🌸織田信長時代のキリスト教と仏教
☆戦国時代、日本仏教は試練の時期でもあった
☆フランシスコ・ザビエルの鹿児島への上陸以降、キリスト教が本格的に伝来
*「キリシタンの世紀」といわれるほど日本へもキリスト教浸透し始めていた
*16世紀後半の半世紀、日本のキリシタン人口は40万人
☆織田信長は、宗教に関しても驚くほど柔らかい好奇心を持っていた
*自分の目の前で宗教者に宗論を戦わさせ、その主張を見極めた
⛳フロイスが残した『日本史』におけるキリスト教と仏教僧との対決
☆」織田信長の要請を受けて、信長ほか約300人の家臣の前で
☆フロイス、仏教僧と教理をめぐる論争の詳細な応答が残っている
*この宗論の2年後に比叡山の焼き打ちがなされる
*その後の織田信長の宗教観に大きな意味をもったと思われる
☆信長が、司祭(フロイス)とロレンソ修道士に対して
*日乗上人という仏僧に、キリスト教の教えなるものを説明するように求める
☆ロレンソは、日乗上人に対して「日本どの宗派に帰依しているのか」を尋ねる
*日乗は「自分は何宗にも同さず、知りもしない」
*僧侶の姿は、「世の煩わしさと世情に嫌気がさしたから」と答える
*対論の中で仏教から「何を学んだのか」を問われても、「忘れた」というだけ
*仏教の教理を一切語ろうとしない
☆フロイスらキリスト教の宣教師たち
*「日本に定着している仏教とは何か」について強い関心を抱いて
*一定の研究を積み上げおり、叡山の心海上人とも面談していた
☆フロィスは「仏教は無の原理に基づく」と理解しており
*日本人は可視的なものしか認識が及ばず」と判断したようだ
*仏教思想における人間の意識を深く探求する唯識論には気づいていなかった
*俗悪な日乗のような仏僧もどきの人物と向きあったのが悲劇を想わざるをえない
⛳キリスト教に触れた信長の肉声
☆ザビェルは、日本人に定着している仏教概念を利用しキリスト教への理解を促した
*絶対神「ゼウス」を「大日如来」になぞらえて「ダイニチ」(大日)と訳した
*仏教においては創造神、絶対神という概念はなく
*キリスト教理解において誤解を招いたことに気づいた
☆キリスト教と仏教の論争の中で、信長自身の内声を感じさせる部分がある
*ひたすら「伴天連追放」を要求する日乗に対して
*信長は「予は貴様が小胆なるに驚き入る」と述べたと記載されている
*腹を据えて教理の正しさにおいて異教と向き合えと合理的な姿勢を貫く
☆ロレンソが絶対神ゼウスの慈愛の深さを語ったのに対しての信長の質問
*分別をわきまえぬ者、生まれつき馬鹿頓馬の連中はどうなのか
*奴らはゼウスを讃えなくとも差支えなかろう、無理な話だからなと
☆ロレンソの主張
*どんな人間でもゼウスの恩寵に応えてゼウスを賛美しなければならないと
*信長もとりあえず「予は満足じゃ」と応じたという
☆追い詰められた日乗は逆上し
*ロレンソ修道士が「死が訪れても、霊魂は破滅しないし、消滅もしない」と語ったのに対して
*「人間にあるという霊魂を見せてみよ」と叫んで
*刀を取り出して襲いかかろうとする暴挙に出た
*信長は日乗を取り押さえさせ叱責したという
☆信長が仏教教義の真贋に関心を抱き、その経緯を見つめた結果
*自らを神格化する心理に至り、激しい仏教弾圧に出たことがわかる
⛳民衆の宗教へのパラダイム転換(親鸞・日蓮の仏教)
☆世界史、日本史に不思議な「隠し絵」のように登場するのが景教
*景教、異端とされながら東方展開において粘り強く生き延びた
*景教は、イスラム教の創始者ムハンマドのキリスト理解に影響を与えた
*日本においても景教は間欠泉のごとく微妙な存在感を示す
☆ザビエルは日本人の印象を語っている
*「日本人は、水が染み入るようにキリスト教を理解する」と
☆16世紀までの間に日本人の宗教基盤が大きく変わった
*親鸞、日蓮などの鎌倉新仏教の登場と浸透である
☆親鸞は「国家鎮護」ではなく「民衆の仏教」に変えた
*親鸞が生きた時代は「末法」の到来を思わせる荒廃した時代
☆日蓮は、浄土教を拒否し、法華経の伝道に生涯をかけた
*親鸞が残した足跡と浄土教の隆盛を見つめながら僧侶としての修行を続けた
*鎌倉の政治権力、為政者さえも相対化する視界で『立正安国論』を展開した
*蒙古襲来のような国難が迫る日本への危機感に立ち
*「国」「民族」の救済という視界を拓いた
☆キリスト者内村鑑三は両者に関して述べている
*親鸞を「我が善き信仰の友親鸞」と語り
*日蓮を「仏教を日本の宗教にした」と表現した
☆国家仏教を衆生の仏教へとパラダイム転換させたことは両者に共通する
*宗教土壌の変化が、キリスト教の上陸で、日本精神史に新たな化学反応を起こした
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