「ステント併用コイル塞栓術でも詰まってしまう血管があるのか?」というご質問をいただきました。
答えは、「稀ですが、あります」ということになります。
そう言われると不安になってしまうと思いますので、ステントを併用した場合に、なぜ、どんな場所の血管が詰まるのかについて、もう少し詳しく説明します。
2つのパターンに分けて考える必要があります。
1)ステントを留置した血管自体が詰まる
2)動脈瘤そのものから分かれている枝が詰まる
今回はまず1)の場合について説明します。
1)ステントを留置した血管自体が詰まる
動脈瘤をコイルで詰めるときに、コイルが動脈瘤からはみ出すと、そのコイルで血液の流れが淀んで血管が詰まってしまうことがあります。そうならないようにステントでコイルを動脈瘤の中だけに収まるようにしているのです。
脳動脈瘤治療に使用されるステントは自己拡張型(自然に広がるタイプ)ですし、とても薄くできていますので、留置された後は血管にピッタリとくっつきます。つまり通常の留置法では、それ自体が血流をさえぎる効果はごく限定的です。
しかしそれでも異物ですので、血管内に留置されるとステントの表面には血栓(血のかたまり)ができることが知られています。この程度が強い場合には、血管が詰まってしまったり、形成された血栓が剥がれて流れていき、先の方の血管が詰まる、ということが起こり得ます。このため、治療前から血液をサラサラにする薬(抗血小板薬)を内服してもらい、血栓ができるのを予防します。抗血小板薬を2種類内服した状態で、しかもどちらもしっかりと効いていれば、ステントを留置した血管自体が詰まる可能性は極めて低くなります。
ただし2つ例外があります。それは血管自体が極めて細い場合と、ステントが血管に密着しない場合です(上図)。
通常の留置法で抗血小板薬が効いている場合でも、血管自体が極めて細い場合には、小さな血栓ができることで詰まってしまうリスクがあります(図中央)。
またステントを曲がりの強い血管に留置したり、複数組み合わせて治療する場合には、血管の中にステントが浮いている部分ができやすいので、そこに血栓ができる可能性があります(図右)。
したがって、ステントが浮くような状況はできるだけ避ける必要があるのです。
ではどう解決するのか?
次回はその工夫の詳細について紹介します。
答えは、「稀ですが、あります」ということになります。
そう言われると不安になってしまうと思いますので、ステントを併用した場合に、なぜ、どんな場所の血管が詰まるのかについて、もう少し詳しく説明します。
2つのパターンに分けて考える必要があります。
1)ステントを留置した血管自体が詰まる
2)動脈瘤そのものから分かれている枝が詰まる
今回はまず1)の場合について説明します。
1)ステントを留置した血管自体が詰まる
動脈瘤をコイルで詰めるときに、コイルが動脈瘤からはみ出すと、そのコイルで血液の流れが淀んで血管が詰まってしまうことがあります。そうならないようにステントでコイルを動脈瘤の中だけに収まるようにしているのです。
脳動脈瘤治療に使用されるステントは自己拡張型(自然に広がるタイプ)ですし、とても薄くできていますので、留置された後は血管にピッタリとくっつきます。つまり通常の留置法では、それ自体が血流をさえぎる効果はごく限定的です。
しかしそれでも異物ですので、血管内に留置されるとステントの表面には血栓(血のかたまり)ができることが知られています。この程度が強い場合には、血管が詰まってしまったり、形成された血栓が剥がれて流れていき、先の方の血管が詰まる、ということが起こり得ます。このため、治療前から血液をサラサラにする薬(抗血小板薬)を内服してもらい、血栓ができるのを予防します。抗血小板薬を2種類内服した状態で、しかもどちらもしっかりと効いていれば、ステントを留置した血管自体が詰まる可能性は極めて低くなります。
ただし2つ例外があります。それは血管自体が極めて細い場合と、ステントが血管に密着しない場合です(上図)。
通常の留置法で抗血小板薬が効いている場合でも、血管自体が極めて細い場合には、小さな血栓ができることで詰まってしまうリスクがあります(図中央)。
またステントを曲がりの強い血管に留置したり、複数組み合わせて治療する場合には、血管の中にステントが浮いている部分ができやすいので、そこに血栓ができる可能性があります(図右)。
したがって、ステントが浮くような状況はできるだけ避ける必要があるのです。
ではどう解決するのか?
次回はその工夫の詳細について紹介します。