今年の2月にホノルルで開催されたInternational stroke conference 2013に出席したことを以前紹介しました。
そこで急性期脳梗塞に対する血管内治療の有効性に関する3つのランダム化試験の結果が報告されるということだったので、私は「最低でもどれか一つぐらいは有効性が示せるだろう」と考えていました。
しかし3つの試験は全て否定的な結果で、私はそのことに大きなショックを受け、その後の講演で「ホノルルショック」と名付けてみました。
最近この言葉が急速に認知され、血管内治療の普及にネガティブな影響があるようで若干戸惑っています。
さてマスコミの方もこれらの報告に注目し、「血管内治療の効果が否定されましたが、今後もお続けになりますか?」という質問を受けたことがあります。
答えは「もちろん、イエス!」です。血管内治療は効果があると信じているからです。
それではどのような症例で有効なのでしょうか?
ちょっと考えてみましょう。
私達が行った日本の調査(RESCUE-Japan Registry)では血管内治療は近位血管、つまり太い血管で有効性が示されました。
全ての患者さんに有効ではなく、ある程度重症な患者さんで、太い血管が閉塞している場合に有効という結果でした。
治療結果を改善するために3つの重要な条件があります。
1)再開通するまでの時間
この「時間」には二つの要素があり、
1. 発症から治療開始まで:
2. 治療開始から再開通まで
以上の両方を短くしないといけません。
1. は患者さんやご家族、救急隊、病院スタッフが大きく関与し、
2. は医師の技量と治療器具が関与します。
2)開通度
治療を早く開始しても開通しなければ患者さんは良くなりません。
このため出来るだけ開通度を上げないといけないのです。
最近欧米では新しい器具が使えるようになり、よく開通するようになってきています。
来年には全国で使えるようになりますのでこの点は改善されるでしょう。
3)患者さんの選択
最後に、患者さんをうまく選ぶことも重要です。
治療を行わなくても良い経過になる人にカテーテル治療を行うのは利益がないばかりか、悪くすることさえあります。
治療を行ってうまく行くと良くなる患者さんを選ぶことが重要です。
時間と開通率と患者さんの選択
この3つの条件を整えた臨床試験であれば、ホノルルショックを跳ね返す良い結果が得られるはずです。
日本でもぜひ取り組みたい。
そう考えて、準備を始めています。
そこで急性期脳梗塞に対する血管内治療の有効性に関する3つのランダム化試験の結果が報告されるということだったので、私は「最低でもどれか一つぐらいは有効性が示せるだろう」と考えていました。
しかし3つの試験は全て否定的な結果で、私はそのことに大きなショックを受け、その後の講演で「ホノルルショック」と名付けてみました。
最近この言葉が急速に認知され、血管内治療の普及にネガティブな影響があるようで若干戸惑っています。
さてマスコミの方もこれらの報告に注目し、「血管内治療の効果が否定されましたが、今後もお続けになりますか?」という質問を受けたことがあります。
答えは「もちろん、イエス!」です。血管内治療は効果があると信じているからです。
それではどのような症例で有効なのでしょうか?
ちょっと考えてみましょう。
私達が行った日本の調査(RESCUE-Japan Registry)では血管内治療は近位血管、つまり太い血管で有効性が示されました。
全ての患者さんに有効ではなく、ある程度重症な患者さんで、太い血管が閉塞している場合に有効という結果でした。
治療結果を改善するために3つの重要な条件があります。
1)再開通するまでの時間
この「時間」には二つの要素があり、
1. 発症から治療開始まで:
2. 治療開始から再開通まで
以上の両方を短くしないといけません。
1. は患者さんやご家族、救急隊、病院スタッフが大きく関与し、
2. は医師の技量と治療器具が関与します。
2)開通度
治療を早く開始しても開通しなければ患者さんは良くなりません。
このため出来るだけ開通度を上げないといけないのです。
最近欧米では新しい器具が使えるようになり、よく開通するようになってきています。
来年には全国で使えるようになりますのでこの点は改善されるでしょう。
3)患者さんの選択
最後に、患者さんをうまく選ぶことも重要です。
治療を行わなくても良い経過になる人にカテーテル治療を行うのは利益がないばかりか、悪くすることさえあります。
治療を行ってうまく行くと良くなる患者さんを選ぶことが重要です。
時間と開通率と患者さんの選択
この3つの条件を整えた臨床試験であれば、ホノルルショックを跳ね返す良い結果が得られるはずです。
日本でもぜひ取り組みたい。
そう考えて、準備を始めています。