本日、ニュースでハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん予防のために、両胸の乳腺切除の手術を受けたことを知りました。
遺伝子検査の結果、BRCA1と呼ばれる遺伝子に変異があり、乳がん・卵巣がんになる確率が一般の人よりもかなり高いことが分かったため、乳腺切除術に踏み切ったとのことです。担当医によると、彼女が乳がんにかかるリスクは87%、卵巣がんは50%であったということです。
一般に、BRCA1に変異がある場合の乳がんにかかる確率は65%で、日本人女性の生涯乳がん罹患率は6%(国立がん研究所統計)ですから、かなり高い数値と言えます。
アンジェリーナさんは、母親を乳がんにより56歳で亡くしており、子どもに同じ思いをさせたくなかったとコメントしているとのことです。
摘出しても現在の技術ならきれいに再建できるところまで来ていることも、手術に踏み切った原因でしょう。
私たち脳神経外科の分野でも最近、予防手術が増えています。たとえば、未破裂脳動脈瘤に対する手術はその代表です。最近、この治療を希望して来院する患者さんが増加しており、私自身の手術の件数も年々増加しています。
しかしこの手術でも、出血の原因となる動脈瘤自体は現に存在するわけであり、遺伝子異常だけで手術をしているわけではありません。
医学の進歩は非常に早く、時には私たちの倫理感が確立する前に技術の方が先に発展してしまうことがあります。これはその一例と言えると思います。
今後、このような治療が世界的に根付くのかどうか分かりませんが、予防医学について深く考えさせられるニュースでした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130515-00000002-jct-soci
遺伝子検査の結果、BRCA1と呼ばれる遺伝子に変異があり、乳がん・卵巣がんになる確率が一般の人よりもかなり高いことが分かったため、乳腺切除術に踏み切ったとのことです。担当医によると、彼女が乳がんにかかるリスクは87%、卵巣がんは50%であったということです。
一般に、BRCA1に変異がある場合の乳がんにかかる確率は65%で、日本人女性の生涯乳がん罹患率は6%(国立がん研究所統計)ですから、かなり高い数値と言えます。
アンジェリーナさんは、母親を乳がんにより56歳で亡くしており、子どもに同じ思いをさせたくなかったとコメントしているとのことです。
摘出しても現在の技術ならきれいに再建できるところまで来ていることも、手術に踏み切った原因でしょう。
私たち脳神経外科の分野でも最近、予防手術が増えています。たとえば、未破裂脳動脈瘤に対する手術はその代表です。最近、この治療を希望して来院する患者さんが増加しており、私自身の手術の件数も年々増加しています。
しかしこの手術でも、出血の原因となる動脈瘤自体は現に存在するわけであり、遺伝子異常だけで手術をしているわけではありません。
医学の進歩は非常に早く、時には私たちの倫理感が確立する前に技術の方が先に発展してしまうことがあります。これはその一例と言えると思います。
今後、このような治療が世界的に根付くのかどうか分かりませんが、予防医学について深く考えさせられるニュースでした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130515-00000002-jct-soci