あなた
弱々しい陽の光が
白くなった庭を
照らしています
当たり前のことですが
いよいよ
冬本番って
言った ところでしょうか…
振り返るまでもなく
色々ありました
そうして
また一つ
齢を重ねます
行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。
世の中にある人とすみかと、またかくの如し。…………
穏やかな
冬の日の午後
久し振りに
「鴨長明」です
こうして
たった一人
本を繙いても
心は虚ろ…
ただ
眼が文字を追ってるだけ……
無性に
人恋しい…
窓越しに外をみると
小さなお児さんを
連れて歩いてるお母さん
滑るからからでしょう…が
お児さんが
お母さんを引っぱってる
ように…見える
”転ばないでね…”
わたしは
きっと歩けないでしょう…
声には出さず
心の中で
グチグチと独り言を言っては
逝ってしまった
あなたに
文句を言ってる…
聞いてはもらえないのにね
陽が翳ってきました
間もなく
夜の帷が降りてくるのでしょう
また
長い夜とのお付き合いです