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秋田駅 1階乗換改札廃止

2023-03-19 23:12:19 | 秋田のいろいろ
2023年3月18日のダイヤ改正で、JR東日本 秋田駅の1階(地上)の在来線/新幹線乗り換え改札口(※)が廃止された。その廃止前の記録。
※改札口の正式な名称は不明。営業終了告知のポスターでは「新幹線ホーム乗換口」、労働組合紙では「北口乗換改札」、公式サイトの構内図では単に「在来線のりかえ口」としている。
略図。上が北。緑色が2階、グレーが1階ホーム、ピンク枠が新幹線改札内
↑無関係なので略したが、このさらに北側に、東西歩道橋「Weロード」が架かる。

乗り換え改札新幹線側に貼られた廃止告知
現在の秋田駅橋上駅舎(東西自由通路)は、1997年3月の秋田新幹線開業時にできたもの。上の図で下側の緑色部分。
自由通路に面して、中央改札口がある。改札外から、新幹線側構内、在来線側構内それぞれに直接出入りできる。構内から改札外に出なくても新/在を行き来できる乗り換え改札口もある(今回廃止の改札とは別で、今後も存続)。
中央改札と各ホームを結ぶ、改札内の通路の在来線側・西端には、駅ビル・トピコの中へ出入りできる「トピコ口(トピコ改札口、旧・南改札)」があったが、2022年4月10日で廃止された(関連記事)。

ぽぽろーどの北側(Weロードとの間)にも、在来線各ホームとつながる「北跨線橋」が架かる。北跨線橋は(そして各ホームそのものも)、先代駅舎時代からのもの。※先代駅舎では、西側地上に駅舎があり、南側にもう1本跨線橋があった。
北跨線橋の西端には、トピコとホテルメトロポリタン秋田(アルス)の接続部へ出入りできる「メトロポリタン口(メトロポリタン改札口、旧・北改札)」がある。
以上の各改札口は、どれも2階に位置する。1つだけ地上・1階にあったのが、今回廃止された乗り換え改札。

秋田駅のホームは、在来線1~8番線、新幹線11・12番線。
新幹線ホームは、在来線7・8番線と同じ面を共用し、行き止まりホームどうしが向かい合う形。新幹線開業以前は、7・8番線も、2~6番線同様に両方向から出入りできるホームだった。
この構造になったのは、在来線と新幹線の乗り換えが、階段なしで「平面乗り換え」できるようにとの意図だったのだろう。新/在(11・12と7・8)の境には乗り換え改札口が設けられ、それが今回廃止された。

したがって、元から行き止まりである1番線とともに、7・8番線も、奥羽本線の北方向、いわゆる“奥羽北線”の列車しか発着できない(追分まで奥羽本線を走る男鹿線の列車を含む)。
さらに、竣工当初の新駅舎には欠点があった。7・8番線には北跨線橋しかなくなったため、中央改札口やトピコ改札口と、7・8番線の間を直接行き来できなくなったこと。いったん、他のホームへ下りて、再度北跨線橋へ上って、下りる必要があった。

その対策として、後に、中央改札口側通路と北跨線橋とを、線路と並行につなぐ通路が設けられ、「駅のはなみち」と名付けられている(あまり浸透していない)。
Wikipediaによれば2005年頃、地下自動車専用道路・秋田中央道路の建設工事に伴い、トピコ口(と2番線への階段も?)が一時閉鎖されたための対応で、再開後も残されたものとのこと。
駅のはなみちから11・12番線。左が北跨線橋、その下が乗り換え改札

6番線停車中の列車の汚れガラス越しに乗り換え改札
↑手前のグレーの壁の出っ張りが駅社員の詰め所。左側にエアコン室外機、右面にドアがあり、正月にしめ飾りがかかっていた。その右の柱には「Akita」の駅名標

この地上乗り換え改札口を利用する人は少なかった。
他のホーム発着の在来線との乗り換えは、位置(目に付きやすさ)のためか、エスカレーター・エレベーターがあるためか、中央改札口側を利用する人が多い。
そして、7・8番線を発着する列車は、かなり少ないのも実情であった。
さらに、この乗り換え改札口は、始発から終電までではなく、営業時間が狭められていた。以前は、時間がもっと長かった可能性がある。

廃止直前の営業時間は、7時40分から18時20分まで。
利用できる新幹線は、上りがこまち14号からこまち46号まで。始発から2本と、最後の2本(うち1本仙台止まり)は利用できない。下りはこまち27号までで、最後の6本が利用できない。

7・8番線に入る奥羽北線方面の列車は、いずれも普通列車・快速列車。わりと最近までは特急つがるも使っていたが、2022年時点ではなくなった。中央改札口とのアクセスの悪さと、階段しかないためだろう。
今改正前は、下り(発車)は3本(男鹿線はなし)だが、乗り換え改札営業時間内は16時50分発青森行きのみ。上り(到着)は6本(うち1本男鹿線)で、営業時間内に5本(東能代始発7時17分着のみ時間外)。
改正後は、上り1本(青森始発10時29分着)が4番線着に変更された以外は、変わりなし。
【20日追記・乗り換え口営業時間内の7・8番線発着列車であっても、こまちの発着時刻とだいぶ離れた発着時刻のものが多かった。いちばん近いもので、男鹿始発7時59分着→こまち14号8時11分発。したがって、乗り継ぎ時間を持て余してしまうので、いったん改札外へ出て時間をつぶす乗り継ぎ客もいたことだろう。逆に言えば、スムーズに接続する列車は7・8番線発着ではなかった。】

メトロポリタン改札口から出入りしたい客は、地上乗り換え口を使うのが便利ではあるが、そういう人も少ないと思う。メトロポリタン口には自動改札機がなく、IC乗車券を用いる「新幹線eチケット」や「タッチでGo!新幹線」の利用者は、中央改札口へ回るように案内されている(5月のSuica導入後は、通れるようになるだろう)。

そんなわけで、構造的にも、時間的にも、使いづらいもしくは利用価値が低い乗り換え改札口であり、廃止されてもやむを得ないというところではないだろうか。
でも、7・8番線の列車と乗り換えする人は、地面(床面)はつながっているのに、中央改札口の乗り換え改札への上下を強いられてしまう。当初の平面乗り換えの配慮は、完全に消えてしまった。


いつも中央改札口を利用しているので、この乗り換え改札は、昔、入場券で入った時に1度通っただけだった。最後の記念に、中央改札口の在来線側から入場→駅のはなみち→北跨線橋経由で通ってみた。
北跨線橋を下りて7・8番線へ
7・8の表示の下に「秋田新幹線をご利用のお客様は、階段を降りて、反対側へお進みください。」

7・8番線に到着した列車の乗客向けの視点では、この階段が立ちはだかっているため、乗り換え改札口が見えない。そのための案内。
「こまち号のりば 階段は上らずお進みください」

北跨線橋の真下に入ると、改札が姿を現す。
在来線側は柱などに錆が出て、古さを感じさせる
乗り換え改札の建物は、ホーム全幅ではなく、わずかな余地がある。もちろん部外者は通り抜けられないが、東側は少し広くて「業務用通路」として扉がある。西側は狭くて開かない柵。上記の通り、こちら側に詰め所。
左が業務用通路。こまちは目と鼻の先

赤で「新幹線乗換口」
雪と寒さの対策だろう。在来線側・新幹線側とも、壁と自動ドアでしっかりと囲われている。
在来線側内部。意外に広いというか長い?
左に入場出場兼用の自動改札機が1通路、右は有人通路(ちゃんと人はいた)。開業時点では、自動改札機ではなかったから、駅員が入るラッチがあったのだろうか。
新幹線側から振り返って
右側は「きっぷ・チャージ」と書かれた近距離自動券売機。秋田から乗り換える在来線の乗車券や、Suicaのチャージができる。2021年春に設置されたと思われるので、廃止後は、5月の在来線Suica導入用にどこかへ転用されるだろうか。
こちら側の柱などはきれい

夜・営業時間終了後の新幹線側。緑で「在来線乗換口」

到着したこまち31号と、発車直前の東京行き最終48号(発車標は次発に切り替わっている)
新幹線ホームの途中には、「↑7・8番線」の案内はあるものの、乗り換え改札の営業時間案内はなさそうで、知らずに進んでしまう人がいたかも。照明が消えて暗くてなんとなく分かるけれど。

乗り換え改札跡は、どうなるのだろう。ドアをふさぐ程度にするのか、構造物をとっぱらって柵だけにするなどしてしまうのか。変化があればまた。
【追記】コメント欄にもある通り、廃止翌週には、ガラス部分が白いもので覆われて中が見えなくなかった。3月24日時点では、新/在両側とも真っ白で、文字やラインもなくなっている。また、在来線側は階段の脇が、プラスチックチェーン(8番線=業務用通路側)とプラスチックフェンス(7番線側)で封鎖され、階段より先へ進入できなくなっている。階段下の錆が出ていた柱に、木目風のものが取り付けられたようにも見えたが、詳細不明。

5月下旬に、新幹線側のドアが開いているのを目撃。社員が、台車で「中に何かを収納できそうな、青いプラスチックの箱」を搬入していて、すでに同じものが何個も中に置かれていた。したがって、何かを保管する場所として使っていることになる。近距離自動券売機は、搬出されずまだ残っていた。

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2 コメント

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営業終了直後の現状 (E6_ Komachi)
2023-03-24 16:25:20
おとといの朝8時過ぎ、4分の乗り換え時間で
5・6番ホーム上からちらっと見ただけですが、
在来線側は、紙か布かシールかわかりませんが、
ガラス部分全面が白く覆われて目隠し状態になっていました。

新幹線側は見ていません。
返信する
24日時点 (taic02)
2023-03-24 20:48:52
今日24日に6番線から見ることができました。
たしかにガラス部分が真っ白で、中はまったく見えないですね。びっちりと目隠しされていて、シールもしくはボードのような硬いものかもしれません。
新幹線側も同じ状態で、自動ドアの「~改札口」の文字は両側とも消えていました。

7・8番線側は、階段の脇がチェーンやプラスチックフェンスで封鎖されていて、階段下に立ち入りできないようになっていました。
返信する

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