[あらすじ] 家の北側に、地下室がある。
半分は亡父が自分で掘って自分でモルタル壁を作った。
残り半分は業者に入ってもらって、完成させた。
湿気がひどく、保管していた本がカビてしまった。
一昨年、よく見たら、亡父の作った部分から雨漏りがするのだった。
モルタルというより、モロ垂ル壁だ。
ちょいと、一旦話を地下室に戻そう。
漏れる側の壁面に置いていた本箱は、全て撤去してある。
モルタル壁が剥き . . . 本文を読む
[あらすじ] 鬼の居ぬ間に洗濯、婆の居ぬ間に大掃除。
台所につながって、三畳間が有る。
最初は、母の居室だったような記憶がある。
ここに引っ越す前に住んでいた家では、玄関を入ってすぐわきに三畳間が有った。
大正時代の家だった。きっとその部屋は書生部屋か女中部屋ででもあったのだろう。
そこを、父が書斎としていた。
狭い部屋に本がぎっしり、そこに机を置いて、煙草を吸って、
まあ、ひどいものだ。
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[あらすじ] 鬼の居ぬ間に洗濯、婆の居ぬ間に片付け。
介護保険のお世話になっているが、子の私が同居しているので、
生活支援は受けられない。
ヘルパーさんにお願いできるのは、身体介護だ。
そこで、自費で他にヘルパーさんをお願いして、母はあれこれ
自分の意志で片付けを進めていた。
が、徹底しないせいなのか、意のままにならないせいなのか、
元々こんなものだったか、わけはなんだかわからないが、
な . . . 本文を読む
[あらすじ] 母85歳パーキンソン病要介護2が、リハビリのため老健に2ヶ月入所。
今のうちに片付けと掃除。
昨日は入所から7日目だった。
ヤハウェ君だって休んだ七日目だ。
雑魚の私が休んで何を責められよう。
と思うのだが、要らん物と汚れた床と保管すべき物と、無いスペースが
目の前に在る。
じっとしていられない。
やっと晴れたし、何か大物でも洗うべし。
調理台が高くなった、いやそんなわけない . . . 本文を読む
85歳パーキンソン病、要介護2の母が、2ヶ月のローケンでのリハビリ生活を終えて戻って来るには、
ベッドの位置を変えておく必要がある。
段差も有ってトイレから遠い部屋ではなく、キッチンに続いた居間にベッドを移設する。
その前に、床板にワックスをかけておきたい。
汚れが板に浸み込んだり、そのせいで板が傷んだりしないように。
そのために、片付けをしている。
キッチンとそのわきの小部屋から始めている。 . . . 本文を読む
[あらすじ] 亡父が手掘りの地下室、モルタルの質が悪く、ひどい雨漏り。
没後5年で大掛かりな修繕を要した。
一階の床下が見えていた部分の天井板はうまく張れた。
薄い板に短い釘を打つ。
釘が短くて、指で支えられないくらいなら、釘をまず紙に刺す。
紙を持って、釘を打つ。ある程度打ったら、紙は引きちぎるのだ。
天井に向かってそんな作業はできない。
板を床に置いて、全ての釘を、浅く打っておく。
そし . . . 本文を読む
[あらすじ] 地下室がひどく湿気て本がカビにカビる。
亡父が作った部分のモルタルが弱く、雨漏りするせいだとわかった。
一昨年、ズイブンな費用をかけて修繕した。
雨漏りの修繕をするために、天井板を全て剥がした。
どこから漏れているのか、モルタルの筐体を見るためだ。
そして、その後も天井板は張らないままである。
いつまた漏れても、どこからか見られるように、だ。
一ヶ所、天井板が無いと一階の床下に . . . 本文を読む
[あらすじ] 母85歳パーキンソン病、介護老人保健施設に入所する。
ケアマネさんが計画書を作り、説明してくれる。
本人にとっての入所の目的と並んで、家族のための目的も書いてある。
「レスパイト」という言葉を初めて知った。
帰宅してから調べてみると、小休止という意味だった。
仕事や苦痛の一時的中断、ということだ。
たぶん、2ヶ月は私にとって、あっという間だろう。
やっておくことが山積みだ。
入 . . . 本文を読む
フォト・ジャーナリストであるダリン・ザミット・ルピさんの ギャラリートークに参加してきた。 写真家自身が、自分の作品の前に立って、解説してくれる。 この上ない機会だ。 アフリカのいくつかの国から、ヨーロッパへ移民しようというときに、 いくつかのルートがある。 スペインへ渡るもの、エジプトを経由するもの、 マルタ島を経てイタリアに入るもの。 その中で、マルタ島を経由するコースは、地中海を渡る距離 . . . 本文を読む
[あらすじ] 母85歳パーキンソン病、介護老人保健施設に入所。
施設に着いたらまず、入所している間にのむ薬を渡す。
パーキンソン病の場合、高価な薬を使っている事もあるので、
入所する日数の分は主治医のところで処方してもらって持ち込む。
朝、持ち物リストのプリントに「2週間分」と書いてあるのを発見したので、
60日分をまとめて持って行くつもりだったところを、慌てて分けてきた。
ところがそれを渡す . . . 本文を読む
[あらすじ] 母85歳パーキンソン病。
年末から転倒が増え、目が離せなくなってきたので、
介護老人保健施設に2ヶ月ほど入所してリハビリすることになった。
持ち物には全て名前を書いておく。
と、10日前くらいに母に伝えた。
少しずつ荷物を準備しながら名前を書いていったら良いと考えた。
んが、3日ほど前に見てみたら、
洗面用具の一部に書いてあるだけだった。
「室内でしか使わない物は書かなくていい . . . 本文を読む
カーリダーサなんて、高校のときに世界史の授業で出てきた記憶がある。
なんだと思ったら、詩人の名前なのだな。
サンスクリットで、詩人をkaviと言う。
詩人と言って現代日本人がイメージするものと、ずいぶん違いそうだ。
ひらめきによって言葉を得るらしい。
それは霊感とか天啓みたいなものに近い。
だから、詩人はただの文学者ではなく、聖者のような意味を持っていたようだ。
詩の全体が韻律によっている。
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明大前ハナムラ楽器のハナさんを中心に「なりものや」というバンドで活動
・・・していない。
もう何年、演奏していないだろう。
そのくせ、春先には集まって、飲み会をする。
以前は年に何度か、老人ホームやデイサービスやサナトリウムで演奏したものだが。
お店に集まって、レパートリーを何曲か練習し、
「やっぱりいいね楽しいね今年はいつ頃どこそこで演奏しよう」なんて口々に言い合って、
・・・やらない。
ま . . . 本文を読む
[あらすじ] 友人Mが、我が犬ジーロくんに正月衣装を作ってくれた。鏡餅の乗った、毛糸の帽子だ。https://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/5b265e799af447685722927702b7c323「もうすぐ3月だね、ジーロくん」と2月27日に友人Mにメールしてみた。「ちょっと忘れてた!」と慌てた様子の返事が来た。そう、2月はテキトーに切り上げ、3月は唐突に襲って来る。 . . . 本文を読む
友人Nが言う。「やられた。」
いつもは引っかからないのに。
私の法螺に騙されることなど無いのに。
普段、母の話を聞いてくれて、ちょこちょこ心配してくれているからかもしれない。
「そもそも一日じゃないと思ってた。」
そう、三月一日は突然やってくる。
なんなら大の月の次の一日よりも、三日も早くやってくる。
三月一日は不意打ちの法螺のチャンスなのだ。
※
どこからどこまでが法螺でしょうか。
パ . . . 本文を読む