『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

立冬

2008-11-07 18:22:16 | Weblog

  

  雨に濡れた枯れ落ち葉が道路にべったりとくっつき、竹箒で掃いたくらいでは、到底取れるものではありません。

  庭の木の葉に「よそ様にご迷惑をかけてはいけません」といつも言い聞かせてはいます。が頷いてはいるものの、一向に効き目がなく、ひたすら枯れ葉集めのまいにちです。
おまけに、近くにある公園のプラタナスの大きい葉っぱまでが我が家に舞い込む始末。

 庭の主が、気の毒そうな顔で私に同情しながらも心の中で「ニヤッ」としているみたい・・・・

 あいも変わらず、タヌ君は私のツブヤキ相手ですが、時々裏切って知らん顔する術(すべ)を覚えたみたいで、なかなか「にっくき」やつです。

 我が家の庭の賑わいは、枯れ葉だけでなく、すずめとヒヨドリの楽園でもあるらしく、すずめたちは誰もいないのを見定めながら日がな一日餌をついばんでいます。

 ヒヨドリ、これがなかなかの曲者で、すずめたちが気付かずにいようものなら「キキッ」と鋭い鳴き声で牽制し二羽でゆうゆうとりんごをたべている(この鳥はりんごしかたべない)

 やがて、満たされたヒヨドリは優雅に飛び去って行きます。

 すると、すずめが生意気にも私に「早くお家にはいってよ」と喧しく喚きだす。(と言うのも、ヒヨドリは人がいても案外平気でたべています)

 あのすずめたちにも、都合があって臆病のせいでしょう餌はもらっても、人前では決して啄ばまない。
 「しょうがない今日はもうやめよう」
玄関に入ったとたん、どこかで見ていたのでしょう「ソレッ」とばかりに、数十羽が飛んできて先を争そって啄ばんでいます。何時もの光景ですが、思わず顔がほころんでしまう。

  冷たい立冬の風が吹いてきました。木の葉は一段と高く舞い飛んでいきました。