篆刻サークル「石門印会」の月例競刻の講評が
先生から届きました。
6月の課題は「釣月耕雲」(ちょうげつこううん)
雄大な自然の中で、月を釣って雲を耕すかのような
ゆったりとした心境を意味します。 道元禅師の言葉。
印の大きさは八分(約2、5cm) 以下、先生の講評です。

しっかりと文字を刻しきっており丁寧な仕事はとてもよい。
「月」字やや不安なり。文字が小ぶりに見えるのは線の
進展不足によるもの。辺縁は変化あり上出来たり。

何より印象的なのは辺縁を大胆にカットし文字点画を
接縁させていることである。その分、文字が大きく
配置でき雄大なスケールが生まれた「雲」は字形
今一工夫の余地あり。

印篆の安定感をよく出してしっかり刻している
「雲」下部これで良い?一考を。素直に配字して
安定している。左辺の接縁変化がいい。
右辺上部にもあらば尚よし。
(これは私の刻で雲字の刻し間違い、この間違い
よくやるんです。布字(字入れ)の時に気が
つかなかければいけない)

回文にするのであれば「雲」を簡単にしたらよかったが
「月」の回りの余白がさみしい。線を太めに辺縁を
太くするともっと迫力が出よう。しっかり掘り切って
いる点見事の出来。

一字目は誤字。辞典で隣り合わせの字を引いてしまったか?
対角の承応で疎字を大きく配しているのは正解。字形に
多少のアンバランスが見られるが、いかにも小杉流で
良しとする。

「釣」と「雨カンムリ」がやや細めで弱めに見えるが
丁寧な刻で好感「月」の刀線の伸展は他字にはなく
調和を欠く。一考されたい。全体として雅味をつけると
風趣がでたはず。

文字がよく伸展し余白のバランスがうまい。「月」下部
やや落ちつかぬか。右に線を伸ばしたらいかがか。
「雲」横線の欠けによる変化が他字でも見られると
調和したと思う。辺縁情趣あり。

回文作で対角に疎密の配分が秀逸たり。字形配置に
工夫がみられ他の範といえる。印形に微妙に手を加え、
雅味が心地良い。この白文作は朱文印とともに
上出来の逸品たり。

「月」字左右の朱の空間の広さが印篆に残る。対角の
「耕(田井)」字に朱をもっと広げたら更によかったかも。
「雲」は動きが止まったのが残念。印の欠けは少し
おとなし気であるか。

文字の大きさを大胆に差をつけての回文表現である。
対角に繁疎の変化ありて又バランスも良い。
刀線がやや単調に過ぎたかもしれない。変化のある
辺縁だが少しやりすぎ。

十字界線が小ぎみよい。なくても良いかも。
「雲」を簡単にすることで対角の承応と回文が生きた。
見事な構成で感服する。印形辺縁変化に工夫が見られ
秀逸である。

刻よく安定し他の範といってもよい。「月」「雲」
やや不満が残る「雲」は横広がりが強すぎたようだ。
辺縁はいつもの氏にしては弱含みか。大胆さを欲す。
今月は四字。画数から回文にし対角を考慮した作品が多かった。
工夫の努力が伺えてうれしい。それぞれに築いた事を
記したので今後の参考にして欲しい。と先生の言葉です。
先生から届きました。
6月の課題は「釣月耕雲」(ちょうげつこううん)
雄大な自然の中で、月を釣って雲を耕すかのような
ゆったりとした心境を意味します。 道元禅師の言葉。
印の大きさは八分(約2、5cm) 以下、先生の講評です。

しっかりと文字を刻しきっており丁寧な仕事はとてもよい。
「月」字やや不安なり。文字が小ぶりに見えるのは線の
進展不足によるもの。辺縁は変化あり上出来たり。

何より印象的なのは辺縁を大胆にカットし文字点画を
接縁させていることである。その分、文字が大きく
配置でき雄大なスケールが生まれた「雲」は字形
今一工夫の余地あり。

印篆の安定感をよく出してしっかり刻している
「雲」下部これで良い?一考を。素直に配字して
安定している。左辺の接縁変化がいい。
右辺上部にもあらば尚よし。
(これは私の刻で雲字の刻し間違い、この間違い
よくやるんです。布字(字入れ)の時に気が
つかなかければいけない)

回文にするのであれば「雲」を簡単にしたらよかったが
「月」の回りの余白がさみしい。線を太めに辺縁を
太くするともっと迫力が出よう。しっかり掘り切って
いる点見事の出来。

一字目は誤字。辞典で隣り合わせの字を引いてしまったか?
対角の承応で疎字を大きく配しているのは正解。字形に
多少のアンバランスが見られるが、いかにも小杉流で
良しとする。

「釣」と「雨カンムリ」がやや細めで弱めに見えるが
丁寧な刻で好感「月」の刀線の伸展は他字にはなく
調和を欠く。一考されたい。全体として雅味をつけると
風趣がでたはず。

文字がよく伸展し余白のバランスがうまい。「月」下部
やや落ちつかぬか。右に線を伸ばしたらいかがか。
「雲」横線の欠けによる変化が他字でも見られると
調和したと思う。辺縁情趣あり。

回文作で対角に疎密の配分が秀逸たり。字形配置に
工夫がみられ他の範といえる。印形に微妙に手を加え、
雅味が心地良い。この白文作は朱文印とともに
上出来の逸品たり。

「月」字左右の朱の空間の広さが印篆に残る。対角の
「耕(田井)」字に朱をもっと広げたら更によかったかも。
「雲」は動きが止まったのが残念。印の欠けは少し
おとなし気であるか。

文字の大きさを大胆に差をつけての回文表現である。
対角に繁疎の変化ありて又バランスも良い。
刀線がやや単調に過ぎたかもしれない。変化のある
辺縁だが少しやりすぎ。

十字界線が小ぎみよい。なくても良いかも。
「雲」を簡単にすることで対角の承応と回文が生きた。
見事な構成で感服する。印形辺縁変化に工夫が見られ
秀逸である。

刻よく安定し他の範といってもよい。「月」「雲」
やや不満が残る「雲」は横広がりが強すぎたようだ。
辺縁はいつもの氏にしては弱含みか。大胆さを欲す。
今月は四字。画数から回文にし対角を考慮した作品が多かった。
工夫の努力が伺えてうれしい。それぞれに築いた事を
記したので今後の参考にして欲しい。と先生の言葉です。