『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

 わたしは、待っています・・・

2012-08-11 15:49:19 | Weblog

 

             

  あなた

 今日はナオ達とお墓の掃除をしてきたよ・・・

 お墓のご近所さんたちも・・・たくさん来てお掃除してました・・・

 13日にはお迎いに行きます。お迎いに行くのは初めてだけど、日中は相当に車が渋滞するので、

 夕方のほうが、良いよと教えられました。

 わたしとしては、早いほうがいいと思うけど・・・そうにはならないね。

 道端にひっそりと咲いている雑草たちをこよなく愛したあなた・・・

 あのぶっきら棒のナオでさへ、佇んで見ていたよ・・・

 あんなこと・・・こんなこと・・・

 それを思い出して偲ぶことが、何よりの供養なんでしょうね・・・

  あなた

 来てくれたら!!どんな話をするのでしょう・・・?

 待っているわりには、案外何も話をしないで、さよならかもね?・・・

  

 

 

 

                   

 

 

 

 

 

 


 ”徒然草”!!の中より・・・

2012-08-10 19:16:18 | Weblog

                   

                          

    あなた

 晩夏と言うより初秋の花が咲きだしました.そうよね・・・お盆が過ぎると秋ですもね・・・

 季節の移ろいは間違いなく肌で感じ・・・長い夜がまた・・・keiを苦しめます。

 あなたの所からは見えないのかな?疲れたよ・・・

 其方からみると生きている、わたしの我が儘にしか!みえないのでしょうね・・・

 浮世の辛さがどんなものか?眠っているあなたには判らない?・・・

 まぁ判ったところで、なす術はないよね・・・

 今日は蒸し暑く、頭の中まで蒸しあがってしまいそうです。

 あなたの甥夫婦が来てくれました。

 甥が置いていった雑誌ですけど・・・パラパラとめくっていたら、昔総理大臣として名を残しながら

 60歳にして突如政界を引退した方の、生き方が載っていたの・・・

 今は山居「不東庵」と名付けてそこで晴耕雨読の暮らしを続けているようです。

 生き方の一つに兼好法師の徒然のなかから・・・

 ”死というものはいつやってくるか分からない。人間にとって一番の倖せとは、財産でも、名声でも、地位でもなく、

 死の免れがたいことを自覚しつつ、愉しみながら濃密で充実した「いま」を生きる事だと言っている。”

 との言葉だそうです。

 勉強になりました。

 あなた、まもなくお盆逢えるね・・・

 

 

 

 

 

   

              


 庭の主”タヌ”くん・・・

2012-08-08 16:53:45 | Weblog

   

                  

                 

              

  あなた

 タヌを見て・・・スッポリ白根葵に埋まってしまい”庭の主”の貫録まるでなし・・・

 傍に行くと恨めしそうな眼で訴えている

 「ついこの間までは、こんな事一度もなく、庭の全部を見渡すことができたのに…これはやはり

 誰のせいかな・・・それとも交代の時期かな?・・・」

 何とも遣り切れない表情で、訴えている姿がいじらしく。 「タヌごめんね!・・・手をかけてやれなくて・・・」

 タヌも切なそうに!頷いています。

 そう、みんな切ないの・・・黙っていなくなった人が恨めしいよね。

 二度目のお盆です。これで、いくらかあなたに近づけたかな?

 人間界では、ある日突然考えられないようなことが起こります。あなたの世界はどうでしょうか?・・・

 楽しい事もいっぱいあるけど・・・訳も分からない出来事も?あるよ・・・

 これが生きて居るという”証”なのでしょうが・・・

  居るべき人がいないという事で何か偏った考え方?それとも、小さな殻の中で息を潜めた生き方?

 だったら・・・悲しいね。

 あなた・・・見ていてね、お願い・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 ”祇園精舎の鐘の声・・・”

2012-08-06 16:25:19 | Weblog

 

                                                                                                                                                            
         春のツバメオモト                                               夏のツバメオモト

      あなた

 ようやく、湿度が少なく夏らい良い天気になりました。吹く風は爽やかで秋を思わせますが

 レースカーテン越しに入ってくる風は気持ちが良いです。

 葉月になると、急に日にちの過ぎるのが早く・・・鈍く走っていた足が急に早足になってしまう・・・

 息を切らしながら・・・頑張ってはいるものの・・・

 失った人の大切さが・・・身に沁みます。

 昨日、カッタン達が来たのみていたでしょう?・・・

 あの子もやはり歴史が好きらしく、二階から持ってきた本が、日本の歴史「平氏と源氏」でした。

 平家物語を学校で少々習ったようで  「ばぁば聞いて・・・」~と

 ”祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 盛者必衰の理をあらわす 奢れる者も久しからず

  ただ春の夜の夢のごとし 猛きものもついには滅びぬ 偏に風の前の塵に同じ・・・”と大きな声で

 あなたに聞かせていたでしょう・・・実は私も驚きました。

 もう、こんなにスラスラ暗唱できる・・・それで、日本の歴史にも興味を持ち始めたようです。

 そして、何所の件りを読んでいると思う・・・フフッフ

 ”磯の禅尼”ですって・・・理解できるのかな?判るのかな?

 そして、ここから何を学ぶのでしょう?ね・・・いつの間にかこんなに成長して・・・

 あなた、わたしも、少しはシャンとしなければ・・・ね

 孫に笑われるね・・・

 じゃ~また

 

 

 

 

 


 ”声”が出ない鳩時計!

2012-08-04 16:54:51 | Weblog

            

    あなた 

 今年の夏も終わりのような、日も差さず風がつめたく・・・嫌なな日です。

 でも、夏真っ盛りの8月です。好きだったビールをいっぱいいっぱい、飲ませてやりたかった。 

 今頃言ってもあなたには、通じないよね・・・

 壁掛けの鳩時計が、静かに時を刻んでいる。30年もの間同じ道を通り優しく時間を教えてくれた。

 動かない鳩が、一寸可哀想なのですが・・・随分長い時間を、共に暮らしたので愛おしくて・・・

 そう簡単には手放せない。 あと、どのくらい一緒に居られるのでしょう?ね。 

 ううん・・・時計だけでなく・・・

 そう長くとは思わないけど・・・だから一日一日を大切に生きたいと思いますよ・・・

 あなた、もう少しで家に来れるね・・・待ってま~す・・・

 何とも言いようのない遣る瀬無さ・・・なんで逝っちゃったの?

 

 

 

 

 

  

 

   

   


 吹く風が冷たい葉月・・・

2012-08-03 16:20:54 | Weblog

               

                         

                          

    あなた

 廻りくる季節は確かなものですね・・・

 吹く風が妙に肌に冷たく感じられると思ったら、萩が咲き出しました揺ら揺らと風に靡く優しい姿。

 お盆が近づき、秋が忍び足でやってくる。そして ガンコーランが一段と綺麗になる。

 ああぁ、この季節です。

 あなたの姿が見えなくなって1年過ぎました。ときには早くもあり、また短くもあり・・・不思議な感覚。

 今日も、すごく良い天気です。が家の中に入ってくる風は冷たい・・・

 じっ~と座っていると寒くなりドアを閉めました。

 風鈴が思い出したように「チリン!チリン・・・」と騒いでるよ。ドアを閉めたのが気に要らない?様子。

 昨日はあなたが無言で去って逝った日。

 あなたと、遅くまでお喋りしたせいか?「昨日と今日の交差点」を過ぎても眠れずアレコレ考えているうちに、

 朝になってしまいました。こんな事もあります。淋しいです・・・ね

    ”吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ”     文屋康秀

 平安時代には、漢字を分ける言葉遊びの和歌が流行った様で、この和歌はそういう面白さを詠ったもののようですが、そのなかに

 も自然 の風情が感じられます。・・・と解説にありました。

 なんですか空模様が変わってきました。雨でも降りそう・・・

 洗濯物取り込んできます・・・じゃ~

 

 

 

 

 

 

 


泪が滂沱・・・

2012-08-01 20:40:35 | Weblog

    

             
                                                       ミソハギ

    あなた

 葉月!なんて綺麗な呼び名でしょうね・・・とうとう、この月になってしまいました。

 お盆が近づくとミソハギが穂先まで咲きそろい、見事なまでに美しくなります。

 あなた、この花を可愛がっていましたね・・・でもね一向に増えようとはしません。だから、無くさないよう

 随分と気遣いしています・・・

 昨夜は雨が降りましたが、タップリとは言えず何となくムシムシと嫌な暑さです。

 珍しいご夫妻が来ました。S村のあなたの従弟・・・庭を見て相当驚いた様子。

 あなたの居た頃の庭の話でした・・・あなた聞いていた?

 だから言ったの・・・「気になったら、一寸来て庭の手入れして~keiは驚かないから・・・」っていつも

 masaに言っているんだけど・・・来ないんだよね・・・

 二人ともポカンとしていました、そして大笑い~二人はあまり、冗談は受け入れない?真面目な人たちだから・・・

 あなた

 今日はもう一人友達が来てくれた・・・少ない時間だったけど、楽しかった・・・

 あの方たちと色んな話をしていると、傍にあなたがいるような気がして・・・

 なんで、さっさといってしまった?かな・・・悔しいです。

 そして、いま一人になって、涙が滂沱・・・

 文字が見えなくなって・・・

 あなた

 お休み・・・またね。

 あんな事・こんな事、想い出しちゃった。