雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

風の行方(3)宮城被災地を訪ねて(3)

2012-04-23 21:54:04 | つれづれ日記

松島・東松島(奥松島)(1)

 松島 

 名勝地松島に着く。観光客の人波を眺めながら、わずかに残る津波の痕跡を見つける。

 松島湾に浮かぶ大小の島々と、遠浅の海が津波をブロックし、

海岸通りに軒を並べる土産・飲食店や松島海岸駅、瑞巌寺、五大堂など、

他の地域に比べれば奇跡的に軽微な被害で済んだようである。

活気を取り戻していた松島である。

 

 東松島市・奥松島(野蒜(のびる)地区・大曲浜)

 惨憺たる状況が視界に広がり、唖然となる。

目の前に広がる海は遠浅で、波静か。

穏やかな海が嘘のように広がっている。

この海が1年前に牙をむいて襲いかかってきた。

わずか3メートル程の防波堤を易々と乗り越え、

海岸沿いに続く、美しかったであろう防風林の松林をなぎ倒し、

人々の生活を根こそぎ奪ってしまった。

 

東松島市HPの今年2月現在の被害状況は次のようである。

  遺体収容1047人、行方不明57人。

  家屋の被害(全壊と大規模半壊)11,029に渡り、これは全世帯の約73%にあたり、

  さらに、一部損壊を含むと14,547戸の被害になり、全世帯の96%となる。

  被害の割合でいうと、被災地第1位にとなる。

 

 野蒜、大曲地区は埋め立て地のためか、液化現象と地盤沈下が起こり、

海岸付近には、1年後の今も、塩水が低地に淀みを作っている。

 写真は船が防波堤を乗り越え、住宅地に半分乗り上げている光景である。

防波堤に沿って続く海岸道路は、地震の地盤沈下と津波の被害で破壊されている。

いまだ、海水の引かない水たまり。

 

 復興は程遠く、家屋の残骸と瓦礫が延々と続く。

絶句するのみ。

  

 

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