スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

朝日杯フューチュリティステークス&第五部定理三証明

2021-12-19 19:05:57 | 中央競馬
 第73回朝日杯フューチュリティステークス
 カジュフェイスが好発からそのまま逃げました。セッカチケーン,セリフォス,ダノンスコーピオン,プルパレイの4頭が2番手集団で6番手にトウシンマカオとトゥードジボン。8番手のオタルエバーまで一団。3馬身差でドウデュース。アルナシーム,ヴィアドロローサ,スプリットザシーがその後ろで集団を形成し,ドーブネまでの5頭が一団。3馬身差でジオグリフ。3馬身の最後尾にシンリミテスという隊列。最初の800mは46秒2のハイペース。
 道中でトゥードジボンが単独の2番手に上がり,プルパレイとトウシンマカオが並んで3番手という隊列で直線に。トウシンマカオの外からセリフォスが前に。さらにその外からドウデュースが伸びてきて2頭の競り合い。ドウデュースの伸び脚が優り,セリフォスを競り落として優勝。セリフォスが半馬身差で2着。セリフォスの内に進路を取ったダノンスコーピオンが半馬身差で3着。
 優勝したドウデュースは9月に新馬を勝った後,10月の東京のオープンも勝利。ここはそれ以来のレースで3戦3勝で大レース制覇となりました。このレースは2戦2勝の馬が4頭,3戦3勝の馬が1頭いて,それらの争い。そのうちの1頭でしたので,優勝候補の1頭でした。このレースは前走でオープン特別を勝っている馬がなぜか苦戦する傾向にあり,その点が不安でしたが,傾向を覆すことに成功。ただレースが阪神で行われるようになって以降,前走で東京のレースを使っていた馬が勝ち馬に多く,この馬もその点は満たしましたので,今後の傾向としては覚えておいた方がいいかもしれません。1800mで連勝後に1600mの大レースを勝ったことは,個人的にはクラシックに向けては不安材料と感じますが,血統面からは問題ないように思えます。父はハーツクライ。馬名の英語表記はDo Deuce。
                                        
 騎乗した武豊騎手は一昨年のJBCレディスクラシック以来の大レース制覇。朝日杯フューチュリティステークスは初勝利。管理している友道康夫調教師は天皇賞(春)以来の大レース16勝目。第70回以来3年ぶりの朝日杯フューチュリティステークス2勝目。

 スピノザによる第五部定理三の証明Demonstratioは,次のような手続きとなっています。
 まず,受動passioという感情affectusは混乱した観念idea inadaequataです。この点については,スピノザとは異なった仕方で説明します。
 第三部定義三にあるように,感情は人間の身体Corporisのある状態と,その状態の観念ideasを同時に意味します。この定理Propositioではスピノザは,身体のある状態の観念として感情を説明しています。そしてそれが混乱した観念であることは第三部定理三から明らかだといえます。
 次にスピノザは,現実的に存在するある人間が,受動感情について明瞭判然とした観念を形成するということを,観念としてみられた感情の観念を形成するということと等置します。感情を観念としてみた場合には,この等置が成立することは間違いありません。よって,受動感情の明瞭判然とした観念というのは,受動感情の,あるいは受動感情という観念の観念idea ideaeであるということになります。つまり,受動感情とそれについての明瞭判然とした観念の関係は,ある観念とその観念の観念の関係であることになります。
 そこでスピノザは,これらふたつの思惟の様態cogitandi modiは,見方の相違,観点の相違に帰着するとしています。そしてこのことを,第二部定理二一および第二部定理二一備考に訴えています。ここからもスピノザがある感情とそれの明瞭判然とした観念の関係を,観念とその観念の観念の関係としてみていることが分かります。いい換えれば,ある感情とその感情の明瞭判然とした観念は,同一個体であるということに訴えて,この定理を証明しているのです。
 スピノザはここで僕が示した第三部定理三を援用して,その感情は受動であることを止めるといっています。しかしこの証明には十分ではないところがあるとみることができます。というのは,第三部定理三は,十全な観念idea adaequataと混乱した観念の関係で能動actioと受動の相違を示していますが,この証明は観念と観念の観念が同一個体であることに訴えていて,観念の方は混乱した観念であるとされているのですから,その同一個体である観念の観念が,同一の人間の精神mens humanaと関連付けられるなら,それが十全な観念であるということはないといわなければならないからです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 理由と内容&第五部定理三 | トップ | 椿賞争奪戦&僕の見解 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

中央競馬」カテゴリの最新記事