『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

 友の言葉が、何処か遥か遠くから聞こえるようなそんなもどかしさ。

2015-05-21 14:40:19 | Weblog

            
          2015-5-19- 丈が低く庭に這っている 石楠花                  

             
                   2015-5-19- 背が高いため風当たりも強い                

    あなた

 寒々とした日です。

 同郷の幼な友達からの電話。

 お互い齢が齢なので、気持ちは懐かしい故郷へ飛んでいくものの…

 現実は難しい。

 友の言葉が、何処か遥か遠くから聞こえるようなそんなもどかしさ。

  

 空は泣き出しそうな、曇り空。

 思い出して、時どき陽は射すものの、すぐに雲の中。

 陽が射すと春。

 春になり切れない冷たい風。

 心が折れてしまいそうに重い。

 消化出来ずに詰まった感じ。

 何でかなあ…

 

 『待てといふに散らでしとまる物ならばなにを桜に思ひまさまし』
                   詠み人知らず

 《待ってくれと言うのに対して、散らずに枝に留まるものであるならば、

 何者を桜の花以上に慕おうか。慌ただしく散ってしまうからこそ、桜をこの上なく

 慕うのだ。》  通釈

 『空蝉の世にも似たるか花桜さくと見しまにかつ散りにけり』
                   詠み人知らず

 《はかない現世に似ているのか。桜の花は、咲いたと見るうちに、

 次から次へ散ってしまうのだった。》 通釈 

 あなた

 陽がさしてきました。

 心の中の冷たさも春の陽射しで‼融けてほしい…