刑事貴族、牧編のようなタイトルはどうでもいいので前回の続きです。
帰りには熱海の福島屋旅館に行って温泉に入っていこう♪
それを楽しみにしていた矢先のエンジントラブル
その時、頭に浮かんだ事が二つ。
1.どうやって家まで帰ろう?
2.
たてもの園のイベントどうしよう~?
実は今だから言うがエキマニの修理に出してからエンジンの調子があまりよくなかったのだ。
修理から帰ってくる時にアイドリングが妙に低い事が気になった。
チョークを戻すとエンジンが停止してしまう。
「まぁ、いいや。帰ってから父に見てもらおう。」
(維持費は私が18歳の時から払っているが名義変更はしていないのでコルトは父のもの。
キャブレター調整等の調子に関わる事にはあまり手を出したくなかった)
その翌日に両親と岩蔵温泉に行ったら途中でエンジンの再始動が出来なくなった事があった。
なんとか再始動して事無きを得たが、エンジンが掛かった後は妙にガソリン臭かった。
その後もそんな事がたびたび起こった。その日の一回目は一発で掛かるのだが走って停止してから20分後位に再始動させるとダメだった。
ある時、キャブの窓を見るとガソリンが全く来ていない事が判った。
それなら電磁ポンプでガソリンを送ればいいんだ♪
長いクランキングの後にエンジンが掛かるようになったがその分バッテリーにもセルモーターにも負担が掛かるし、なによりおかしい!今まではスムーズに掛かったのに?
でもなんとか走るからいいや!
↑これがいけなかった・・・(旧車乗り失格)
しかし彩雲父は母と長期の旅行中。
帰ってきたら修理方法を教えてもらおうと考えていました。
そんな矢先のエンスト。
とりあえず道路のど真ん中なのでエンジンを再始動させてみる。
「アクセルをあおりながら」キーを捻るととりあえず掛かった。
なんとか走れそうだ。
が、停止するとエンストしてしまう。
点火系よりも燃料みたいだよな~(判る訳無いのでなんとなくだが)
エンジンの回転が下がるとストールするんだからブレーキを踏みながらアクセルを踏めばいいのでは(ヒール&トウ《笑》)と思うもコルトのペダル配置からしてそれは無理。
仕方ないのでチョークを更に開ける。
もう福島屋旅館どころではなくなっていた。
チョークを引いても関係なく停止ごとにエンストしてしまう。
また長文になるので省略しますが、なんとか必至の思いで家にたどり着いた
で翌日にエアクリーナーを外してキャブを見てみると
2バレルキャブのメイン側(プライマリー)の後ろから(プライマリーシャフト)ガソリンが漏れていました!
これが原因かぁ~
分解図を見たり整備書を見てもシールみたいな箇所もない
先月に三菱自動車部品にキャブのガスケットやニードルバルブを注文しに行ったが既に生産中止だった
もう思い切ってプロに任せてみよう
と思い口コミで評判の京葉キャブレター工業(江戸川区篠崎町)に持ち込んでみた。
そしてキャブを見るなり
「これ走るけどスローが全く駄目でしょ!」
と言い当てた。
「スロットルを閉め過ぎ。アイドリング時に空気が全く入ってこないからガソリンだけが流れてしまう。だからシャフトから漏れるの。完全に閉めては駄目なんですよ」
13年ほどキャブのオーバーホールをしていなかったので分解整備をお願いしました。
気になるお値段はなんと前回の半額でした!
キャブが直ってきたのと同時に親達は帰ってきた。
キャブを取り付けてエンジンを始動させると一発で掛かった。
整備書を片手に調整方法を試みるが知識の無い私には理解出来ない。
家の中にいる父を呼ぶ。
スロットルアジャストスクリューを廻そうとしたその時
父の手が止まり
「・・・いや、自分でやってみな」
私にやってみるように指示をした。
ドライバーを片手に恐る恐る左に廻していく。
「ゆっくりと左に廻して」
エンジンが息を付きそうになった
「少し戻して。あまり下げすぎると今度は充電されないから注意して。
次はアイドルアジャストスクリュ。一旦左に廻して右へ戻す。その範囲の中で一番回転の良い所を探して。本来はタコメーターで見るんだけど付いてないからキャブの振動で見る。そして決めたら(手動でスロットルを開き)回転を上げても調子が悪くならないか確認」
しかし「一番良いところ」
というのが私には判断できず今回は父に決めてもらった。
各部の締め付けを確認して試走。
今迄よりも吹け上がりがよく感じる。そしてしばらく走って止めてから30分ほど時間を置き再始動を試みる・・・
この時、緊張した。
父の決めてくれた調整がうまくいってなかったら…
昔から何でも直していた父が最近は歳をとり変わってしまった感が否めなかった
もし駄目だったら…やっぱり父は…
そんな事を一瞬考えながらクラッチを踏みイグニッションキーを捻る
瞬時にエンジンは目覚めた
思い出したこの感触。中学か小学生の頃だった。
雨の中、家族で買い物に行った時の事。
車中でなかなか帰って来ない父を母と待っていた。
フロントガラスが雨滴で見えないのでワイパーを動かす為に後部座席から身を乗り出し
キーを捻った。瞬時にエンジンが掛かった。
それから免許を取り自分でコルトに乗るようになったがあの時のようにスムーズには掛からなかった。
前は車検後に車が戻ってくるとアイドリングが高めに設定されていたので
父は自分でキャブ調整をしていた。
それがここ数年は車検後もそのままになっていた。
エキマニの修理時には上に載っているキャブを外さなくてはならない。
その時にイジッてしまったのだろう。
試走から戻って父に「素ん晴らしい調整っぷり」を絶賛すると
『やっぱり(車検や修理から戻ったら)調整しなくちゃダメだな』
と言った。
事も無げにつぶやいたその表情には笑みが浮かび
私には誇らしく見えた。