脳卒中をやっつけろ!

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市民公開講座

2009年11月23日 | 学会/研究会
学会の最終日に市民公開講座がありました。
富山大学の遠藤俊郎教授、神戸の坂井信幸先生とともにお話しさせて頂きました。
私の担当は「脳動脈瘤のコイル治療」でした。
今回の学会では発表が多かったのですが、市民の皆さんに対する講演はスライドも別なので気合いを入れて準備しましたが、終わってから聞いていた人たちに「分かりやすかったー」と言っていただけてほっとしました。
300名も参加者があったんですよ!
富山の皆さんの健康に対する関心の高さを知りました。

その公開講座の中で、「倒れたら済生会病院に行きたいけどどうすればいいか?」という質問があり、桑山先生と遠藤先生が「脳卒中の急性期はすべて済生会病院の脳卒中センターに集まるシステムができているので大丈夫です!」と言われていて驚きました。
海外ではそういったセンター化が行われているところが多いのですが、日本では病院が多くてなかなかそうはいきません。
「大学病院や市民病院でなく、私立病院である済生会病院になぜ?」とお聞きしたところ、「人材、医療機器、脳卒中センターとしての体制」のすべてが整えてもらえるという条件が揃ったためだそうです。
実際、今回の学会で桑山先生を補佐された久保道也先生は現在済生会病院で勤務されていて、血管内治療の指導医も持っておられます。また開頭手術の専門家もいます。なるほど、と思いました。
また大学病院では夜間や休日のMRI等ができないとのこと。脳卒中治療は年々進歩しています。検査や治療がすぐにできないのでは患者さんを受けると申し訳ない、と遠藤教授がおっしゃっておられました。
岐阜大学病院は緊急で売っていますから、もちろん緊急の検査や治療はきわめて迅速に対応してもらえます。ある意味、岐阜大学の方が変わっているのかもしれません。先日、他の大学の先生にも「国公立大学病院ではまずあり得ない体制」とお誉めにあずかりました。
昨日の夜も脳底動脈の急性閉塞が入って緊急カテで再開通をしました。救急部で挿管を受け、放射線部で全身麻酔のまま治療を行いました。技師さんも看護師さんもチームの一員として快く手伝ってくれました。おかげで再開通させることができましたよ。みなさん、ありがとう!(^^)/~
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2 コメント

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本日の事業仕分け (Unknown)
2009-11-25 22:52:02
ニュースを見てたら、岐阜大学病院の高次救命救急センターの小倉先生が、救急搬送に関するシステム(患者さんの状態を入力すれば、搬送する病院が迅速に分かる)を開発中であるとのこと。(←医療に対して知識がないので、説明に多少間違いがあったらごめんなさい。)
そして、その開発に要する費用の予算が、今騒がれてる事業仕分けの対象になり。結果、廃止。


ニュースを見たのが、先生のこの記事を読んだ後だったので、少しショックを受けました。


天下りみたいないらない人への給与報酬は、廃止して当たり前だけど…人の命に関わることを、一生懸命考えて下さってることを、簡単に廃止なんて考えられません。


小倉先生頑張ってほしいです。
返信する
頑張れ!小倉先生! (ICU男児)
2009-11-26 00:52:52
知りませんでした。確かこのブログでも救急部が紹介されていましたよね!救急体制を整えてたらい回しを無くすのは誰が考えても大切なこと!
民主党になって大事な国家予算を削って一般市民にばらまいて人気取りをしているように感じているのは私だけでしょうか?なにやら不透明なお金の動きもあるらしく、結局政治の世界は裏金がないと動かないんですかねー
医療は人の命がかかってますからなによりも大事だと思うんだけどなぁ
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