8月に熱海は福島屋旅館に行ってきました。
バイアスタイヤを履けたのが嬉しかったのでドライブ、と前に書きましたがその時の事。
翌朝の熱海新道走行を楽しむ以外は特に何をしよう、と思っていた訳ではありません。
ただボンヤリと夕飯までくつろぐのがいい。
福島屋旅館のような古い温泉宿での楽しみは
「何もしない」のも楽しみ方の一つ。
熱海の街に入ったら宿に入る前に和菓子を買っておく。
中央町の太田屋
http://www.shizuoka-navichi.net/shop/shop.shtml?s=975
ここの「あたみ桜」が最近のお気に入り。
一つからでも嫌な顔せずに売ってくれるのが嬉しい。
名物の「一口ようかん」を食べた時はちょっと感動しました。
なんと言っても店構えが良い。
「すだれ」がまた味を出しています。看板も60年代でいいのですが
真ん中の60年代な方は誰?
(画像は更に前に撮ったものです)
和菓子を二つ程買ってから福島屋へ向かう。
一台しか入らない車庫に車を入れてもすぐに玄関をくぐらない。
宿を見上げて
あぁ、帰ってきたのだな・・・
とシミジミ想う。
宿のご主人(不在の場合は女将さん)に挨拶をして世間話をしながら二階への階段を登る。
「ではごゆっくり」
と、ご主人(女将さん)が退室されたらまずはお茶を飲み
買ってきた和菓子を食べる。
夏の時はエアコンも付いているがあえて窓を全開にして「うちわ(ロビーに置いてある)」でバタバタあおぐ。
バタバタあおぎながらおもむろに窓際に座り通りを眺める。
そんな事をしながら10~15分ほど過ごしてから浴場へ向かう。
この宿には客用階段が二つあるのであえて入り口に面していない側の階段を降りて行く。
浴場の前に出る階段を使う事で「日帰り客じゃないんだよ」とアピールし優越感を味わう。
脱衣所に入り服を脱いだ後になって帳場で「シャンプーとリンス」を借りるのを忘れたことに気付き
再び着なおして帳場へ借りに行く。
優越感に浸ろうなどと余計な事をするとこんな目に遭います。
(浴場にせっけんは備え付けてありますがシャンプーとリンスは帳場で貸しています【無料】)
源泉から引くお湯は熱いので馴染むまで時間を要する。
馴染んでくると年季の入った天井や壁を見上げては帰ってきたな・・・と
またまたシミジミする。
シャンプーとリンスはあるが「シャワー」は無いので「たらい」に蛇口でお湯を貯めて手桶で頭に流します。
さて、部屋に戻るとは4.5時辺り。
ここからが本題なのですがこんな味のある宿に来たので部屋では
「絵葉書」を書いてみる。
風呂上りに一杯冷たい麦酒をやるのもいいのですが夕飯まで我慢しましょう。
浴衣に着替えてお世話になった方へペンを取る。
電子メール全盛の現代だからこそ「手紙」を書く。
しかし熱海の土産屋さんを見回しても今時「絵葉書」を置いてある所は無い(ように思う)
昔は観光地に行くと「絵葉書」があるのが当たり前だったが
『カメラが高級品だったし、あっても白黒写真が普通でカラーは高かったから
その代わりにカラーの絵葉書をみんな買っていたのでしょう』 福島屋旅館主人WGさん
そんな訳で絵葉書は衰退して行ったのかもしれない。
前に熱海城へ行ったら「おみやげコーナー」でばら売りしている絵葉書を見た。
灰皿やアイスの冷蔵庫、チラッと見える車が古臭い(誉め言葉)
城の下、赤い手すり?の下に今も存在する謎の廃墟がまだキレイ。
(現在の熱海城「謎の廃墟」部分。地下は三階のラドン温泉の更にその下に存在します)
『いつの時代だ!』絶対に昭和40年代に撮影したに違いない写真に目眩(めまい)がしたものだ。
あの絵葉書を買って送ろう。
なので宿へ入る前に熱海城へ行き
入り口で「おみやげだけを買いたい」と告げて絵葉書を探す。
が、バラで売っていた絵葉書は既になく「絵葉書セット」になっていた。
〔東洋のナポリ〕
ロマンチック熱海旅情
とタイトルは私好みだが断って中を見せてもらうも昭和40年代ではなかった。
バラで売っていた古い絵葉書はさすがに売り切れたようです。
でもせっかくだからこれを買わせてもらい宿へ向かった。
風呂を出て改めて絵葉書セットを広げると・・・
海岸には「つるや」「熱海グランドホテル」「大月ホテル」が堂々と立ち並び
そして「ビクターの看板」もありました。
後楽園には「みさき館」しかありません。
『むう・・・やるな』
熱海サンビーチ前には「つるや」「熱グラ」があるのだがこれもよく見ると
「ダンカイ荘(暖海荘)」の看板文字が見える・・・
まさか暖海荘の名前を写真上だけど現役の「おみやげ」で見かけるとは・・・
砂浜の海水浴客の水着や「つるや」上に見える今は伊東園グループになっているホテルが
見えるので90年代なのでしょう。20年は前という事になるかも。
なんて素晴らしい「絵葉書セット」なんだ(泣)
しかも熱海後楽園には「観覧車」の姿がありますよ!
気を取り直して絵葉書を選び書き始める。
『私は今、熱海に来て食事までの時間にこのハガキを書いていま・・・』
浴衣姿でうちわを扇ぎながら書くだけでも何だか旅情が増します。
さらに書いている途中にタイミングよく町内のスピーカーから
「遠き山に日は落ちて」が流れたりすると涙が出る(笑)*16:30の時報だったと思います
書いた絵葉書をすぐに近くのポストに投函したいが翌日に
熱海郵便局まで行って「風景印」を押してもらい出してもらいました。
帰宅して会社に行くと送った相手の方(ホテルのお客様です)は
手紙が届いた事をとても喜んでくださいました♪
電子メールは便利だけど手書きの手紙(絵葉書)もいいものです。
結論:たまには旅先で絵葉書を書いてみましょう。
と言いたかったのですが
何故か福島屋旅館案内となったり
はたまた
熱海城で売っている「ロマンチック熱海旅情」の絵葉書セットはスゴイ!
と言う事になってしまいました。
私も次回は「保存用」に絵葉書セットを買いに行かなくてはなりません。
総評:だから私は何が言いたかったのだ?