昭和が遠くなる
夏の暑さが尋常ではない。
熱中症のニュースが流れる。
私が子供の頃は「熱中症」という言葉はなく、「暑さ負け」が一般的表現だった。
「…症」ではなく、「…に負ける」という意味合いが強い。
夏休み。
エアコンなぞなく、扇風機も珍しい時代に私たちは「うちわ」で扇(あお)いで暑さをしのいだ。
朝の涼しいうちに、「夏休みの友」や「宿題」を済まし、9時頃には外に飛び出す。
「帽子を被らないと暑さ負けするぞー」という母の声を背中に元気に飛び出していく。
プールなんてなかったから、パンツ一枚になって川で泳ぐ。泳ぎは上級生が教えてくれた。
川遊び、釣り、昆虫取り。
日焼けした皮膚の皮の剥きっこは、楽しい遊びだった。
こうした子供たちの遊びもなくなり、
大人たちからも昭和の匂いが無くなっていく。
ちょっと寂しいレトロな昭和がだんだん消えていく。
かの夏や野外映画のなつかしく
………越谷市 新井高四郎 朝日俳壇2017.07.24
下町に残る昭和の夕焼けかな
………新居浜市 三浦八重子 朝日俳壇2017.07.24
(つれづれに……心もよう№64) (2017.08.01記)