脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
 最新情報をやさしく解説します 

脳腫瘍手術と山田 弘先生

2017年04月27日 | 関連疾患
兵庫医大に赴任してから、脳腫瘍の手術をする機会が増えました。
難しい場所の手術をしていると、岐阜大学の初代教授 故 山田 弘先生のことを思い出します。

先生は難しい髄膜腫の手術を得意とされていて、研修医の頃、よく手術に入りました。
もちろんその頃の自分は、術医を着て清潔にはなっているものの、モニター画面を見ながら術者の「オン!」という声がしたらバイポーラーという機械のペダルを踏む、というだけの役割でした。
したがって手術が長時間になり、深夜に及ぶとついウトウトしてしまい、「こら、吉村、寝るな!ははは」と優しくお叱りを受けたりしていました。

先生はとにかく明るく優しい方で、多くの人に慕われていました。学生時代、脳か心臓を手術する医師になりたいと思っていましたが、最終的には所属していた軟式テニス部の顧問でもあった山田先生のお人柄と、その時のスタッフの先生方の温かい雰囲気に惹かれて入局しました。
入局後は先輩達に本当に親身になって指導して頂きましたし、山田先生には国内留学の大きなチャンスも頂きました。

入局直後は全く役に立てない自分でしたので、あれから25年経ったとはいえ、まさか自分が同じような立場で手術をするとは夢にも思っていませんでした。
髄膜腫の手術をしていると、あの頃のことがフラッシュバックします。イメージもとても鮮明です。
「付着部を丹念に焼いてな、それから取ると血が出ないんや」。先生の声が聞こえてくるようです。

患者さんのためにも、スタッフのためにもなる良い手術をして、何年も経ってから、ふっと思い出してもらえるような、そんな指導が出来れば良いなと思います。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする