雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

ちいさな後輩たちへ

2010-04-22 11:12:11 | つれづれに……
 時は過ぎ
 この地に生きて はや60数年

 昔の仲間たちに会えば
 必ず思い出話の一つや二つに花が咲き
 物忘れが多くなった
 記憶力がなくなった

 などと話した後で

 健康の話になり
 薬の話になって

 「お互い年はとりたくないですねぇ」
  と、笑いながら話を締めくくる

 その笑いの中に、
 小さいときからの
 「ワンパク坊主やあどけない少女の面影」が
 浮かんでいるのに気が付くと
 なぜかホットした気持ちになる

  春の風に誘われて 中学時代の母校を訪れてみた

   木造の小さな当時の校舎からすれば
   かなり立派な鉄筋の校舎が建っていた

   狭い校庭で野球場のスペースのとれない我が校は
   バレーボールのコートを一面とり
   猛特訓に励み
   強豪校をなぎ倒し勇名を馳せた

   当時の選手の中には
   グランドに立てば
   叱咤激励の先生の声や
   自分たちの試合運びに湧きあがった歓声が
   いまでも聞こえてくるに違いない

  遠い青春の日々


   広くゆったりとした休日のグランドでは
   赤いユニホームの少年サッカーチームが
   元気にボールを蹴っている
   体育館が建ち プールが設置され
   おそらく教室では教材のパソコンを使っての授業が
   ごく自然に展開されいるのだろう

   豊かになった社会の中で
   子どもたちは健やかに育っていく

 だが、子どもたちよ
 真っすぐな道を歩いてきた者など
 誰もいないのです

 どこかで曲がり角をまがり
 道を踏み外し
 先が見えなくなっても

 いつの間にか

 また次の道を見つけて歩いていく

 小さな後輩たちよ
 君たちの未来も決して明るいとは言えないかもしれない

 その時のために
 君たちの祖父や祖母が
 自分の歩く道を切り開いてきたように
 
 戦える力をつけて欲しい
 地図のない人生行路をこれからも
 ゆっくりと私たちは歩いていく

 誰のためでもない
 自分自身のために

   秒速5センチで桜の花びらがゆったりと散った
   
   惜春……
                 (同窓会だより七号をブログ用にアレンジして掲載) 





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