安倍晋三首相は、「成長戦略第3弾」で、「10年間で1人当たり国民総所得(GNI)を150万円増やす」という「目標」を打ち出しました。
もし、給料がまともに10年間で150万円上がったとしよう。
サラリーマンの平均年収の推移 によると、平成23年(2011年)の平均年収は409万円。
これが、10年後には、150万円増えて599万円になるというわけです。
しかし、2013/1/22付(産経新聞)によると、日銀は今月2013年/1月22日の決定会合で安倍晋三首相の要請を受け入れる形で2%の物価目標の導入を決断。
従って、目論見どおり毎年2%物価が上昇すると、10年間では約22%上昇する事になります。(1.02の10乗)
409万円の年収が599万円になっても、物価が約22%上昇しているので、実質58万円しか増え無いのと同じことです。
しかも、
「所得150万円増加」って、どういうこと?GDP(国内総生産)とGNI(国民総所得)の違いは(東洋経済オンライン 4~5頁)によると、
利子・配当所得が増えても、賃金はあまり増えない
…海外からの利子・配当の増加は、株価上昇や企業や金融機関の利子・配当の支払い増加という形で、資産を保有している人には利益が分配されるはずだが、国内生産が増えるわけではないので失業は解消され難く、賃金上昇には結びつかない恐れがある。…
と指摘しています。
安倍首相 ごまかし論議 「国民の年収150万円増やす」「国民総所得」 →すりかえ→ 「国民平均年収」 (赤旗)には、こう書かれています。
…しかも、安倍首相はGNIを「国民の平均年収」とか「みなさんの所得」とか呼んでいます。これは、単なる「言い換え」ではなく、違う意味に「すり替え」るものです。「国民総所得=国民総生産」には、賃金などの家計の所得だけでなく、企業の利益や株主への配当、海外からの利子・配当なども含まれています。GNIが増えたからといって、賃金などの国民の年収がそれと同額で増えるわけではありません。…
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