『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

  ”平家物語”を拾い読み……

2013-10-24 19:02:42 | Weblog

  

                                            

   あなた

 祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり沙羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらわす

 おごれる人も久しからずただ春の夜の夢のごとしたけき者もついには滅びぬ偏に風の前の塵に同じ ・・・

 

 余りにも有名な平家物語の冒頭部分。カッタンが暗記してました。

 

 平家物語巻第九「敦盛最期(あつもりの さいご)」です。 源氏の武士、熊谷次郎直実(くまがいのじろうなおざね)は、

 沖に引き返していく 平家の若武者、平敦盛(たいらのあつもり)を呼び止めます。

 一の谷の戦も終盤になり、源氏の武将熊谷次郎直実は、よい敵を探していました。そこへ舟へ逃げようとする武者(敦盛)の姿を見 

 
つけます。

 熊谷が呼び止めるとその武者は引き返してきます。組み伏せて顔を見るとまだ17歳くらいの若武者です。

 熊谷は我が子小次郎の姿が重なり敦盛を逃がそうとしますが、 後ろを見ると源氏の大群が迫っていました。

 せめて自分の手で討ち取り、後世を弔おうと、熊谷は泣く泣く敦盛の首を取るのでした。

 腰にさしていた笛を見て、その若武者が敦盛とわかります。 熊谷は戦場に笛を持参するという敦盛の風流さに感嘆し敦盛を討った

 ことを悔い、これが後に出家するきっかけとなりました。

                                     平家物語より…抜粋

 

 この件がこころ打たれます。

 
その後の熊谷次郎直実の、晩年は法然上人に師事し、熱心な念仏信者として著名。

 熊谷入道と通称。法名は蓮生房・法力房などと号した。

 尚、アツモリソウ・クマガイソウは平家物語のこの話に因んでいるそうです。

 

 秋も深くなり、カサカサ木の葉が舞っていますが、わたしは風邪が怖く外にも出られず、ただ…

 ストーブを背に平家物語のアチコチを拾い読み…

 あなた、またね……