素描夏日新西兰 夏日新西兰の素描(ソビョウ) [上平声七虞韻]
碧落浮雲蕨類蕪,
碧落(ヘキラク) 雲浮いて 蕨類(シダルイ)蕪(シゲ)る,
群星閃爍龍洞隅。
群星(グンセイ)閃爍(センシャク)す 龍洞 (イワアナ)の隅(クマ)。
摩天頂雪奧拉岳,
摩天(マテン) 雪を頂く 奥拉(アオラキ) 岳,
滿水映藍冰水湖。
滿水 藍に映ずる冰(ヒョウ)水湖。
莽莽草原綿羊聚,
莽莽(モウモウ)たる草原 綿羊(メンヨウ)聚(アツマ)り,
悠悠峽灣海豹愚。
悠悠(ユウユウ)たる峽灣(キョウワン) 海豹(カイヒョウ)愚か。
忘飛山鳥無猛獸,
飛ぶを忘れし山鳥 猛獸 無く,
基啊噢啦心魄愉。
基啊噢啦(キア オ--ラ) 心魄(シンパク)愉(タノ)しむ。
註] 〇新西蘭:ニュージーランド(NZ); 〇蕨類:シダ類、ここでは‘銀シダ’のこと;
〇龍洞:鍾乳洞のこと。暗く広い洞窟内には‘土ホタル’が生息していて、満天の下
星が煌くように見える; 〇奥拉岳:クック山はマオリ語で奥拉基(アオラキ)、
同山の公式名称は‘アオラギ・クック山’; 〇氷水:氷河によりできた U字谷で、
氷河解けの水で出来た氷河湖の湖水、ターコイド・ブルーを呈している;
〇莽莽:草木が繁り、広々と果てしないさま; 〇悠悠:遠く果てしないさま;
〇峡湾:フィヨルド、U字谷に海水が侵入してできた湾; 〇海豹:アザラシ;
〇基啊噢啦:Kia Ora(キア オ-ラ);マオリ語で‘こんにちは’を意味する挨拶語。
明るく、おおらかに響き、この一言で心が和む; 〇心魄:心。
< 現代語訳>
ニュージーランド点描
碧天に白雲が浮き、地上にはNZを代表する銀シダの木が茂る、暗い鍾乳洞の洞窟内では、満天”土ホタル”の星が降るように煌いている。雪を頂くアオラギ・クック山の尖頂は、天に突き刺さらんばかりに、山裾の氷河湖にはターコイド・ブルーの水が満ちている。果てしなく広がる緑の牧野には羊の群れが草を食み、フィヨルドの湾内では、イルカが遠泳を楽しんでいるようだ。虎や豹など猛獣天敵のいない島、飛ぶことを忘れた鳥が餌を請うて近寄ってくる。キア オ-ラと、明るく挨拶を交わす、心楽しく、空気や好し ニュージーランドである。
<簡体字表記>
素描夏日新西兰
碧落浮云蕨类芜,群星闪烁龙洞隅。
摩天顶雪奥拉岳,满水映蓝冰水湖。
莽莽草原绵羊聚,悠悠峡湾海猪娱。
忘飞山鸟无猛兽,基啊噢啦心魄愉。
夕陽に映えるアオラキ・クック山
<記>
2017/11/05~11/12、8日間の旅であった。NZは、太古に大陸から切り離されて、独特の動・植物の生態系を形成している。先住民族マオリ族がいたが、1768年、英国の探検家James Cookが初めて訪れ、以後、英国人が入植した。
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