あのコルトを狙え

TOKYO2020 子供たちに負債を(笑)

房総半島横断

2022-10-22 12:00:00 | 

「いすみ鉄道」を訪れる時はいつもコルトで訪れていた訳で

今回のようにコルト抜き、鉄路で来るのはまにまにカレチさんと初めて来た時以来だった。

気動車の乗客は10人程でした。

普段はこの沿線をコルトで並走をしているので車窓から眺める景色が新鮮に映る

各所に思い出がありその時を懐かしく振り返る。

あの晴れた日曜日の国吉駅の賑わい

 

本当にあったのだろうか

駅前にも商店街にも多くの人が集まったお祭り

夢だったのだろうか

「鉄道単体でなく地域の街が潤う」事を考えていた鳥塚社長時代

いつかもう一度あの熱気を感じたい

 

そんな事を思いながらディーゼルカーに揺られていた

ここに大型のボンネットバスや旧車を持ち込んでの撮影

国吉駅前の旅館に前泊した時の事

運営された側(いすみ鉄道応援団)の苦労は大変だったと思うが

それに触れられた事は幸せだった。

 

いろんな事があったなぁ

 

大多喜駅では撮影会が行われていたようでした。

 

終点の上総中野駅に到着すると接続する小湊鉄道には話題となったキハ40がいた。

これまたイイ存在感!

これで終点の五井駅まで行きます。

上総鶴舞駅も前、前々回はクルマで来ました

コルトで来た時の写真が見つかりませんでした。なのでコロナ。

1人掛けのこんなシート。こんなタイプもあるのですね。初めて見ました。

五井駅に到着してJRに乗り換え帰宅となりました。

なかなか楽しい二日間でした。

【終わり】

 

 

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いすみ鉄道でQJY31

2022-10-21 00:00:00 | (旧車)

10月19日

さて大新旅館を出てからどうしよう?

何しろ行き当たりばったりな旅なので寿司を食べて一杯飲んで「特別急行列車」で帰るか。

特に予定も無いしアパートに帰っても待っているのは借金取りだけ(嘘)

まっすぐにもと来た鉄路で帰るかわざわざ大原まで行きいすみ鉄道、小港鉄道に乗るか。

優柔不断な私がかなり悩んで選んだのは

意味もなくいすみ鉄道に乗る事。しかも旧気動車が走らない平日に。

そうと決まれば11時から開いた寿司屋さんで念願の寿司と酒。

 

銚子から成東(なるとう)まで普通列車に乗り東金線に乗り換え大網(おおあみ)へ(13:05着)

大原での接続時間から普通列車で行けばよいのですがやはり特急列車に乗る事が今回の目的だったので

わざわざ次の特急わかしお9号に乗る。大網駅発の時刻は13:46だったので

駅前を散策。

特に珍しいものは無かったので改札口前の喫茶店へ入ったら喫煙者には嬉しい「タバコOK」なお店でした。これぞ「喫茶店」!!

(ご存知の方もおられますが小生普段はタバコ吸いません)

なんと灰皿は…

懐かしのマイルドセブン そして右の灰皿は80年代チックなイラスト

泣かせるなぁ(涙)

改札口前なので安心しゆっくりとコーヒーとタバコでくつろげました。(店名忘れた)

特急わかしお9号が来ました。

車内はそこそこ混んでおりますが自由席でも余裕で座れました。

 

14:12 大原駅に到着

いすみ鉄道に乗り換えます。次の汽車は1時間後の15:10

ちょっと長い待ち合わせになるのも承知でしたが実際長いな。

駅前に出ると…

な、なんと! 

フェンダーミラーのセドリックY31スタンダードタクシーが!!

都市ではその数を減らしてきているセドリックY31だがそれは

最終型でドアミラーとなり絶壁のインパネではなくベンチシートではない

銚子駅にもフェンダーミラーのY31を見かけたがそれは上級の

クラッシックSVだった。

(銚子駅前)

これは140コロナさんが普段乗り用に買ったのと同じY31(QJY31)じゃないか!!!

平日の昼間に駅前で1人興奮しながらタクシーをチラ見、撮影。

う~ん…乗っておくか。もうこんな機会は無いから周辺を一周してもらうか。

そんな意味の無い事は止めておくか… でも「これを逃したらもう」

散々悩んだ末に思いついた

次の駅までこのタクシーで行けばいいんだよ!

路線図を見ると次の駅は「西大原駅」だがそれほど遠くでもない。

始発で発車を待つのもいいが途中駅で遠くからやって来る汽車に乗るのもいいし

しかしセドリックは2番目で待機中だが先頭のクラコン(クラウンコンフォート)に乗る客は現れず

順番は巡って来ない。仕方なくセドリックの運転手さんに「このタクシーに乗りたい」(過去に熱海でもこんな事があったな)

と伝えるとあっさり「? いいですよ」と乗せてくれた。順番待ちでも指名があれば良いみたいだ。

「いや~、友人が同じクルマに乗っておりまして。最近このタイプのセドリックも少ないですよね」

と不審者じゃないよ、っぷりを必死にアピール

許可を得て車内を撮らせてもらいます。

普段は140コロナさんのQJY31に乗せてもらっているがガチの営業車に乗るのはいつ以来だろう?

でもこの先そう長くは無いだろう タクシー車両は使い捨て 悲しいが仕方ない 

それを二台も所有(保存?)している140コロナさんは凄いな、と東京湾の向こうにいる友を想った。

快適なドライブで西大原駅に到着。料金は¥1,000いかない位でした。

大原駅に戻るY31タクシーを見送る(というかガン見)

さて駅に入ろう。少し雨が降ってきたが小さな駅舎があるので大丈夫です。

この駅名標がまたいいな

反対側より

これで小さなトイレがあったらプラレールの「いなかの駅」だ。

子供の頃に遊んだプラレールのオレンジ色の駅舎が好きだった。(↑Amazonより転載 今は緑色なんですね)

あのプラレール駅舎を眺めていたのが旅好きになった理由の一つかもしれない。

夕刻、誰もいない小さな駅でぼんやりとたたずむ

ちょっとした寂しさもあり「旅に出ている」感は最高潮(笑)

始発の大原駅で待っていてはこの楽しさは無かった。

そして

踏切警報器の音が遠くから聞こえると続いて気動車の音がした。

駅の静粛を破り気動車が1両で入ってきた

気動車の車内に入ると暖かい空気と光に迎えられ西大原駅を後にした。

【つづく】

という訳で、いすみ鉄道に行ったら「途中の駅」から乗るのがお薦めです。

そして出来れば退役近いであろう浪花タクシーのセドリックを選んで下さい(笑)

 

 

 

 

 

 

 

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大新旅館

2022-10-20 00:00:00 | 

日帰りで帰ろうか一晩泊まってみようか、と迷いながら気になる宿があった。

大新旅館

前日に銚子周辺の地図を見ていて見つけたのだが

もっと昔にもネットで知り気になった気もする。

港の電話ボックスから宿に電話を掛けると感じの良い女性が対応してくれた。

ネットでもスタッフの皆さんが感じ良かったと評していたが

これなら安心だ。

駅を出て右に進み港方面に進む少し寂しい感じがする

旅をしているんだなぁ、と思いながら歩いていきます。

この辺りの道は広く何故か北海道辺りの漁港を思い出しながら進むと見えてきました。

 

 

この入口を見ただけで

「同じ料金で近代的なビジネスホテルにしなくて良かった」と安堵する。

 

入口の脇にはかつて旅館のスナックだったのだろうか

 

 

「だいしん にゅうサロン」と営業されていないのが残念なBARがあった。

建物は古いが清掃は怠っていない入口に入り

予約をしていた旨を告げ宿帳を書き案内され部屋に入る

47号室 千鳥

おおぉ・・

 

評価欄で多くの方が「部屋にトイレが無いが難点ではない」と

書かれている

それも納得なトイレ

この立派な造りのトイレがあれば不要でしょう(男性用)

清掃も丁寧にされているし個室はシャワートイレです。

 

少しだけ館内を探索

 

 

 

(現在は使用していないグリル)オシャレな扉です

新館や別館があるようですが勝手に入っては

悪いと思い入りませんでした。でも相当広いようです。

 

大浴場へ

温泉地ではないので普通のお風呂です。

でもいい雰囲気です。

 

館内は禁煙ですので玄関に喫煙コーナーがあります

平日なので静かな夜でした。

煙草を吸いながらあの場所にコルトを置いて

赤いウインカーを点滅させながら停車している所を妄想しながら過ごす

銚子に来たなら寿司を!と街に出たがどこも閉まっていた。

水曜日は休みのお店が多いようで

鯖料理のお店があったのでそこで飲んだくれる

そういえば一人旅なんて久しぶりだな

やっぱり思い切って旅に出て良かった。

翌 10月19日の朝 

歩いて数分のコンビニにサンドイッチとコーヒーを買いに行き朝食を済ませ

宿を出る。

次回に来る時はコルトで来て2泊したい。早朝に銚子電鉄にのり沿線の食堂で海鮮丼とか食べて

ノンビリ過ごすのを夢見ている。

宿の方々の感じもよく古いけど清潔でこの宿も本当におススメです!

部屋によっては古い埋め込み型のラジオの付いている部屋もあるそうです。

 

大新旅館|お得な宿泊予約|こころから (cocolocala.jp)

 

銚子駅を出てニューデイズに入ったらこんなクリアファイルを見つけた。

鉄道開業150年

イラストを描いた方と去年の赤レンガ倉庫のイベントでお会いした事があるのですが

やっぱり素晴らしいセンスです。

ここで買わないと地元では忘れて買えない恐れがあるのでお買い上げです。

【つづく】

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ついにあの「銚子電鉄」へ

2022-10-19 00:00:00 | 

列車は定刻通りに銚子駅へと到着。

平日の昼間という事もあり降りた乗客は少ないようだった。

銚子電鉄乗り場に進みますと

これは古い…(誉め言葉)

どんな車両が存在するのかあえて前情報を得ずに来たので

その古ささに感動をしながら車内に入るが

車内は風船だらけでなんじゃこりゃ?(汗

さすが奇策を練り話題になる銚子電鉄だと妙に感心してしまう

平日の昼間なのに意外にも観光客らしき方々が多いのは観光業推進政策の恩恵でしょう。

 

途中の駅で数分の停車時間があったので降りてみる

髪毛黒生(かみげくろはえ) スゴイ名前ですな

最近頭頂部が薄くなってきた私には気になる駅名です。

電車は終点の外川駅に到着

かつての古い電車が留置保存されておりました。

朽ち果てた郵便仕様のラビット

電車もクルマも保存は大変です。

銚子へ戻る次の電車まで時間があるので周辺を散策してみましたが

空いている海鮮もののお店は見当たらずでした。

さっき駅弁を食べたけどせっかくなので寿司を食べたかったが夕飯に賭ける。

踏切から駅を見るとさっきの古い電車がとても良い感じに映えます。

さて銚子へと戻る電車に乗って今度は運転席近くに席を取りました。

アナウンスで「緑のトンネル」と案内されていましたが

確かに見ようによっては森の中を電車が走っているような不思議で面白い光景でした。

懐かしく感じたのはドア。

かつての京浜急行1000系の1枚扉に似ていて戸袋へドアが入る動きがなんとも懐かしかった。

仲ノ町駅には車庫があり¥150を払えば見学が出来るというので気になった電車が見えたので

降りてみました。

 

これが気になった電車

元営団地下鉄デハ1002

↑駅舎内にあった写真


現役時代にこの丸の内線カラーの電車を見に行きたかったが行かれませんでした。

 

事業用車として残っていたとは知らなかったので見られて良かったです。

かなり痛んでいるようでしたが架線点検車として走る事はあるのでしょうか?

小さな電気機関車もいました

同駅で観た元京王の電車

実にいい顔をされています。

次回の塗り替えには湘南カラーにして欲しいと願っております。

車内で一日乗車券を買ったので何度も乗り降りしていましたが

乗る度に楽しくなってきます。

良い意味でユルくて楽しい(笑)

それでも存続に向けて頑張る姿勢を感じられました。

 

売上に貢献したいので売店でぽっぽの丘では何度も買った事のある名物の「ぬれ煎餅」と

そこでは買えなかった「まずい棒」を買いました。

チキンカレー味ですが「資金枯れ~」との意味らしい。

旨いな~、笑いました(笑)

 

今度銚子を訪れる時は銚子電鉄に乗って沿線の海鮮食堂を訪れてみたいです。

【つづく】

 

 

 

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特別扱いをして!

2022-10-18 00:00:00 | 

10月18日

特急列車とは「特別な急行列車」という事らしい

特別という事は他より優れている

特別です、と言われている姿を見ると「いいなぁ~」と妬み、やっかみ、羨ましい 更に地団太を踏む

なんでこんな卑屈な事を書いているかというと

ある日新宿駅で普通の電車を降りた際に隣のホームにその妬み、やっかみ、羨ましい地団太を踏む列車が停車していた。

私は鉄道マニアではないのでそれが何号で、何系で、何行きかも分からなかったが

単純に「いいなぁ」と見入っていた。

ドア数が少なく二席ごとに整然と並びデッキがあるので密閉されて違う雰囲気を感じる。

最後に乗った特急列車は東海道線の踊り子185系だった。

それも国鉄時代の電車なので新宿駅で観た特急より新しくデラックス感が違う。

大都会を歩いている若くナウなヤングに185系とE353系とどちらを選ぶ?といきなり尋ねたら

ウザがら、いやE353系を選ぶだろう。

新宿駅で観た「特別な急行列車」はそれ以来私の心の隅に居座るようになった。

先日連休があったのでたまには旅に出ようと思いついたのだが

コルトを長距離走らせる事が無かったのでどこへ行くか考えたのだが

またしても熱海や箱根では芸も無い

それでは東京湾フェリーで千葉に行き、いすみ鉄道を見に行こうと思ったが

勇退の迫るキハ28は平日には走らないから魅力半減だ。

では「特別な~」となると東海道線で踊り子号か

だからまた伊豆だと芸が無いだろう、と1人でツッコむ独身貧族

では新宿で見たあの特別な~で甲府や信越に行っても今の時点では

「~に行きたい」という気持ちも無い

そうこう練っていると特別急行列車だと車内で堂々と駅弁を食べられるし昼間からビールも飲める

という特権が頭の中を占有し始めて「どこに行く」と「駅弁を車内」がゴチャゴチャになって来た。

まあ、どこか行った事が無い所にふらっと旅に出て駅弁を食べて旅先で旨い寿司でも食べて帰ってこようや

宿があったら帰らずに泊まってくるべなぁ

そうえいば東京から千葉方面には特別な列車がまだ走っているそうな事を思い出し

まずい棒やぬれ煎餅で有名な銚子電鉄に乗りに行こう、と簡単な目的が出来たのだが

「そんな事をしていていいのか?」とアパートを出る直前まで迷っていた。

まだ切符の予約も宿の予約もしていないが替えの肌着類を普段のカバンに入れて

外へ出てみた。

現在は時間がある、と言っていたまにまにカレチさんを誘ってみようと思ったのだが

あまりにも突然過ぎるだろうから止めておこう。

 

それにしても今の時代はスマホがあるから本当に便利だ

何時の電車に乗ればいいとか即時に分るし特急の席も取れるのだから。

産まれた時に既にパソコンやスマホがある世代には分からないだろう。

さて、品川駅で京急を降りて横須賀線に乗り換えて東京駅を目指すのだが

東京駅で駅弁を買おうと思っていたのが「崎陽軒シウマイ弁当」が買えなかったら

嫌だなと品川駅の中でシウマイ弁当を買った。

そして横須賀線に乗り銚子行きの「しおさい3号」に乗り継ぐのだが

横須賀線は・・・

そうか地下駅だったんだ!先日までテレビ神奈川で絶賛放映されていたドラマ「3人家族」で

頻繁に出てくる横須賀線が地上ホームなので騙された

いや、騙していない」とドラマでナレーションを務める矢島正明さんの冷静な声が

聞こえるような気がした。

そんな事よりビールを買おうとしていた売店が地下には無いようだ

確かにこのホームで駅弁や酒類の販売は無さそうだよね、あっても売れそうにないもの。

1つ上の階に行けば売店があるかも?しかし数分後には発車の時間。間に合わなかったら?

そういえば昨年の今頃岡山で【絶対省略!言論統制万歳】(業務連絡:さまひさん、何笑ってるんですか?)

品川駅で駅弁を買っておいたのがせめての救いか。諦めて自販機でお茶を買う。

とりあえず間に合ったと安堵しながらデッキから車内に入ると指定席の車内は私の他に2人しかいなかった。

えきねっとで購入すると自由席より安かったから指定席にしたのだが

平日のこんな時間(東京10:11発)だから当然か。

何はともあれ念願だった特急列車に乗れたのだ!

通勤列車と明らかに違う室内の雰囲気の中、列車は速度を上げて走って行く。

途中たくさんの駅を止まらずに走るのはまさに「優等列車」。

自動放送ではあるが停車駅と時刻を告げるアナウンスに旅情を感じながら

崎陽軒のシウマイ弁当を取り出す。

「東京工場」製な姿に都内で買いました、感を感じながらおもむろに箸を取る。

あぁ、ビールが…と言ってもそれほど飲みたかった訳ではないけどね。

酒は仕事が終わった後に飲むのが一番うまいので

休みの日に昼間から(たま~にです)飲むビールはそれほどうまくないし。

薄曇りの車窓だが初めて目にする地(だと思う)を特急列車は快調に走って行く。

やはり乗って良かったな

連休は始まったばかりだ。

【つづく】

 

 

 

 

 

 

 

 

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忘れえぬ神5 【エピローグ】 

2022-10-07 00:00:00 | (旧車)

コルトのハンドルを握りバックミラーを見た父が

「あ、ブルーバードだ。5ナンバーだよ」

と言った

後部座席に座っていた小学生の私は振り返ると

見るからに古いクルマが後ろを走っていた

家族で買い物に行くために走っていた時の事だった

それは親戚の家の古い図鑑で見た事のある昔のクルマだった

ナンバーもただのシングル5ナンバーではなく

「神 5」

コルトや親戚の図鑑の影響で子供の頃から古いクルマが大好きだった私には

衝撃な出現だった

後部座席の背もたれによじ登るように座り後ろに付いてきたそのクルマを必死に見続ける

父「あれは柿の種かな 

テールランプが柿の種の格好してる?」

なんで柿の種なんていうのか分からない私は分らずに

『うん』と適当に答えると「前から見て分る訳ないだろう(笑)」

今だったら『じゃ、聞くなよ!』となるのだろう

それまでも町なかで古いクルマを見かける事はあったがここまで古く

2台で走る事は無かったので「この時」の事は決して忘れる事はなかった

しばらくして別れたがそれから数時間後に港南台の駅前を通った時に

あの神5のクルマが道路に駐車していた

『あ!お父さん、あのクルマ!』

興奮し乗り出すように凝視する

父「あぁ、『柿の種』じゃなかったな』と言いながらそのクルマをパスする

その時に父は軽くクラクションを鳴らした

運転席にいた男性がこちらに気付いたようでドアを開けて降りたのだが

コルトは止まる事なくそのまま走っていった

 

それ以来あのブルーバードと走りは私の思い出の中で

いつまでも古いフィルムのように残っていたのだった

この写真はブルーバードをまにまにカレチさんが引き取った時に

私のリクエストに応えてその時に走った道を走ってもらった時の事

再び同じクルマで同じ道を走る事が出来るなんてな

 

「あの時」に運転していたおじいさんも父ももういない

 

【終わり】

 

 

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忘れえぬ神5 その5

2022-10-06 00:00:00 | (旧車)

2022年9月26日

コロナ禍で会えずにいたまにまにカレチさんと久しぶりの再会

お線香をあげに行って以来訪れていないまにまにカレチさんを

すっかり変わってしまったあの場所へ案内した

右にあった自宅は取り壊され

道路を挟んで左にあったブルーバードの車庫には家が建っていた

 

2台でヨコハマをドライブする

 

中区 奇珍でランチ中(この時間帯は路駐可)

 

 

ホテル横浜ニューグランド前

 

中華街へ

 

 

中華街を歩く方々はレトロ感を感じてくれただろうか

麦田から外国人墓地へ

不思議だな

ずっと小さかった頃に見かけてから気になっていたクルマと

こうやって連なって走っている

まにまにカレチさんとも出会ってからもう20年近く経つ

ヨコハマの街もすっかり変わってしまった

古いナンバー付けるブルーバードはどのように映っているのだろう

 

 

日本大通りにて

 

2台で走った後はコルトを置いて

ブルーバードを運転させてもらう事になった

以前のブルは運転した事があるが勧められてもこのブルーバードの運転は

断っていた

でも、もういいだろう

ブルーバードの運転席に座りコインパーキングに停めたコルトの後ろ姿を見た瞬間

「あの時」の事が浮かんだ

あの時この運転席におじいさんが座り

前を行くコルトのリアには幼き日の私がこちら側を見ていたのか

今更ながらこんな日が来るとはな

人のクルマは緊張するがマニュアルの古いクルマは特にそう

運転感覚がコルトとは全く異なるのだが慣れて来ると面白い

その後おじいさんの娘さんのお宅を訪れた

弘明寺の喫茶「モカ」も閉じてしまった

 

今 このブルーバードは致し方無い理由で次の乗り手を探している

 

それを元のご家族の方に伝える為だった

数年ぶりにお会いしたおじいさんの娘さんは突然の来訪にも関わらず暖かく

迎えてくれた

久しぶりの対面となったブルーバードを見た娘さんは

「懐かしい!このクルマで箱根とかドライブに行ったのよ!」と

思い出を話してくれて嬉しそうだった

「今まで乗り継いでくれてありがとう どうか(手放す事を)お気になさらないでください」

そしてこの日の最大の目的は終わった

その後2台を並べ休んだ後

 

ブルーバードとまにまにカレチさんは去って行った

ただ旧車を連ねて走るだけなのがこんなに楽しいとは

それを教えてくれたのは「あの時」のこのブルーバードだ

 

まにまにカレチさん 今日はありがとう

またね・・・

【つづく(次回で最終回)】

 

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忘れえぬ神5 その4

2022-10-05 00:00:00 | (旧車)

しばらくしてからまにまにカレチさんと二人でおじいさんの家を訪れ

お線香をあげさせてもらう事となった

ご家族とご兄弟がおられるタイミングも合い

あの神5のブルーバードで再訪となった

入口でいつも私に吠えていた犬さんは主を失った寂しさからか吠える事もせず元気が無いように思えた

故人の思い出話やブルーバードを知ったいきさつなどを話して

引き取った際のお話しをご子息に伺うと

『しばらくは娘を嫁に出したような感じ』だったそうだ

 

ご仏前に手を合わせ遺影のお姿と目が合った瞬間に

『いい人に見つけてもらい いい人に引き取ってもらえた』

と笑顔で言ってくれた姿が浮かび涙が止まらなかった

 

おいとまさせていただき元の駐車スペースに停めたブルーバードのエンジンを

まにまにカレチさんが始動させた時の事だった

若干エンジンをふかしギアをバックに入れ動かしたその時

道路向かいのおじいさん宅から飼い犬さんが急に吠え出した

私は犬を飼った事が無いのだがエンジン音で分るのだろう

その悲痛な鳴き声は聞いている方も辛かった

まるで帰ってきたご主人に『行かないで!』と止めるように

いつまでもいつまでも鳴いていた

 

そして昨年

ご子息も急に身体を壊し闘病の末お亡くなりになった

あの時から3人で私のアパートやご子息の仕事場で飲んだり

近所のスーパーで偶然に会ったりもして

買ったばかりの別荘にもお誘いされていたのだがこのコロナ禍

結局そのそれもかなわなかった

【つづく】

 

 

 

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忘れえぬ神5 その3

2022-10-04 00:00:00 | (旧車)

その後譲渡の手続き登録も済み神5ブルーバードを引き取りに行く事になった

私がおじいさんの立場だったらどんな気持ちだろう

長い間苦楽を共にしていろんな場所に家族、仲間と過ごした月日

乗り越えたトラブル

それが今手元から離れようとしているのだから

手続きの済んだ書類を渡すと神5ブルーバードは譲渡された

更に体力の衰えた感のあるおじいさんは

『いい人に見つけてもらい いい人に引き取ってもらえて良かった』

と私達二人に再びあの言葉を掛けたが

自分自身に言い聞かせ諦める為だったのかもしれない

 

車体の他にスペア部品を一緒に頂く事となったのでその説明の為に

お宅の向かいにある車庫まで降りて来る事となった

酸素チューブを外しご子息の手を借りてなんとかクルマまで歩いてきた

エンジンを始動させようとまにまにカレチさんがイグニションキーを捻るが

掛からない

『私がやってみよう』

ご子息の手を離れ箱から何やら薬品のビンを出す

ガソリンかシンナーをエアクリーナーのキャブレーター空気取り入れ口に

直接ふりかける

このやり方は聞いていたが実際に目にするのは初めての事だ

驚いた事に急にさっそうとした動きとなり運転席に座りキーを捻り

始動を試みるとエンジンは見事に掛かった

さすが長年このクルマを維持されてきた方は違う、と唖然

その姿にご子息が

『目が輝いちゃっているな』と笑った

エンジンが温まるまでまだ時間があるがおじいさんは家に戻っていった

最後は見送るのか、と思っていたのだがそれも辛いか

振り返る事もなかった

そして数十年過ごした車庫から神5ブルーバードは去っていった

 

それから暫くして

おじいさんが逝去されたとの連絡があった

 

神5ブルーバードを引き取り初めての並び

 

その帰り道に神5ナンバーのRT20コロナと

 

【つづく】

(一枚目の写真を掲載するのは悩みましたがこのクルマの歴史や重みを考えて載せる事としました)

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忘れえぬ神5 その2

2022-10-03 00:00:00 | (旧車)

そして約束の洗車をする目的でお宅を再訪する事となり訪れたのだが

おじいさんの神5ブルーバードはキレイに洗車されていた

どういう事だ?

身ぎれいにされた姿で現れたおじいさんは

『洗車してもらうより走らせてもらいたいんだ』

その為に前日にご自身で洗車を済まされていたのだ

もうご自身では動かせられない愛車を走らせてあげたいその気持ちはよく分かる気がした

喜んでそのお願いを引き受ける事となりおじいさんの神5ブルーバードを

まにまにカレチさんが運転し助手席におじいさん

私はまにまにカレチさんが乗ってきたブルーバードを運転し後を走る事となった

コルトは敷地内に置いて近所の給油所へ向かう

燃料を補給しすっかり空気が無くなってしまったタイヤに空気を充填する

空気が減っていたバイアスタイヤもしっかりと充填されたがトランクのスペアタイヤにも

充填する事を忘れずに完了し再び2台のブルーバードは走り出す

 

熱海でブルーバードを運転させてもらっておいて良かった、と思い返す

といっても単身でブルーバードを運転するのは初めてなので内心はヒヤヒヤだったが

なんとか付いていく

 

 

 

 

 

 

 

 

広い場所で2台を並べて写真を撮ったりファミレスでコーヒーをご馳走になり

私の幼少期に見たこのブルーバードの思い出を話したりしながら

2台は走った

 

ご高齢のおじいさんをあまり長い時間連れ出すのは良くないかな、と思い

ドライブは終了となったのだが後になってもっと走らせてあげれば良かったかな、とまにまにカレチさんと

後から話したがとにかくおじいさんは楽しそうだった

きっと神5ブルーバードも久しぶりに走れて嬉しかったに違いない

私もいつか運転が出来なくなってもコルトを手放さずに置いておき

走らせてくれるという人が現れたら何よりも嬉しいと思うのだから

(あえて目線は入れないでおきます)

 

それから数か月したある日の事

携帯電話に知らない番号から着信があった

出てみるとあのおじいさんだったのだが

『ちょっと身体の具合が悪くなったのでクルマを手放そうと思うんだ 

 よかったらあなたが引き取ってくれないか』

あの時にまにまにカレチさんが「もしも手放す時は連絡を下さい」と話していたが

おじいさんは私が欲しがっている、と思われていたようで慌てて私ではなく

まにまにカレチさんの方なんですと、まにまにカレチさんにお話しをしてもらうように丁重にお断りをする

  お気持ちは嬉しいけど私には生涯の相棒コルトがあるので

ナンバーの希少性もあり過去に何件も譲渡依頼があったのだが全て断っていたのに

私達を選んでくれた

 

それからおじいさんとまにまにカレチさんの二人の間で譲渡の話しがまとまり

必要書類を持ちお宅に伺ったのだが歩くのも困難となったおじいさんの姿があった

手放すのは今で言う終活だったのだろう

同居するご子息(私より年上です)を交え手続きが進む

その時にこの地域の昔の話しやブルーバードが同僚から4年落ちで買ったお話しを伺った

『いい人に見つけてもらい いい人に引き取ってもらった』

おじいさんは別れ際にそう言って笑った

2013年の事だ

【つづく】

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忘れえぬ神5ナンバー その1

2022-10-01 00:00:00 | (旧車)

誰でも

・・・いや

クルマ好きの方なら忘れられない一台という存在があると思う

私の中でそんな1台があるとしたらあのブルーバードだ

子供の頃に偶然に出会い衝撃を受けたそのクルマが家から少し離れた所に駐車している事を知ったのは

それから数年後の事だった

古いクルマに見かける「横浜 5」でもなく「神 5」という更に古そうなナンバーを付けた

うす緑のブルーバードP312

 あの時のクルマだ ここに居たのか

それほど通る道でも無い場所だが以来その道を通り姿を見て存在を確認するのが楽しみとなった

私が成人となり歳を重ねてもそのブルーバードはいつもそこにいた

(2008年撮影)

それでもそのブルーバードの持ち主がどんな方なのか分からなかった

覚えているのはバスの中から走る姿を2回見かけただけだった

生まれ育った地域にある私のコルトより車体もナンバーも古いそのブルーバードに対して

ライバルのような思いもあったのかもしれない

 

まにまにカレチさんが同型のブルーバードP312を買った、と聞いて

あのクルマを当然のように思い出した

 家の近くに「神5ナンバーを付けたブルーバードがあるんですよ」と

話していていつか見せたいと思っていたが

その機会は意外にも早くやってきた

二人で熱海に行く事となり迎えに来てもらった際にそのクルマを見に行こう、となった

まにまにカレチさんが運転するブルーバードP312に乗りその場所を案内し

車内から目的のブルーバードを眺めていると隣の畑に老人が立ってこちらを見ていた

その方がブルーバードの持ち主さんだった

今まで何度も通ったがお会いした事は無かったのに

『同型のクルマなんて珍しいと思って見ていたんだ(笑)』

優しそうに微笑むその方の敷地に乗ってきたブルーバードを入れさせてもらい

お話しを伺い年季の入った神5ナンバーのブルーバードを見せてもらうと

車検は取っている、との事だったがホコリをかぶり動いている様子は感じられなかった

『年齢もあって免許は返納したんだ。だから走れない。それでも手放せないんだ』

誰にも私にも必ずやって来るその時を思った

私達は 大変失礼ですが今度来る時に洗車させてもらえませんか?と切り出すと

是非お願いしたい、と快諾された

 

連絡先を伺いおいとまし熱海へと向かったのがこの時だ

 

ブルーバードP312で熱海 - あのコルトを狙え

 

 

自分のクルマより古い個体を運転させてもらったが数年の技術の進歩を痛感

まにまにカレチさん あの楽しい熱海行からもう10年も経つのですね

【つづく】

 

 

 

 

 

 

コメント (4)
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