人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

前向きなノスタルジー

2021-03-30 11:48:49 | 雑感
こないだ、収用スペースの問題もあって、"もう、LPレコードは買うまいi"、と思っていたのが、つい中古レコード店(めっきり減ったなあ)で、コンチネンタル.タンゴの三枚組レコードを衝動的に買ってしまいました。
"なっつかしいなあi"...て、ウソですよi...すべて戦前の録音、私の生まれる前の音楽です。こういうのには目がありません。元気が出てきます。
よく考えてみれば、私のカルチャー関係のものは、このように多くレトロなもので彩られていると言ってもいいのです。
音楽に限らず、暇があれば映画、プロレスの動画などを観てますが、ほとんど古き良き時代のものばかりです。そういう方の知識というのは、もう圧倒的に古い時代のものの方が豊富なのです。
未来の方に意識が向くのを前向きとすれば、私の普段の心的傾向はどうも後ろ向きなのかもしれません。
"いや、一寸待てよ、何で古き良き時代なんだ?"...
先のコンチネンタル.タンゴが我が国で流行した時期というのは、軍国主義に傾いていた時代に対応していたのです。詳しい説明は省きますが、このタンゴは、狭義には同盟国ドイツ産のタンゴのことを指しており、それまで広く受容されていたジャズなど米国産のものは、敵性音楽として排斥されていたのです。
リアルタイムでこの音楽を聞いていた人は、数少なくなってしまったでしょうが、この状況下で親しんだことは、さぞ特別な感慨があることでしょう。
この他、ノスタルジック.サウンドの代名詞のようなオールド.ジャズが流行した米国の1920年代は禁酒法時代だった...
もっと私史的なものに限ってみても、懐かしいあの頃は良き時だったとは限らないのです。
でも、懐かしいと感じちゃうんですよねえ..."今の時代がつらいと感じているから? 現実逃避してるの?"
いや、確かにつらいこともありますが、そんなことあないi それを言うならつらくなかった時代なんてないですよi
だけど、懐かしいと感じるだけで良き時代だったと思えてきてしまうのです。
これは多分、過去の記憶がアリアリと呼び覚まされることで、未だ廃れていない、滅んでいない歴史的生命のようなものに触れるからではないかと思われます。
そして又多分、そこから明日への活力を得ているようなのです。廃墟のような渋谷、六本木周辺よりもレトロな東武東上線沿線の方に明るい未来を感じるのは私だけでしょうか?
今の現実が苦しいので、向き合おうとせず、過去のノスタルジーにばかり浸っていることは現実逃避につながる(それが悪いとは言ってません)のでしょうが、私はむしろ過去のものに振り返ることで、現実に呼び覚まされることもあるのです。
後ろ向きのようでいて、前向きにならざるを得なくなったりもするのです。
不滅のものに接するということはそういうことなのだから...
んー...なーんて、難しいことは置いといて、単純に楽しいからなんでしょうね...過去のものは分かりやすくて単純なものばかりだった...そういう人間なのかもしれません...?
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12 コメント

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Unknown (ジダン屋)
2021-03-30 20:45:19
タンゴを最近の人がやると余り好きじゃないんですが
ユーチューブで古いのを聴くと成程シックリ来ますな
「Fräulein, pardon」と言う曲が良かったです
SP盤の音が何とも言えぬ良い感じです
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Unknown (シタテルヒコ)
2021-03-30 22:14:36
そうですね、あのバチバチと針の音が聴こえないと、感じが出ないのです。「お嬢さん、許して」(?)って曲ですか、私は知らないですが、ドイツでは結構聴かれていたようですね。
アルゼンチンタンゴは、日本のコレクターによってかなり復刻されましたが、ドイツのとかはかなり遅れていて、よく分からないのです。
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Unknown (ジダン屋)
2021-03-31 17:27:37
ユーチューブで聴いた中ではカルロス・ガルデルと言う人の歌が滅茶苦茶上手でした
クラシックの人か?と思った
しかも楽団でなくギター伴奏だけで表現していて革新的な感じがしましたねえ
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Unknown (シタテルヒコ)
2021-03-31 17:58:24
カルロス.ガルデルはラテンアメリカが産んだ初のスーパースターと言えるでしょう。
ギター伴奏が多かったですが、晩年(と言っても若死にする直前)はオーケストラ伴奏だったのは、タンゴ歌手では初だったかもしれません。
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Unknown (ジダン屋)
2021-03-31 21:28:02
1920年代と言えば録音の編集も処理も出来なかった時代で、生で一発録音の状況で、ガルデルの歌のクオリティーの高さは、びっくりしますねえ
いや、この時代の音楽に疎い私ですが勉強になりました
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Unknown (シタテルヒコ)
2021-03-31 22:26:45
ガルデルの「volver(帰還)」、「Melodia de arrabal(場末のメロディ)」などを都内の某所でよく歌ってます。
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Unknown (Unknown)
2021-04-06 21:07:40
こんばんは

私は、世界は完璧なワンネスだと確信していますし、これを否定することは完全に諦めています

しかし、この物理世界が無や幻想だとしても、『無限なるもの』に身を完全に任せつつ、この肉体を持った世界で全力疾走した後に死を迎えたいなと思えるようになりました



本当は、もう少し続きを書きたかったのですが、なんか上手い言葉が思い浮かびません

こういう時は、無理せず諦めますw

では!
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Unknown (さとう)
2021-04-06 21:21:23
ミスりました。

先のコメントは私がしたものですし、別なアップされたものに書き込むつもりでした。

すみません
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Unknown (シタテルヒコ)
2021-04-06 21:43:19
さとうさん、コメント有り難うございます。
<なんか上手い言葉が思い浮かびません
貴方は、思考の及ばない領域について言われているように思いますが、全くそのとおり、言葉に言い表すことは出来ないでしょう。
私がいつも書いているものも、何が正解ということもなく、一種の暗号みたいなものに過ぎません。
ともあれこの世に生を享けている限り、全力疾走となるのか、すべてを委ねるのか...限界が開かれるまでそれを全うしたいと思います。
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Unknown (さとう)
2021-04-06 21:52:37
今の人生は、お互い『マイルストーン』なのでしょうね
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