1日の終わりに ~森真理マンドリン教室~

マンドリンと共に暮らす日常のあれこれを、ほぼ毎日綴っています。

冷静と情熱のあいだ

2006年02月26日 | Weblog
そんな小説がありました。
江國香織と辻仁成。
この二人の人気作家が、主人公二人の10年に及ぶ愛の軌跡を、女性側(Rosso)と男性側(Blu)、それぞれの視点から描いた作品です。
映画化もされ、それも見ましたが、ケリー・チャンがちょっと背が高すぎる(竹之内豊に対して)のがなんだか妙に印象に残っています。
ミラノやフィレンツェの映像がきれいでした。

生まれ変わったら一緒になろうね、と言った芸能人カップルがいましたが、10年後にこの場所で会おう、という約束はなんとも素敵です。
それがフィレンツェのドゥオモなんて、かっこよ過ぎですね。


前置きが長くなりました。
本題は、演奏会に行った話です。

雨の中、“未完成』の演奏会を聴きに、川口まで行ってきました。
川口まで、と書いてしまうのは、やはり「結構遠い」という感じがするからなんです。
実際は、横浜から京浜東北1本で行けるのでラクでした。ホールが駅前というのも、雨の日にはありがたいです。

開演時間になっても、意外と空いていました。
雨の影響か、マンドリンの演奏会が重なった影響か・・・。
開演後、1部の間に入ってくる人が相当数いまして、最終的に6~7割ぐらいの入りのような感じに見えました。

1部は、劇音楽「アルルの女」より抜粋 (ビゼー)。
舞台にナレーターさんがいて、曲間にストーリーを語ってくれるという演出でした。
プログラムにも詳しい解説が載っていましたが、臨場感溢れるナレーションで、より一層曲が理解できました。
フィナーレの前に、ハゲシクお芝居が盛り上がったんですが、曲(フィナーレ)が始まったら予想外に短くて、「あら、もう終わりですか?」って雰囲気になったような気がします。
だから拍手も一瞬遅れたような感じで・・・。
でもそういう曲なんですよね。それは仕方ないですよね・・・。

2部の1曲目は、組曲「ドリー」作品56(フォーレ・伊藤敏明編)。
実は初めて聴きました。
特に、2の Mi-a-ou と、5のTendresse 優しさ が印象に残りました。
弾いてみたい。

2曲目は、プロヴァンス組曲(ミヨー)。
これも初めて聴きました。
あぁ、私って・・・。
でも、ちゃんとタテラッツィさんのブログで予習しました。休憩時間にもプログラムを再度しっかり読んで。
難しそうでしたが、これが一番好きでした。
第1曲 【Guardians(牛の番人)】、 第4曲 【Pecheurs(漁師)】、 第6曲 【Venanges(ぶどう収穫期)】 に丸印をつけたので、この演奏が特によかったんだと思います。

アンコールは、パヴァーヌ(フォーレ)。きれいでした。

私はそんなに顔が広いわけではありませんが、マンドリンの演奏会に行くと、たいてい客席で知り合いに声をかけられます。
ステージの上には、一緒に演奏したことがある人、あるいは名前や顔を知っている人が数人はいることが多いです。

でも今日は、あのホールの中で、知り合いはタテラッツィさんたった一人でした。
なんだかそれがとても特別な感じがしました。

オケの全体的な印象としては、とても真面目で上品。
選曲からして、他とちょっと違いますし。それを真面目に練習した、ということが伝わってきました。
逆にいえば、ちょっと押し出しが弱いような・・・。
ここをバシッと決めてくれ、というようなところであっさり無難に済まされてしまう感じもしました。
アクが無いというか、1枚ベールがかかったような。

心の中は情熱で溢れてるのかもしれないけれど、見た目にはとても冷静で、「ここを訴えたい」というような強い主張があまり感じられませんでした。
きっとみなさん、普段でも和を重んじて心穏やかな方ばかりなんだろうなぁ。
「1stがこう弾いてるのに、ドラにそんな風に弾かれたら台無しだ!」なんてケンカ(いや話し合い)はないんだろうなぁ。

それはおいておいて、パーカッションも大きすぎず程よいバランスで、全体的にいい演奏会だったと思います。
選曲も独自路線で新鮮でよかったです。

でも、曲中の調弦は必要なのかな。
あれは無いに越したことはないと思いました。狂ってもなかったようですし。

終演後、デパートの閉店の時のように、出口で丁寧に送り出していただきました。
こんなところも、とてもお上品だと思いました。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする