脊椎の捻れを検査する方法
昨日は休診日でしたが、「仙腸関節がひどく痛む」と言うので、来院してもらった。
※たまたま私の時間が空いていたからです。
問診をしてから、脊椎診をしたら、腰部で「く」の字のように曲がっている。
七星鍼法で診断すると、「肝」からの経筋腱収縮牽引です。
脈診でも「肝虚」がありました。
一瞬、どのテクニックを使おうかと考えたのですが、昨日ブログに書いた診断法で診断することにしました。
しかし、あまりに痛そうなので、先に痛みを取ることにしました。
最初に腸骨の左右の前屈・後屈を確認したら、左の腸骨が出ていたので、そのまま腸骨を調整しました。
そして、「うつ伏せに寝ることはできますか?」と聞いたら、「何とか」と言ってうつ伏せに寝てくれた。
しかし、辛そうです。
そこで、生物力学療法で「軽く」治療しました。
時間にしたら、何秒です。
なぜ「軽く」なのかと言うと、先に詳しい診断をしたかったからです。
詳しい診断とは、脊椎診で脊椎が歪んでいるのはわかっても、腰痛の原因になっているのが、腰椎なのか胸椎なのか頸椎なのか、そしてそれは脊椎の何番なのかを診たかったからです。
痛みが緩んだのを見て、「仰向けになれますか?」と聞くと、「なれます」というので、そのまま仰向けになってもらった。
そして、上の写真にあるような左右捻転の動きをしたもらいました。
右には床の近くまで倒せるのですが、左は45度も倒せません。
そこで腰椎なのか、胸椎なのか、を判断し、何番目なのかを想定します。
胸椎の11番目と想定したので、「肝」ということがわかります。
脊椎診は 昨日のページ をご覧ください。
念のために付け加えておきますと、脈診でも「肝虚」が出ていました。
そこで治療です。
胸椎11番の右側に異変のあることはわかったので、肝経の井穴である「大敦・だいとん」を使おうと思ったのですが、この方は鍼が苦手な方でしたので、指を使いました。
しかし、指を使って井穴で取るよりも、直接11番を動かしたほうがいいだろうと思い、背中の下に手を入れて直接11番辺りを刺激しながら、立てた膝を倒してもらいました。
すると、先ほどまで倒れなかった膝が、スーッと倒れていくのです。
この方は、そうなることを想像してなかったので、キョトンとした顔で私を見ていました。
「楽に動くようになりましたね」と聞くと、
「はい。なんでですか? えっ?」と質問が返ってきました。
「う~ん、胸椎に歪みがあって、それが腰痛を起す原因になっていたようですよ」と言うと、
「仙腸関節じゃないんですか?」と聞いてきた。
「直接的には仙腸関節ですが、大元の原因が胸椎にあるわけです。だから、大元を治さなければ、いつまでも腰痛は続きますよ」と言うと、何かが爆発したように、
「そうなんです。私、ほんとにいろんな病院や治療院に行きましたよ。大きな病院でMRIも摂ったし、いろんな鍼灸院や整骨院にも行きましたよ。だけどいつも、腸骨の左右が捻れているから治すのは難しい、無理かも知れない、と言われました。先生、これって治るんですか?」と聞いてきました。
「治りますよ。今、簡単な調整だけで楽になったでしょう」と言うと、寝たままコクンと頷いていました。
それから、もう一度脊椎11番を調整して、その状態を維持させるために、かる~く鍼をしておきました。
次の治療は2週間後に予約を入れて帰っていただきました。
2週間後となると、「そんなに空いていいのですか」と言う患者さんも多いのですが、私の所はずっとそのサイクルを基本にしてきたので、2週間後で大丈夫なのです。
もちろん、その間に痛みが出たりすれば来てもらうようにしています。