9月13日(水) 雨のち曇り
午後、天気が回復するのを見計らい、なきうさ詣でに入山した。しかし、
ナキちゃん不活発で、ほんの一瞬しか姿を見せず。あきらめて下山しかけると、
もう一段下に陣取っていたのが遠征から戻った岡山のAさん。粘る彼女に付き合って、
私も17:30まで滞在したが、数回鳴き声を聞くにとどまった。
結果は散々だったが、やるだけのことはやったと納得するしかない。
土井商店で仕入れた「〆張鶴」の廉価版。
9月12日(火) 曇りのち雨
昨夜半、急に風が強まる。南寄りの生暖かい風だ。朝になっても
風は止まず、下界で稲光する様子が伺えるなど、天候はとても不安定。
山上も雲が多いが、雨が降り出したら即下山と決め、出発する。結果、
そのあとは一時青空が広がるなど、昼まではどうにか持ちこたえた。
現場では神奈川のSさんとあとから加わったその知人の札幌のYさん
の三人のみ。風が強いのが災いしたのか、最初さっぱりで、今日こそ
ダメかと思いきや、途中からナキちゃんの動きが少しだけ活発になった。
去り際、すぐ目の前の岩にカケスがとまったので、一枚だけシャッターを
切れた。天気が下り坂なのは間違いなく、私は早めに現地を離れた。
図書館にこもった正午過ぎから猛烈な雷雨となった。竜巻注意情報が
発令されるなど大荒れだ。予報より良くなる傾向のここ数日の天気では
あるが、不安定なのは確かで、油断ならない。
お昼を東川町の笹一でいただいた。関西人、基本あまりお蕎麦の味にはこだわりが
ないのだが、「お待たせしました、新そば入荷しました!」との貼り紙に、おもわず
「手打ちそばセット・1500円」を頼んでしまった。
合わせたのはミニチャーハン、本来なら汁気の多いラーメンとの組み合わせが
最適で、盛りそばだとリズムが狂い、のどが詰まりそうだ。そばの味にはうとい私だが、
とてもおいしくいただけたので満足。
あ~あ~ 幸せのトンボが~
スーパーの駐車場で休憩していたら、またまた車のヘリカルアンテナにトンボが。
よほど好かれる理由がありそうだ。
望岳台でもたかられた。
一時多かった雲がどんどん少なくなっていった。
9月11日(月) 曇り時々晴れ
予報がいいほうに変わり、どうやら一日晴れが続きそう。岡山のAさんは、急きょ
黒岳へ向かった、元気だ。(ナキウサギはダメだったが、シマリスはうんとたくさん
出たと後で聞いた)
朝焼けがそこそこいい感じで、十勝連峰の上空もピンク色に焼けた。
本日現場は神奈川のSさんと二人きり。ナキウサギはあまり活発でなかったが、
その代わりオコジョが登場。これまで何度か登山中に目撃したことはあったが、
カメラを構えている最中に目の前に現れたのはこれが初めてだ。
5分程度出続けたと思われるが、すばしっこく、フィールドいっぱい駆け回るので、
なかなかシャッターを切れなかった。落ち着きがなく、じっとしていてくれないのだ。
しかし、オコジョは好奇心強く、何度かすぐ目の前までやってきた。
はやい! 「赤い彗星」と呼ばれていないか、君は?
9月10日(日) 曇り時々晴れ
本日も晴れたり曇ったりで、当初の予報よりは天気が良く、雨が降り出しそうな
気配は感じられない。午後の気象庁の予報では、晴れマークひとつだけになっていて、
その変わり身の早さに驚かされた。
手近なところで撮影をということで、凝りもせずまたナキウサギを見に行った。
岡山県の女性Aさんと、彼女が前から顔見知りの女性と三人で、ナキちゃんあまり
出ない時間帯も多かったが、かしましく、ペチャクチャおしゃべりしながらの
待ち時間もまた楽しいものだ。車中泊組ならではの話題も飛び交い、そういう
「あるあるネタ」なら私も話についていける。
貯食のため背丈の高い草を運んだのにお疲れのようで、エネルギーを
使い果たしたのか、岩の上でしばし動かなくなった個体をコンデジで撮影。
下界で車内休憩中、サンルーフ越しにヘリカルアンテナにトンボがとまっているのに
気がついたので写してみた。眼鏡をはずしたまま撮影したのでよく見えず、きれいな
すじ雲を一緒に写し込め、秋らしさを出せたと思っていたら、銀マットがガラスに
反射していただけだった。
夕方、望岳台で食事中、またもトンボがいるのに気がついた。よほど居心地がいいのか、
気に入ってなかなか離れようとしない。この時期にしては暑くて、窓ガラスを開けざるを
得なかったわりに蚊の侵入を許さなかったのは、君が見張っていてくれたおかげなの?
9月9日(土) 曇り時々晴れ
朝から雲が多めだが、大崩れはしなさそう。でも長距離登山は避けたほうが賢明で、
本日もお気軽にナキちゃん見物が無難であろう。(このあとも、当初の予報よりも
実際には天気がいい場合が多く、なんだかんだでほぼ毎日なきうさ詣でが続く)
現場に着いて早々、ナキちゃんハッスルしてくれる。写真の中、お気に入りの岩の上に
陣取っているのだが、わかんねえだろうなあ。
天気はどんどん安定のほうへ向かったのに、ナキちゃんのロングラン公演はその
一回きり。その他出演は、シマリス、エゾリスがそれぞれ一回ずつのみ。
釧路のOさん、岡山のAさん、旭川の男性Iさんとの四人で、だべっている時間多し。
主に動物写真撮影の情報が飛び交っていて、皆さんの熱心さには舌を巻くばかりだ。
情報提供できるネタを持っていない私はちょっと疎外感を感じ、本来この手の
グループに加わるべきでない気もするのだが、新参者でござりまする、お許しのほどを!
夕方の強い斜光を浴びる十勝岳の噴煙。雪のある季節だと、けっこうきれいだったかも
しれない。
西の空もよく焼けた。
明日は天気が悪そうだし、完全休養が予想され、食材など仕入れたあと、
午後再びナキちゃん観察に赴く。
ここで、元大雪山パトロール員のMさんに久々に再会する。トムラウシ付近で
すれ違っていたこともあったのに、今や落ちぶれマッポの手先の私は、山上を
歩けそうにない現状を彼にボヤく。
ナキちゃん登場は一度きりだがそれなりにサービスしてくれた。貯食のため、
シラタマの実のついた茎を加えて走ったが、うまく撮れていたら可愛いのが
写っているはずなんだけど…
(追記:4,5回シャッターチャンスがあったのに、ブレるなどしていて使い物に
ならず、かろうじて1枚どうにかなりそうなのがあるのみだった、情けない)
夕方雲が少なくなって、斜光で稜線くっきりの十勝岳。
夕陽が沈む。これ、明日本当に天気が崩れるの?
お酒を飲む手を休め、少しだけ撮影。
夜、目が覚め車外へ出ると、満天の星空だった。多めだった雲はいつの間に消えて
なくなったのだろうか? 星空観察会なども行われていたようだが、私はとても
長時間見続けられそうになく、再び寝床に潜り込んだ。
元々この2枚の写真は、秋編④の最後に掲載し、「こんなハプニングがありました」
程度に軽く済ませるつもりであったが、この直後に痛ましい事故が起こったことを
後で知り、少し詳しく写真を撮った経緯を記載しておこうと考え直した。
まずは、事故でお亡くなりになった若い選手に心からお悔やみ申し上げたい。そして、
この記事を書いている時点ではまだ、事故に至った経緯の詳細が明らかではないが、
加害者側の他府県ナンバーの男性(旭川在住とのことだが)に落ち度がなかったと
すると、同情を禁じ得ない。私も寸でのところで同じ事故を引き起こしていた
可能性があったからだ。
ツールド北海道開催で、この界隈がルートになっていることは、道道沿いの
立て看板で知ってはいた。ただし、昨夜北海道入りしたばかりの私は、詳細に
ついてはまったく知識がなかった。撮影をいったん終え、食材買い出しのため
山を下る必要のあった私が、望岳台の駐車場を出たのが11:00ちょっと前だったと
記憶する。その時チラッと頭に「道路が閉鎖される時間帯って、お昼頃では
なかったかな?」と浮かび、うまく通行できるかと不安に思ったが、道道と
合流するT字路には係員がおらず(いたかもしれないが、指示はなかった)、
停止させられることもなくすんなりと右折でき、白金温泉方面へと下り始めた。
ところが、道道を走り始めてすぐに、いつもとは違う雰囲気に気がついた。
道路沿いの駐車スペースの至ることろに車がとめられ、レースの見物人が
いまかいまかとレーサーを待ってるようなのだ。そこへ場違いに一般車が
通行しているものだから、「なんだこいつ?」みたいな視線を浴びているのを
痛いほど感じた。警備員のような人が混じっていたのかもしれないが、特段
警告等何もなかったのでそのまま通過した。
異様なムードは察知したが、その後も特別何も指示がなく、そのうち対向車線に
「通行止め予告車(だったか?)」の垂れ幕をボンネットに張り付けた車が
やってきたがここでも素通りできたので、「予告している最中だから、まだ
もう少し自転車はやってこないのだろう」と信じて、そのまま走行を続けた。
そして、やれやれ白金温泉方面へのT字路へ無事到着できたと安堵した矢先、
写真左にチラッと写っている警察官に停止するよう指示された。T字路内に
立っているもう一人の警官に通行させていいか聞いてくれたが、もうすぐ先頭
集団がやってくるからダメとのことで、車を左端へ寄せて、ハザードランプを
点灯させ、駐車するよう指示された。もう数分早ければすんなり通行できたのに
と、その時は恨めしく思った覚えがあるが、今から思うと、逆にあと数分ここへ
至るのが遅かったら、事故を起こしていた恐れがあったことを思うとゾッとする。
このお巡りさんがとてもやさしい方で、待機させているのを恐縮がり、「すみません
ねえ、警備会社には車を入れないよう指示を出していたはずなのですが…」等々、私の
車の右サイドにへばりつくようにして身を挺して自転車からガードしてくれながら、
とりとめもない話をしつつ、レーサーの通過を待つしかなかった。たしかその時の
話では、道路閉鎖は警察、車の乗り入れ防止は警備会社と、担当を分けて運営を
行っていると仰っていたように記憶する。
結局、全車両が通過して通行止めが解除されたのが11:40近かったと思う。正直
待たされてイライラしたのは確かだが、特等席?で迫力あるレースを間近で見られたのは
いい思い出になるかもしれないと割り切れた(もちろんその時点では、直後に事故が
起こるとは思ってもいなかったので、のんきに構えていたのだ)。自転車は前方右方向
からこちらへ向かいあまり速度を緩めることなく左折してくるので、対向車線まで大きく
膨らんではみ出してきて、もしも私の車がもっと先で停車していたら、相当危険だった
と思われる。自転車の通行が原則片側のみだと知ったのは、事故後の報道によって
であった。交差点での右左折時には、実際問題それは無理な話だと思う。
この事故のことは気になるので、その後も報道を気にかけていたのだが、現時点では
まだ、原因など詳細は明らかになっていない。引き続き注視し続けたいと思っている。
9月8日(金) 晴れ時々曇り
本当は午後から入山するつもりだったのに、明日以降悪天候が続きそうなので
気が急いて、いきなり長躯望岳台まで走ってしまった。用意を済ませ、現場入り
できたのが8:00頃だったと思う。
ゴールデンタイムを過ぎてしまったのでそうなのか、夏と比べるとナキちゃんの
声があまり聞こえてこない。数匹いたちびうさたち、生き延びることができず、
数を減らしたのかも。あれだけ頻繁に出没したのが嘘のように、活動が活発でなく、
夏みたいにバンバン写せない。
先にいた三名(うち男性二名は夏にも会った方々、釧路のOさん、神奈川のSさん、
女性は以降ここで一緒になることが多くなる岡山のAさん。名前がわかるのは、
彼らは旧知の仲で顔見知り、お互いを名前で呼び合っているから)が帰ってしまう
と私一人きりに。にぎやかなおしゃべりが止んで、し~んと静まり返っても
一向に出てくる気配がなく、私もあきらめ、10:30頃下山した。
北海道が近づくにつれ、波はますます穏やかに。
夕方、雲間からの日差し。
海に夕陽が沈む。
太陽、少し変形したようだが、動いている船上からはうまく写せないな。
明日の天気も良さそうだ、さて、どうするか?