松島・東松島(奥松島)(1)
松島
名勝地松島に着く。観光客の人波を眺めながら、わずかに残る津波の痕跡を見つける。
松島湾に浮かぶ大小の島々と、遠浅の海が津波をブロックし、
海岸通りに軒を並べる土産・飲食店や松島海岸駅、瑞巌寺、五大堂など、
他の地域に比べれば奇跡的に軽微な被害で済んだようである。
活気を取り戻していた松島である。
東松島市・奥松島(野蒜(のびる)地区・大曲浜)
惨憺たる状況が視界に広がり、唖然となる。
目の前に広がる海は遠浅で、波静か。
穏やかな海が嘘のように広がっている。
この海が1年前に牙をむいて襲いかかってきた。
わずか3メートル程の防波堤を易々と乗り越え、
海岸沿いに続く、美しかったであろう防風林の松林をなぎ倒し、
人々の生活を根こそぎ奪ってしまった。
東松島市HPの今年2月現在の被害状況は次のようである。
遺体収容1047人、行方不明57人。
家屋の被害(全壊と大規模半壊)11,029に渡り、これは全世帯の約73%にあたり、
さらに、一部損壊を含むと14,547戸の被害になり、全世帯の96%となる。
被害の割合でいうと、被災地第1位にとなる。
野蒜、大曲地区は埋め立て地のためか、液化現象と地盤沈下が起こり、
海岸付近には、1年後の今も、塩水が低地に淀みを作っている。
写真は船が防波堤を乗り越え、住宅地に半分乗り上げている光景である。
防波堤に沿って続く海岸道路は、地震の地盤沈下と津波の被害で破壊されている。
いまだ、海水の引かない水たまり。
復興は程遠く、家屋の残骸と瓦礫が延々と続く。
絶句するのみ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます