スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

順位戦回顧&無限様態の特徴

2008-03-15 18:50:59 | 将棋トピック
 昨日,B級1組の順位戦の最終局が戦われ,今期の順位戦は全日程を終了しました。各組の結果を簡単に紹介し,短評を入れます。なお,展望はこんな感じでした。
 まずA級。ここは羽生善治二冠が8勝1敗で単独首位。4月からの名人戦での挑戦権を獲得しました。降級は久保利明八段と行方尚史八段。このクラスでは佐藤康光二冠が6連敗しまして,タイトル保持者の降級があるのではないかと注目を集めましたが,そこから3連勝して自力で残留を決めました。6連敗からの残留はA級ではたぶん2度目のケースと思います。
 B級1組は残り二局を残した段階で深浦康市王位と鈴木大介八段の昇級が決定。ふたりともA級には返り咲きとなります。こちらでは渡辺明竜王が一時期は1勝5敗となり驚きましたが,こちらもそこから6連勝と力を見せました。降級は島朗八段と中川大輔七段。
 B級2組は最終的に3人の争いに。最終局で自力だった山崎隆之七段が勝って,8勝2敗のトップで昇級。同じく自力だった屋敷伸之九段は敗れましたが,競争相手の土佐浩司七段も敗れたため,順位の差で昇級となっています。予想通りの混戦。橋本崇載七段が4勝6敗とかなり苦戦したのは意外でした。
 C級1組は最終局で自力だった阿久津主税六段と豊川孝弘六段が共に勝ち,8勝2敗で昇級。安用寺孝攻五段も8勝2敗でしたが,順位の差で頭ハネとなりました。安用寺五段は,前期の最終局で勝っていれば今期は豊川六段より順位が上でしたし,豊川六段は前期の最終局を負けていれば順位が下になっているところ。このように,順位戦では前の期の一局の結果が翌年を左右するケースが生じます。豊川六段は僕より年上。この年齢での昇級は立派だと思います。また,このクラスは8勝が3人で,2勝以下がゼロ。僕の予想よりもずっと大混戦になったのも印象的でした。
 C級2組は村山慈明五段が9勝1敗,8勝2敗が3人出ましたが,順位の差で佐々木慎五段と高野秀行五段が昇級。初戦を落とした村山五段ですがそこから8連勝。この段階で昇級が決まりましたが,見事に最終局も勝ちました。もっと上までいける棋士だと思います。遠山雄亮四段も8勝2敗と健闘しましたが,順位の差で涙を飲みました。

 無限様態の場合についてこのように考えますと,一般的に無限様態というものがどのような原因と結果の秩序によって実在するようになるか,いい換えれば発生するのかということが理解できます。そしてそれは,神のある属性の絶対的本性を原因として,必然的に実在するのです。よって,ある属性の無限様態の発生の原因を知るために必要なことは,その属性そのものを認識するということなのであって,神のそれ以外の属性に関していえば,それを認識する必要はないということになります。これは第二部定理六を,無限様態に関して考えれば,そこから帰結されることにも適合しています。したがって,もしも十全な観念が無限様態として実在するという場合に関しては,単に神の思惟の属性の絶対的な本性に注目するだけで,知性はそれが発生するということを十全に認識できるということになります。
 ところで,観念の外的特徴とは,観念と観念されたものとの関係を意味し,観念の内的特徴とは,観念の対象との関係を離れた,その観念自身の連結と秩序を意味します。よって,無限様態として十全な観念が発生する場合には,単にその十全な観念の内的特徴に注目するだけで十分なわけです。それが思惟の属性の絶対的本性に注目するだけでその発生を認識し得るということは,この十全な観念の対象に関しては注目しなくてよいということを意味するからです。よって単にその内的特徴を定義しただけの第二部定義四によって,少なくとも観念が無限様態である限りは,十分に十全な観念の発生が含まれているといえると思います。
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