二宮尊徳遺訓 ① 積小為大
翁はこう言われた。 |
(二宮尊徳翁)
小さなことの積み重ねが、やがて大きなものになっていく。だから、大事をなそうとすれば、小さなことを怠らずに務めよ。と、二宮尊徳(二宮金次郎)は生前弟子たちに語った。
そうした遺訓が高弟たちの書いた本に残っている。
高弟・富田高慶(たかよし)は尊徳の一生を『報徳記』として書き、明治天皇に献上した。
『報徳記』は勅版として刊行され、全国の知事に配布された。
後年、これがきっかけとなり、
金次郎は小学校の修身の教科書に「道徳の手本」として登場し、
全国の小学校に負薪読書の金次郎少年象が設置された。
(負薪読書像・小田原三ノ丸小学校)
福住正兄(まさえ)も尊徳の高弟の一人である。
福住は尊徳に仕えていたときに、
教訓を受けたり体験したことを『二宮翁夜話』として著した。
「積小為大」も「二宮翁夜話」で紹介された逸話である。
「塵も積もれば山となる」とか「千里の道も一歩から」という意味になります。
この逸話は、次のように結ばれています。
…万町歩の田を耕すのも、その作業は一鍬ずつの作業である。 |
閑話休題 チリも積もれば メダル5000個
2020年東京五輪・パラリンピックのメダルを不要な家電製品を回収して作ろうと、
大会組織委が「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」計画、
まもなく2年目を迎えます。
世界初の試みだそうです。
目標⇒「金」「銀」「銅」のメダル5000個
そのために回収した小型家電は5万トン、他に携帯電話500万台が集まった。
どのくらいの金属が含まれているのか。
携帯電話1台当たり 金0.05グラム
銀0.26グラム
銅12.6グラム
1台のパソコンにはおおよそ携帯電話10台分の「金」が含まれているとのことです。
小事を一つ一つ為すことが、大事を為すための前提であると尊徳翁は言いました。
結果を急ぎすぎる。
便利さの追求のために、修理をおこたり、新しいものに買い替える。
おカネ万能の世の中です。
おカネは大切です。
でも私たちは、この便利なおカネのために、
目に見えない多くの物を喪ってきたような気がします。
尊徳の思考の根幹には、
「勤労」、「勤勉」があります。
速さや便利さや快適さを求め続けた結果、
私たちは尊徳翁の教えを
どこかへ置き去りにしてきてしまったのかもしれませんね。
(2019.2.24) (つれづれ日記№77)
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