人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

のようなもの

2023-04-28 08:52:38 | 創作
「あなたは、”現臨”とか、いつも言っているけど、それはそも、一体何なんですか?、神の表れですか?」
ーいや、それはどうも...はっきり分からないですねえ...だから”神的なもの”、とボカして言っている訳で...それは、”神のようなもの”ということになるでしょうか?...しかし、それは何かの表れには違いないでしょう?...そうでなきゃ、そういうものを感じ、認識することは出来ないですから...
「そこをボカしたり、曖昧なこと言わないで、ハッキリと神なら、神と言ったらいいじゃないですか?」
ーいや、ワカランもんはワカラン!...だから明確に言えません!
「あなたは、そんな曖昧な、不確定なものを信じているのですか?」
ー曖昧...不確定...それは、表現がそうならざるを得ないことを言っているまでで、何とも曰く言い表し難いことなもんで...
「又、そう曖昧なことを!...」
ーあのですね、曰く言い表し難いものというのは、こっちの受ける感じとしては、こんなにもリアルな、目の当たりに、ダイレクトに伝わるものは無い、と言っていいものなんですよ!
「だったら、なおさら、ハッキリと言葉にして、明確に伝えるべきではないですか?」
ーそんなもん、神はこうこうで...神の表れはどうで...とか言葉で説明されるものなんて、すべて“分かったようなもの“に過ぎないでしょう!
「分かったようなもの?...」
ーあなたの合理に合わせたい頭には、一応分かったことになるでしょうが、そのものに合うことは無い!
「それは、分からないもの?」
ーそう、曰く言い難いもの...
「そういうものは、信じられないでしょう?」
ー何故、信じる必要があるのですか?!
「ハア?...そんな、訳のワカランもの、どうして信じられるのですか?」
ー愛のようなもの、安らぎのようなものが感じられるからです!
「又、出たよ!...のようなもの!...」
ーそれが又、曰く言い難いものなもんで!...愛、安らぎのようなものを感じる、ということは、信じようとしなくても、信頼のようなもので、自然に意識が動かされてしまうのです。
「愛、安らぎ、信頼...なんか分かるような気がする...」
ーそれは、愛が何であるか、安らぎが何であるか、それがどこから来るのか?、ということは、分からなくても、信じられなくてもいい、ということではありませんか?
「だから、神が何であるか、それが神なのかどうかも分かる必要も、信じる必要も無い?」
ーそういうこと!
「おっ!、ハッキリ断定的になりましたねえ?」
ーそれが感じられる、ということは言葉を要しない、自明なことだから!...
「う~ん...分かったような、分からないようなものだなあ!...」
コメント (2)
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天使の知らないこと

2021-12-21 12:13:59 | 創作
僕は夢の中で天使と出会った...
僕は死を間際にしていて、"きっと、僕みたいな人間は死んだら地獄に行くんだろう?"、と思って恐怖と戦っている時、ふと彼は舞い降りて、話しかけて来たのだった。

「死は恐くないよ、一体何を恐れているのかね?」
「僕は死んだら地獄へ行くんでしょう?...あなたは知っているはずだ、僕がどんなに悪くて、ダメでどうしようもない人間だということをi」
「君がいつもそんなことばっかり考えてる、どうしようもない人間なのは分かるが...私は地獄なんてところは勿論行ったことないし、知らんのだよi」
「えっ、あなたはすべてをご存じの神の代理のような方なのでしょう?、何故分からないのですか?」
「現実に知らないから、分からない、と言ったまでだ...君と同じようにね...」
「じゃあ、人間は死んだら天国にしか行かないって訳?」
「地獄が分からないと、天国って訳か...地獄のことを君は色々想像して恐がってるみたいだけど、天国のことも色々想像しているのか?、まあ、楽しけりゃいいんだろうけど...」
「そりゃ、そうだけど、今は現実に死を前にすると、地獄の恐怖が迫ってきて、いたたまれなくなっているんじゃないかi」
「だから、君は何故私がここに来ているか、ということがまるで分かってないんだi、どうしようもない!...君は私の知らない、地獄のことをそんなに知りたいのか?、地獄に行きたいのか?...ええっ、どうなんだi...くそっ、とっとと地獄へ落ちやがれ、だi(天使にあるまじきお言葉i)」
「じゃ、地獄というのは、僕の想像の産物だということですか?」
「想像の産物?i...しかし、君が今、恐れを感じているのは、想像上のことじゃないんだろう?...それは地獄的な思い、想像に過ぎないものが固着してその思いに囚われてしまう...それを地獄と言ってもいいかもしれない...さらにそれは神がそうさせていると思い込むことで、ますますその地獄的想念は強固となり、そこから離れることが難しくなってしまう...」
「神がさせているんじゃないんですか?」
「知らんi...だから言ったろうi、私は知らないんだってi...きっと神も知らんのだろう...想像も、創造も出来ないだろう...人間以外のすべての生き物に出来ないことが、人間には出来るらしい...勝手に想像して、あたかもあるかのような世界を作り出して、勝手にそこに落ちて行くんだi」
「神はどうしてそこから救ってくれないんですか?」
「バカを言うなi、神がその苦境に加担していると信じてるくせにi...それが永遠の地獄を作り出すんだi」
「地獄っていうのは、神も天使も知らない世界なのか?...」
「そう、人間にだけは神の無い世界を作る自由がある」
「自由?」
「しかし、その行き着く先は、全き不自由な世界~地獄だi...で、どうなんだ、その地獄の思いから自由になりたいのだろう?」
「自由になりたいよi、けど、神も恐ろしい...神が永遠に支配している世界からも自由になりたいよi」
「神の支配?...どうしてそう色々囚われたがるんだ君はi...支配、何かのシステムみたいなもの...君の世界のことからどうしても離れられないらしいね。それこそ地獄みたいだi...私は、何かの命令でここに来ている訳じゃないのだが...」
「じゃあ、何故?」
「それは君が今、言ったことだよi、地獄も、恐ろしい神も、諸々の重い思いから自由になる...それを分かち合いにだよi...君のその、何かに支配されたような頭に向けて、こう言いたいね、神とは自由だi」
「どうしたら自由になれる?」
「ホント~に君は何も分かってないんだなあ...何で私がここに居るのか...知りたければこの魔法の鏡を見ろi」
「ああ~っi...」

すると、あっという間に天使は消えて私と一つになったか、と思うと...
すべての思いも消えて、すべての恐れ、トラワレからも解放され、眠りについたのだった...
僕は死んだのだろうか?
いや...目覚めたのだi
それは夢の中で眠りにつく前と同じだった...
愛と平安に包まれていた...
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フランケンシュタインの花嫁と息子

2021-09-15 10:06:32 | 創作
私の父が人造人間を創造するという秘密の研究をしている、という噂はアチコチで耳にしている...
そして、今度は何でも超次元のエレメントを借りて、女の人造人間を造ったらしいのだi、
死体を繋ぎ合わせてこしらえたそれは、電気ショックによってよみがえったのだi
その女モンスターは、一見するとフツーの世界にどこでも居るような美女に見えるが、夜になると顔中の皮膚は分厚く膨れあがり、醜く変容してしまい、文字通りモンスターと化してしまうらしい...
女モンスターは超次元に由来する妖術を使い、主人であるはずの父の心を狂わせ、意のままに操ってしまうのだという...
そして...父と共謀して私をも手玉にとり、挙げ句は命を取ろうとしているというのだi
ああ...私の運命は一体どうなるのだろう...

先日、私の友人の8才になる息子が深刻な悩みを抱えているようだったので、心配になって訊いてみた。
その話は、多感な少年に見られるように幻想と現実が入り交じっていて、その内容を掴むのが難しかったのだが、私なりに整理すると、ざっとこんなことだった。
ある時、その子が父の知り合い同士の噂話を立ち聞きしてしまった、ということである。
それによると、"一人前の社会人を生み育てる"、職業訓練学校で働いているその父が"女をつくった"らしいのだ。(ちなみに彼は、妻に先立たれ現在独身である)
その女は、彼にしてみれば別世界とも言える、夜の仕事をしていて、昼間はこざっぱりした美人なのだが、抜群の"肢体"、プロポーションの持ち主で、仕事になると厚化粧の夜の女に"化けてしまう"のである。
生真面目な彼は、ほとんどそういう世界には縁が無いのだが、友人の誘いでキャバレーへ初めて訪れ、その女を一目見た瞬間、"ビビっ"となったのだが、彼女の方も"電気を打たれた"ようだったそうである。
こうなると、彼に再婚の話もちらほら...子連れということがネックになっているらしくて、彼の方でも悩んでいる最中のようなのだが、息子の方は、もっと深刻な顔をしていた...
という次第だった。
息子の方の彼は、今、恐怖の幻影と戦っている最中である上に、こんなおめでたい"怪奇話"が突如舞い込んできたのだから...
彼は一月前、戦前のユニバーサル映画「フランケンシュタイン」を観て以来、ショックで、その怪物の幻影にとりつかれてしまったのだ。
何でも、意識を向けただけで、"パッ!"、と...いや"ぬうっ!"と、ゾッとするあの怪物の容姿が浮かび上がるのだという...
彼が打ち明けてくれた話は決して笑ってはいけないのだけど、幻想で膨らんだ部分を切り取ると、マダム.シェリーかラブクラフトも顔負けのホラー小説になるようで、面白くてたまらないi
彼はきっと将来、現世では与りしれない、"人生の裏側"に足を踏み入れてしまうんじゃないだろうか?
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究極の二択

2021-05-20 10:28:23 | 創作
ー恋人たちの会話ー
「あなたはこないだ、あなたにとって神が最愛のものだ、みたいなこと言ってたわよね?...それって私よりってことなの?」
「そ、それはだね、人生で何時、一番愛というものを感じたか、っていう話の流れで出たことなんであってね...」
「何だか歯切れが悪いわね...じゃあ、最愛のものは私なの? ...そうなんでしょ?、違うの?」
「そ、そんなこと、分かりきったことじゃあないかi...目の前に居る君を前にして、"君でない"、なんて言えやしないよi」
「でも、私分かってるわ、あなたは信仰的な人なのよ、神は万物の創造主、神無しであなたは生きていけないんだったら、神が最愛のものになるんじゃなくて?...」
「確かに、僕もそういう風なことを言ったよ、でも、今は...」
「今は?...私ってことなの?...ああっ...もしかしてあなたは容易く節を曲げちゃう人なの?」
「ち、違うよi...多分...」
「"たぶん"ね...はっきりしない人ね、はっきり言ってちょうだいi 私なの、神様なの、どっちなのi」
「だ、だから今は"きみ"(小声)だって言ってるじゃあないかi」
「そうなの?...じゃあ、あなたは平気で神様の札を踏みつけられる人なのね、護教精神なんて無い人なのね?」
「護教精神?...そんなものは知らないなあ...札でも、お守りでも持ってこい、ってもんだよi 最愛のものは、信念なんかとかじゃ語れないものだよi」
「じゃあ、あなたの目の前に神が現れても、そういうことが言えて?...」
「ええっ...目の前に...そいつあ、ダメだi、無理だi...いいや、君だって無理だよi」
「私も...何で? 私は神様なんか信じちゃないわよi...第一それが本当に神様なのか、幻想なのか分からないんじゃなくて?」
「いや、見えようが、見えまいが"現前する"ってのはどうしようもないことだよi」
「じゃあ、神があなたの目の前に現れたら、それがあなたの最愛のものになるってことなのね?」
「そうだよi 最愛のものというのは、いつも現前するものなんだよi...神は万物の創造主、神あっての僕...そういう理屈を知っていても、どうしても現前するものがすべてになっちまうさ...」
「それで、今は私が目の前に居るって訳ね?」
「そうだよi...君を目の前にして言うのもなんだけど...いつも現前している君を見ていると、現実に見えていない君のことも見えてくるようだ...まるで女神様のように思えてくるよi」
「だから女神様と私とどっちなのよおi」
「そ、そんなあ...どっちでもいいじゃないか!」
「じゃあ、それが私と別の彼女だったら、そういう風に思えるの?」
「それは、目の前に居ないんだから分からない」
「もし、居るんなら...」
「そういう風になるかなあ?」
「呆れたi...もう、知らないi、さよならi...」

"どうして、こうなっちゃうかなあ?...ぐすん...
だから...この答えは分かりきったことなんだi..."
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奇妙な訪問者

2021-04-18 08:27:57 | 創作
私はある所で瞑想を教えている者である。何のために瞑想をするのかというと、言うまでもなく幸福を手に入れるためであり、それには思い、この思考というものを放たなければならない。
で、そのためには意識を集中して、その諸々の思いから離れるということをする。
で、そのためには(イチイチ"そのためには"...を繰り返さなければならないのだi)呼吸に集中する、目の前に花瓶とかを置いてそれを見ることに、マントラというか、ある言葉を繰り返してそれを聞くことに集中するとかやる訳なのだが...
こないだ、フラッとヘンな人がやって来て、瞑想を教わりたいと言うので今のこと(それ以外にも色々あるんですが)に取り組んでもらったのだが、何をやっても「出来ませんi」と言う。
そこで、「呼吸でも、花瓶でも自分に合ったものを選んでやったらいいんですよi」と言っても「僕には出来ません」を繰り返すばかり...
「あなたは緊張し過ぎなんじゃないですか? もっとリラックス、気楽にね...」
「別に緊張なんかしてません」
「どうして出来ないのかなあ...」
「意識を何かに集中しようとすれば、するほど思いがテンデバラバラになって集中出来なくなりそうです。"ここに在るもの"がどっかへ行ってしまう感じです」
「君は何を言っているのかなあ?..."ここに在るもの"って今言ったよね。それを見つけるためにこういうことをやってるんじゃないか?」
「そう、今ここに感じられるから、ここに在るものと言ったのです」
「おかしなことを言うんだね、何もやってない、やっても出来ない君がどうしてそういうものを感じられると言うのだね?」
「分かりませんi」
「何故だ?」
「さあ?...多分、それは私の思いとか私がやること、出来ることを超えているからだと思います」...(それを聞いて私は絶句するしかなかったi)
「君は本気なのか? 私をからかっているのか、からかいに来たというのかi」
「い、いや本気もウソん気も、ただ感じてるままを言っているだけです」
「...おそらく、君は天才かキ印か、最近スピ界隈でよく聞く"私は居ない"という人か、瞑想修行というものをおちょくっている人かどっちかだろう...」
「私がどういう人間だろうと、このことは私という一コの人間からは来ませんi」...(絶句)
「君はどうみても、一寸風采が上がらなそうなフツーの人間にしか見えないが...おそらく君の師匠、マスターというのは只者ではないな...一体、それは誰なんだね、教えてくれないか?」
「無理ですi 教えられませんi」
「そ、そうか、分かったぞ、君は何かの秘密結社のメンバーなのだな?」
「ち、違いますよi...マスターらしいものは多分居ますよi...それはあの御方だろう...」
「そ、そうだよ、その御方のことだよ、私が訊きたいのは...」
「無理ですi」
「何故だ?」
「私は一度もお目にかかったことありませんから...しかし、毎日、日夜ずっと接してる、交わっている感じです」...(絶句...彼の話しぶりから、彼がけっして私をおちょくっているのでないことだけは分かった)
「で、君、今もその"ここに在るもの"とか、その"御方"を感じているのかい?」
「ええ、今は何かに意識を集中してないし...」(これは、皮肉じゃないかi...ムッとなった...)
「どうやって感じるのか?」
「どうやって、って?...そういう話をしているうちに...」...(絶句...これは、無っとなる話だ)
「私はさっきも説明したように、何度も"そのためには"を繰り返し、瞑想修行に励んで来たのだが、何のためにだか分からなくなってきたよ」
「いやあ、私の方こそ、何のためにここへ来たのか分からないのですから」"パチンi"
「そ、そうだよ、それが訊きたいよi 何もしなくても、何も出来なくてもいい君が...」
「多分、通りがかった時に、表の看板に"どなたでも自由に瞑想出来ます"とあったのにつられたんだと思います」
「そ、そうだよなあ、自由ってのがいいよ、それだけで幸福になれるような気がする...」
と、言っている間に、いつの間にかどっからか降りて来たような、例えようの無い幸福感に包まれてしまったのだった...もう、考えることも、何かをやろうという気も起きてこない...そして、彼の言葉を最後に聞いたのは確か「私たちは歩んでいる道は違うのだろうけど、求めているものは同じらしいですねえ?」というもので、私は只々頷いているばかりだったのだが...いつの間にか彼は居なくなってしまったのである。
何とかして、彼の謎の、見えないマスターに弟子入りしたいと思っていたのだが...もはや、言葉がない...。
私の人生であんなに絶句させられたことはなかった...。一体、ありゃ誰だったのだろう?...それとも見えない誰かを運んで来たのだろうか?
(終わり)


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