雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

 パパママおねがいゆるして ④ 二度と虐待死を起こさないために

2018-06-28 17:30:00 | 児童虐待

 パパママおねがいゆるして ④ 
     二度と虐待死を起こさないために

  なぜ幼い命を救えなかったのか。あまりに悲惨で衝撃的な事件は、児童虐待を防ぐ体制の不備を浮き彫りにした。経緯を解明し、今後の教訓とせねばならない。

 過去に虐待が繰り返され、親が接触を拒む。幼稚園などに通わず、第三者の目に触れない状況だった。東京でも虐待を疑わせるシグナルはいくつもあったはずだ。
                              (読売新聞6/17)

 虐待死等が報道されたり、ワイドショーで取り上げられた場合、
往々にして行政の管轄機関の児童相談所などがやり玉に挙げられる。
 今回の結愛ちゃんの対応でも、
香川県の児相と東京・品川児相との間で緊急性の認識が共有されなかった
という批判は免れないだろう。
③の「虐待死 なぜ救うことができなかったのか
 の項でも述べたが、
読売新聞にも次のような記事が掲載されている。

  前に住んでいた香川県の児童相談所は、父親の暴力を理由に2回にわたって結愛ちゃんを一時保護した。解除後は保護者への指導措置に移行したが、1月に目黒区へ転居する直前、これも解除している。適切な判断だったのか。

 東京都の児相は、香川県の児相から情報提供を受けて家庭訪問したものの、本人との面会を母親に拒絶された。小学校の入学説明会でも姿を確認できなかったが、緊急対応をしなかった。
                                      (読売新聞6/17)

 児童相談所について

  近年、児童虐待問題が増えています。
 昨年、虐待を受けた疑いがあるとして全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは
65、431人だった。
前年比20.7%の増加になります。
統計がある2004年から13年連続で増え、初めて6万人を突破しました。

 子どもは親の助けがなければ健やかに生きることができない。
 その子供を守るべき大人が、父や母が虐待の暴力を振るう。

 この社会全体の歯車がどこかで狂ってきているのだ。
 大人になり切れない大人が増加している。

 
児童相談所に寄せられる児童虐待の相談数は、
10年前と比べると20倍ほどにふくれあがっています。
虐待の件数が増えても、
児童相談所や児童福祉司の数が増えたわけではありません。
だから、児童福祉司が関わる件数はいつも飽和状態になっています。

児童相談所や児童福祉司といった施設や人材が不足していることも大きな原因のひとつです。

 児童相談所設置基準。
   人口50万人に対して最低一カ所の児童相談所を設置する。
   この基準通りに設置するとすれば、全国で250ヵ所以上の児童相談所が必要になりますが、現実
   には210ヵ所程度の設置しかありません。
   児童相談所が不足していれば、一つの児童相談所の守備範囲が広くなり、
   児童福祉司一人当たりが扱うケースも増えていきます。

  茨城県の
児童相談所を例に取ってみましょう。
   茨城県に設置された児童相談所
      中央児相(分室が2立つ)
      土浦児相
      筑西児相
     県の総人口が2960,458人だから、
     単純計算すれば約6つの児相を設置しなければなりません。
     もう少し詳しく見てみましょう。
     筑西児相の管轄エリアの総人口は、7つの市と二つの郡を合わせて総人口は約56万6
     
000人ですから現行の制度にはかろうじて適合しています。

     しかし、よく考えてみれば茨城県全体でたった3っの児童相談所と2たつの分室での対応では

      範囲が広すぎて、仕事のフィールドが広すぎて力の分散につながりかねません。
     しかも、児童相談所は地方自治体によって運営されているので、
     財政的にも資金不足になって
いる児相も多いと聞きます。
     職員が足りないから増員すればよいという問題でない。


      小さな命を虐待等から護れなかった時の職員の忸怩たる思いを考えると
     ただ単に児相の対応を批判するのではなく、
     児相を取りまく現状をもっと報道しても良いのではないか、と私は思います。
     
     こうした現実を掘り下げて記事にしたのは、毎日新聞です。
     次回は、この記事を紹介して最終回とします。
                                (つづく) 
     (2018.6.27記)         (児童虐待№7) 
 

      


コメント
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