しばらくしてからまにまにカレチさんと二人でおじいさんの家を訪れ
お線香をあげさせてもらう事となった
ご家族とご兄弟がおられるタイミングも合い
あの神5のブルーバードで再訪となった
入口でいつも私に吠えていた犬さんは主を失った寂しさからか吠える事もせず元気が無いように思えた
故人の思い出話やブルーバードを知ったいきさつなどを話して
引き取った際のお話しをご子息に伺うと
『しばらくは娘を嫁に出したような感じ』だったそうだ
ご仏前に手を合わせ遺影のお姿と目が合った瞬間に
『いい人に見つけてもらい いい人に引き取ってもらえた』
と笑顔で言ってくれた姿が浮かび涙が止まらなかった
おいとまさせていただき元の駐車スペースに停めたブルーバードのエンジンを
まにまにカレチさんが始動させた時の事だった
若干エンジンをふかしギアをバックに入れ動かしたその時
道路向かいのおじいさん宅から飼い犬さんが急に吠え出した
私は犬を飼った事が無いのだがエンジン音で分るのだろう
その悲痛な鳴き声は聞いている方も辛かった
まるで帰ってきたご主人に『行かないで!』と止めるように
いつまでもいつまでも鳴いていた
そして昨年
ご子息も急に身体を壊し闘病の末お亡くなりになった
あの時から3人で私のアパートやご子息の仕事場で飲んだり
近所のスーパーで偶然に会ったりもして
買ったばかりの別荘にもお誘いされていたのだがこのコロナ禍
結局そのそれもかなわなかった
【つづく】