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脳動脈瘤 その7 脳動脈瘤の種類(成因による分類) 血栓化動脈瘤

2020年02月11日 | 動脈瘤
みなさん、こんにちは。
今回は、脳動脈瘤の中に血のかたまり(血栓)が形成されている「血栓化動脈瘤」について紹介します。
動脈瘤は破裂することでくも膜下出血を起こし症状を出します。ですから、破裂しなければ安全と考えられます。
従って、動脈瘤の壁に血栓ができてしまえば、壁を内側からガードすることになるわけですから、安心すべき状態のように思えます(図左)。
しかし分厚い血栓が短時間のうちに溶けて、動脈瘤の壁が露出し、破裂することもあります(図右上)。また動脈瘤が徐々に大きくなって、周囲の脳神経や脳を圧迫して症状を出すこともあります(図右下)。
特に椎骨脳底動脈という血管にできる大型・巨大血栓化動脈瘤の自然歴は極めて不良とされていて、5年以内に重篤な神経症状を出すか死亡することが多い(80-100%)とされています。
血栓がなぜ動脈瘤の中にできるかは、まだよくわかっていませんが、一旦血栓化すると、その中に小さな出血を繰り返し、大型化していくことが多いとされています。
ではこういった動脈瘤をどう治療したらいいのでしょうか?
実は血栓化大型動脈瘤の治療は非常に難しいことが多いのです。治療ができても合併症が多いことも知られています。
血栓化大型・巨大動脈瘤にどう立ち向かったら良いのか?
このブログでいずれ紹介したいと思います。
コメント (2)
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