読書紹介 「消えた信長」 小林久三著
カッパノベルス 1991年刊 絶版(再販予定なし)
「歴史小説の大家」、月刊誌「歴史日本」の編集者「いずみ」、高校の教師で歴史好きの「江上早江子」、
以上三人の「本能寺の変」の信長の死をめぐるなぞ解きの小説。
1. なぜ信長は100人そこそこの少人数で「本能寺」を宿舎に選んだのか?
2. 光秀の謀反の原因は、光秀の信長に対する怨恨なのか?
背後に光秀をあやつる家康がいたのではないか?
(家康にとって本能寺の変は既定の事実だったのではないか)。
3. 江戸時代に書かれた「嘉良喜(からき)随筆」によると、明智軍が京都に入ってくることを
6月1日の夜(変の起こる前夜)本能寺に知らせた者がいるあるという。
これは明智軍を見たというよりも、光秀が放った先遺隊を見たのだろう。
しかし、この情報は信長までは届かなかった、という。
これが小説の中で一つのキーポイントになる(信長生存説に繫がるのか)。
等々謎を散りばめ、信長の出自にまで迫り、
物語は「本能寺に消えた信長の謎」を解き明かしていきます。
荒唐無稽と言ってしまえばそれまでだが、
自刃して果てた信長の遺体が発見されなかったのは歴史的事実であり、
そこに種々の推測が成り立つ。
寒冬の夜を炬燵にあたりながら、遠い昔の戦国時代の終わりに起きた
「本能寺の変」という歴史的事件の裏をあれやこれやと思いを巡らせるのも一興かと思います。
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