半沢直樹の生き方(2)
「やられたら 倍返しだ」半沢直樹が口をへの字に曲げ、
鋭い視線で相手を射すくめるように吐くセリフだ。
日常の職場では絶対にあり得ない状況設定に、
視聴者は溜飲を下げ、「いいぞ!半沢」と、心のなかで喝さいをあげる。
敵の情報を探るために鍵を盗み、証拠の文書を盗み出す。
目的のためには、強引にことを進める。
現実離れした半沢の行為に、
私たちは自分を重ね、日常から逸脱して生きる半沢に喝さいの拍手を送る。
私怨、遺恨の為に「意趣返し」的な仕事はするべきでない。
それを取締役会議の席上で、強引に進めることなど、言語道断ではないか。
大和田常務の不正を暴き、出席者全員の前で土下座を強引にさせ、屈服させてしまう。
最高責任者の頭取が常軌を逸した強引さをたしなめたにもかかわらず、
半沢は「聞く耳持たず」と、声高に大和田をののしり、罵倒する。
この時半沢は、大和田常務という永遠の敵を作り、唯一の理解者・頭取の
心を会沢から離反させてしまったことに気付かなかった。
「私怨」「遺恨」は心に傷を残し、
増してそれが大勢の前で行われた行為であれば、尚のことである。
半沢の行為を細かく見ていけば、2面性が浮かび上がる。
「熱血漢半沢」と「未成熟半沢」だ。
誰もが持つ2面性に、私たちは一喜一憂したのかもしれない。
⇒ドラマの台詞(せりふ)を二つ紹介して終わります。
「私は、トカゲの尻尾かもしれません。ですから切られた尻尾はしばらく暴れ回ります」
脅しとも、負け惜しみともとれる名台詞だ。
「俺はお前を許さない。自分のしたことを、一生悔やんで生きろ」
なんて絶対に言ってはいけない言葉です。 (2013/10/05)
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