脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
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初症例!

2008年08月13日 | 動脈瘤
Matrixによる塞栓術を行いました。
上の図に示す通り、Matrixのみで完全塞栓が出来ました。
塞栓自体が完全で、かつバイオアクティブコイルであるMatrix 100%で塞栓したのですから、再開通の確率は低いはずですね!

実際に治療してみていくつか気づいたことがあります。
1)framingのときに、コイルが壁に引っかかるので全体にまんべんなく入れるようカテーテルの位置をかえながら入れる必要あり。
2)frameが均一でないと、次からのコイルも偏ってしまう。
3)このためコイル追加時にもマイクロカテの位置を変える必要がある。
4)後半はコイルの出し入れの抵抗が増す。とくに引き戻すときには抵抗が強い。
5)ネック付近で抵抗の高いまま入れるのはframeを壊す可能性がある。
などなど...

まあ、こういったことに注意すればMatrixでかなり行けそうです!
とうとうコイル治療も新時代に入りました。
ボストンさん、良かったですね。

明日も頑張ります。
コメント (2)
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Matrix has launched!

2008年08月13日 | 動脈瘤
以前に血栓化を促すコイル「バイオアクティブコイル」を紹介しましたね。
近未来のコイルとして紹介しましたが、これがとうとう日本でも使えるようになりました!
先週末、その講習会で宮崎に行ってきました。
せっかく宮崎に来たんだから観光...といきたいところですが、そんな気配は全くなく、みんな真剣です。
それもそのはず全国からコイル治療をたくさんやっているドクターばかりがきていたのです。

さて肝心のMatrixですが...一言で言えば、「使える」。
初代のMatrixは摩擦抵抗(英語でfrictionといいます)が強くて再開通もあまり減らなかったのですが、新しいバージョンはいいようです。
開発した村山先生もうれしそうでした。とうとう夢が実現しましたね!村山先生。

動物モデルに使用してみたのですが、普通のコイルとほぼ同じように使える。
挿入時に動脈瘤の壁に張り付いて回転しないこと、
引き戻すときにコツコツと抵抗があること、
不用意に引き抜くと絡まること
こういったことに注意すれば、かなりいけそうです。

実は今日と明日、動脈瘤の症例があります。
安全に使えそうであれば自分にとってのMatrixデビューとなります。
がんばります。
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