしたのは、女性のコレクターさまであることを皆さまにお伝えしてとりあえずのご紹介を終えさせていただこうと思います。

つべこべ言わない。
そういう方がこうした作品をデン!とお持ちになるのかもしれないですね。





明日からも、皆さまのご来店を心よりお待ち申し上げます。




※ 長谷川利行 キャンバス・油彩 10号「不忍池風景」45.5×53㎝ 遺作展出品 
                  木村東介鑑定書 東京美術倶楽部鑑定書
 


















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2022/07/04 おはようございます

2022年07月04日 | 長谷川利行
長谷川利行作品について書かせていただきます。

今迄書けずにいましたのは、決して勿体ぶっていたからでなく、思いがけず鑑定をいただくのに時間がかかり、この作品に向き合う時間が少なかった事。

また、偶然ですが、今回藤島武二の作品と並べて飾らせていただくことになり、再び「絵ってなんだろう?」という迷路に入り込んでしまったことによるものです。









今、持っている作品を全部売り払い、長谷川利行の作品を一点持てば、そしてこの大きさの、これだけ描きこんでいる風景、しかも不忍風景を持てば、それだけで「立派なコレクター」と呼ばれ、しかも「まことにツウですな」ともてはやされる事は間違いない事実です。







元々あった東介シールに、今回東京美術倶楽部の鑑定書をいただく事になりました。



さぁ、あとはもう画商は申し上げる事はないのです。

ここからは私のひとりごとになります。



土曜日にこの作品の到着を一番楽しみにしてくださっていらしたお客様がご来店くださいました。3、40年前に、長谷川利行ばかりを追いかけて集めていらした方です。

今は時々これは!という小品をお求めになるだけですが、「こんな作品があるんだなぁ」「いいなぁ、とても良い眼の保養をさせていただいた」「さぁ、これをどんな方がお持ちになるのかな?美術館クラスだけれど楽しみだなぁ」「僕はさっさとロト6を買いに行ってきます」を何度かおっしゃって、「失礼な😤」と思うほど他の作品をご覧にならず、、帰られました。 笑笑


あら?私、もう疲れました。昨夜は涼しくてよく眠れたのに、これが利行ですね、、続きは午後に書きますね。


月曜日、気温差や風雨に負けず皆さまどうぞ、よい一週間をお過ごしくださいませ。




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半夏生の頃に

2022年07月03日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
「半夏生」という候の由来は、半夏(烏びしゃくの別名)のころという意味で

この半夏は里芋科の植物で、下の画像のようにとても面白い姿をしています。
カラスのひしゃく?なるほど!






・里芋(さといも)科。 ・学名   Pinellia ternata    Pinellia : ハンゲ属    ternata : 三つ出る ・晩春から夏にかけて、  おもしろい形になる。   ・苞(ほう)の部分を、  ”烏が使う柄杓(ひしゃく)”    (小さめの柄杓)  に見立てた。 ・葉っぱは3枚出る。 ・薬効   吐き気、利尿、つわり ・薬用部位 塊茎(根の部分) ・生薬名 「半夏(はんげ)」 ・別名  「半夏(はんげ)」    七十二候の「半夏生」は、    正しくは烏柄杓のことを指す。  「狐の蝋燭(きつねのろうそく)」  「蛇の枕(へびのまくら)」













そして、また別に半夏生という植物もあるそうで、こちらは画像のように葉が白に変わり、、お化粧をしたように、、、ということからこの名前がついたようです。


・毒痛み(どくだみ)科。 ・開花時期は、 7/ 1 ~ 7/20頃。 ・上の方の葉っぱが、  ペンキをべったり塗ったように  白くなるのがおもしろい。 ・「半化粧」  「半夏生」  「片白草(かたしろぐさ)」  など、いろんな呼び名がある。 ・花期に葉が白くなるのは、  虫媒花であるために  虫を誘う必要から  このように進化したのではないか、  といわれている(白くて目立つ)。 ・花は葉と同じく白で、紐状。 ・花が咲き終わって  夏の盛りの頃になると、  白い葉の白い部分は色落ちして、  ふつうの緑色っぽくなる。 ・山の水辺に群生することが多いが、  都会でもときどき  植えられてるのを見かける。






いずれにしても、ちょっと妖怪チックな植物たちですね。
牛島憲之の「真夏」を描いた作品に出てきそうです😂

この時期、例年では梅雨も後半に入り、夏本番を前に天候は乱れがち。

雷雨⚡️台風🌬にも気をつけ、農産物を守り、一年の後半に備えましょうという警鐘を鳴らすのにはピッタリの植物たちなのかもしれません。


そんな時期に展覧会を開くのはいかがなものか?と思うのですが、自分達自身、又お付き合いくださるお客様がたの『今』を感じる時、警鐘というよりも「作品たちと共に、私どもはいつもここにおります」とお伝えしたい気持ちでいっぱいになり、一年の丁度半分のこの時期に何か記念を残しておきたいと思いました。


前置きが長くなってしまいました。

昨日は思いがけずご来客が多くいらしてくださいましたのでご紹介できませんでした、「今週の佐橋美術店」を後ほど書かせていただきます。











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鏑木清方 

2022年07月01日 | 鏑木清方
鏑木清方の作品「奴凧」は、なにげない作品ではありますが、とても品よく、可愛らしく、多分こうした作品こそ清方しか描けないのではないかと思えます。






松園では、少し古めかしい。

深水では、少し重い。

小坡では、少し淡い。

契月では、少し大人びてしまう。

そんなところではないでしょうか?


清方の美人図は要らないけれど、この作品なら「飾れる」そう思ってくださる女性も多い気が致します。








利行、藤島の壁と青樹、清方の壁は向かい合っています。


違った趣をお楽しみいただければと思います。


鏑木清方 額 色紙大 奴凧 紙本・彩色 
S31年第二回東西大家日本画小品展出品作 画集掲載
660,000



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最終準備

2022年07月01日 | 佐橋美術店の展示・展覧会
昨日帰宅するとお部屋の温度が38*5℃になっていてびっくり🫢というかウンザリ☀️⤵︎

名古屋だけでなく、きっと皆さまも大変なお暑さの中をお過ごしですね。




昨日かなりの作業を終えることが出来ましたので、今日少し作業をすれば何とか明日に間に合うところまで展覧会の準備が出来ました。

おかげさまでお互いの身体を労わりながら何とかここまで辿り着く事ができ、とても嬉しく思います。





利行作品も昨日夕方に無事に帰って参りました。


暑さでクランクラン🌀するので、真っ直ぐ!を保つために、水平器を出して絵を飾っています。





油彩画は、それぞれの作品の良さをお感じいただけるよう、十分に空間を保って展示させていただきます。

また作業が進みましたら、ブログを更新させていただきますね。








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