いじめで骨折「転んだことに」
教諭うその説明指示
『昨年7月、部活の練習中に1年生の男子生徒が、上級生二人からひざ蹴りを受けるなりして胸部を骨折、
教諭は病院に連れて行こうとした副顧問にうその説明をすることを指示し、生徒は病院で指示通り説明した。(兵庫県教育委員会発表)』(朝日新聞)
さらに、その後の学校側の調査で、
上級生2人が昨年4月以降、計3人の1年の男子生徒を殴ったり、
プールに沈めたりするいじめを繰り返していたことが判明。
校長は3年の男子生徒を同年8月(いじめ隠蔽のあった翌月)の近畿大会に出場させないよう指示したが、
顧問の男性教諭は、それを無視して出場させ、チームは優勝したという。
なんとまあ、お粗末な話か、あきれてしまう。
「いじめ問題」は今年1月に5回にわたって「いじめと自殺」というジャンルでアップしたので興味のある人は、読んでみてください。
その時浮き彫りになったのは、学校側の姿勢、校長の責任逃れ等でした。
今回の問題点は「隠蔽工作」と「職務命令違反」の二点です。
おそらく骨折の事実がわかれば、翌月に控えた近畿大会への出場が危ぶまれたからなのだろう。
部活顧問としての名前に傷がつくということも、関係しているだろう。
さらに加害者生徒を大会出場させないという校長の命令を無視し、
出場させたことへの「職務命令違反」だ。
いじめによる生徒のけがを真摯に受け止め、
いじめ防止の策をとることなど、この58歳の教諭には微塵もなかったのだろう。
部員の不祥事を隠蔽してまで、参加させることにどんな意味があったというのか。
教師として絶対にしてはいけないことが一つある。
「隠蔽工作」に被害生徒を巻き込み、
「病院では階段から転んだことにしておけ」と虚偽の説明を病院に連れて行こうとした副顧問に指示、
生徒は病院で指示通りに説明したという。
「嘘をついてはいけない」と小さい時から親や先生に教えられた生徒が、
顧問に嘘をつくことを指示されたという。
教師と生徒の間で培われてきた信頼関係が、一瞬にして失われた瞬間である。
県教委は「教師としてあるまじき行為」として、この教諭を6カ月の停職処分にした。
ということだが、「してはいけない行為、職務倫理違反は明確」なのに、
6カ月の停職処分とは、あまりにも軽すぎる処分です。
停職処分中に、「依願退職」してしまえば、
退職金も規定通り支給されるという程度の、軽い処分でいいのか。
名前さえ公表されていない。そんなに軽い「隠蔽工作」だったのか。
校長は、指導監督不十分とし「訓告処分」を受けたという。どちらの処分も、温情主義、事なかれ主義による処分で、
教育界に良い影響は及ぼさないと思います。
(いじめと自殺 №6) (2016.3.7記)
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