プロ野球のシーズンも終わりが近付いている9月29日。
今シーズンも神宮球場のチケットを頂いていたので
何度か足を運んだがそれもこの日が最後。
最後のチケットは阪神線だったので友達を誘うよりも
阪神ファンの甥っ子(兄)を連れて行った。
本当は29、30日と連休になったので泊りがけで出掛けたかったのだが
「阪神戦をバックネット裏で見せてあげたい」
と、叔父バカぶりが勝ってしまい野球を選んでしまいました。
子供と行くとなると車で行く事になるので当然ビールは飲めません・・・
ま、今回位はガマンしよう。
学校が終わって横浜を出発し第三京浜に乗ろうとした時のこと。
甥「・・・コルトって高速走れるの?」
本気で不安な顔をして聞いてきた(苦笑
バックネット裏のスターシートだという事は黙っていたので
着いてみると
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「俺、一度バックネット裏で見てみたいと思ってたんだよ!」
と大喜び。
試合に集中し、はしゃぐ姿に幸せのような物を感じた。
そんな姿を見て伯父さんは自分の今後を考えてしまうのであった。
三位争いが注目されたヤクルト対阪神戦。
連勝が続いたヤクルトは負けてしまったが
阪神ファンの甥っ子は大喜びだった。
球場隣の駐車場に停めたコルトに戻る。
「帰りは後ろの席に座るんだぞ」
『うん・・・??』
「疲れたろ。靴を脱いでクッションを枕にして寝てなさい」
『わかった』
小雨降る外苑西通りは渋滞もない。
しかし路面にマンホール工事等で凹凸があり車は揺れてしまう。
なるべく衝撃のないように走るのだが・・・
「眠れるか?」
『・・・大丈夫♪フワフワして気持ちいい』
フワフワするか・・・
私も同じ歳の頃に後ろに一人で乗る時は靴を脱ぎベットのように
くつろいでいた。
前席のベンチシートのおかげで
広くはないが自分だけの寝台のような空間に身体を横たえる
絶対的に信頼していた父の運転とコルトのフワフワした乗り心地。
静かなNHKラジオが流れるなか
車の揺れが変わりオレンジ色に包まれると
「(高速に乗ったのか・・・
)」
再び眠りについてしまうあの夜が好きだった。
足を上げたり遊んでいた甥っ子は静かになり眠りに入った。
お預かりした大切な甥っ子。
事故を起こさないようにいつもより慎重に走る。
遠くからパトカーのサイレンが聴こえてきた。
『今の何?』
起き上がって訊ねる。
「パトカーだよ」
『そう・・・
』
信号待ちでそーっとブレーキを掛ける。
振り返り下を覗き込むと安心しきったように眠る甥っ子。
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その時私は、きっと「父」の顔をしていたのだろう。
そしてまたそっとクラッチを繋ぎファミリーカーは走りだす。
碑文谷を抜け第三京浜への道は
幼少時代に半年に一度は訪れた祖母の家からの帰り道。
あの時に後ろで寝ていた少年は
小さな子供を後ろに乗せて父が握っていたハンドルを握り
同じ道を今走っている。
たぶん私は結婚をしないだろう
それでも甥っ子を連れ歩いているとほんの少しだが
親のような気持ちになる。
結婚をし家族を持つというのは大変だが
それと同じ位に楽しさがあるという。
その楽しさとは、今私が感じている事なのだろう。
ヤクルトは負けてビールも飲めなかったが
とても楽しいひと時だった。
今シーズンも神宮球場のチケットを頂いていたので
何度か足を運んだがそれもこの日が最後。
最後のチケットは阪神線だったので友達を誘うよりも
阪神ファンの甥っ子(兄)を連れて行った。
本当は29、30日と連休になったので泊りがけで出掛けたかったのだが
「阪神戦をバックネット裏で見せてあげたい」
と、叔父バカぶりが勝ってしまい野球を選んでしまいました。
子供と行くとなると車で行く事になるので当然ビールは飲めません・・・
ま、今回位はガマンしよう。
学校が終わって横浜を出発し第三京浜に乗ろうとした時のこと。
甥「・・・コルトって高速走れるの?」
本気で不安な顔をして聞いてきた(苦笑
バックネット裏のスターシートだという事は黙っていたので
着いてみると
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「俺、一度バックネット裏で見てみたいと思ってたんだよ!」
と大喜び。
試合に集中し、はしゃぐ姿に幸せのような物を感じた。
そんな姿を見て伯父さんは自分の今後を考えてしまうのであった。
三位争いが注目されたヤクルト対阪神戦。
連勝が続いたヤクルトは負けてしまったが
阪神ファンの甥っ子は大喜びだった。
球場隣の駐車場に停めたコルトに戻る。
「帰りは後ろの席に座るんだぞ」
『うん・・・??』
「疲れたろ。靴を脱いでクッションを枕にして寝てなさい」
『わかった』
小雨降る外苑西通りは渋滞もない。
しかし路面にマンホール工事等で凹凸があり車は揺れてしまう。
なるべく衝撃のないように走るのだが・・・
「眠れるか?」
『・・・大丈夫♪フワフワして気持ちいい』
フワフワするか・・・
私も同じ歳の頃に後ろに一人で乗る時は靴を脱ぎベットのように
くつろいでいた。
前席のベンチシートのおかげで
広くはないが自分だけの寝台のような空間に身体を横たえる
絶対的に信頼していた父の運転とコルトのフワフワした乗り心地。
静かなNHKラジオが流れるなか
車の揺れが変わりオレンジ色に包まれると
「(高速に乗ったのか・・・
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再び眠りについてしまうあの夜が好きだった。
足を上げたり遊んでいた甥っ子は静かになり眠りに入った。
お預かりした大切な甥っ子。
事故を起こさないようにいつもより慎重に走る。
遠くからパトカーのサイレンが聴こえてきた。
『今の何?』
起き上がって訊ねる。
「パトカーだよ」
『そう・・・
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信号待ちでそーっとブレーキを掛ける。
振り返り下を覗き込むと安心しきったように眠る甥っ子。
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その時私は、きっと「父」の顔をしていたのだろう。
そしてまたそっとクラッチを繋ぎファミリーカーは走りだす。
碑文谷を抜け第三京浜への道は
幼少時代に半年に一度は訪れた祖母の家からの帰り道。
あの時に後ろで寝ていた少年は
小さな子供を後ろに乗せて父が握っていたハンドルを握り
同じ道を今走っている。
たぶん私は結婚をしないだろう
それでも甥っ子を連れ歩いているとほんの少しだが
親のような気持ちになる。
結婚をし家族を持つというのは大変だが
それと同じ位に楽しさがあるという。
その楽しさとは、今私が感じている事なのだろう。
ヤクルトは負けてビールも飲めなかったが
とても楽しいひと時だった。