🌸トッド理論のあらましを知る1
~四つの家族類型とイデオロギー~
☆トッド理論の基礎は、「家族システム」「家族類型」の考え方
☆人口学で最も初歩的かつ最も解くのに困難な疑問
*人類はなにゆえに多産多死型社会から
*少産少子型社会へと移行したのかというもの
☆人類は長い間、18世紀の半ばまで
*たくさん子どもを産み、その子どもがたくさん死ぬ
*再生産パターンを踏襲していた
☆医療が不完全でしかも栄養状態が悪ければ
*乳児死亡率が高いので、スペァで多数の子どもを産んでおく
*現在でもアフリカの発展途上国に見られるタイプ
⛳人口の急激な増加が起きた理由
☆人類は18世紀のある時期にこのパターンを脱却して
*少なく産んだ子どもを死なないように育てる
*少産少死型社会へと移行を開始した
☆少産少死も、2つの現象が始まるには時期的なずれがある
*最初は少死化、乳児死亡率が下がって、人が若くして死なくなる
*死亡力転換が起こっても、出生率の方は高止まりしたまま
*死亡力転換が出生率の低下を正比例的に導いて出生力転換が起きない
*結果、人口の急激な増加です
☆世界は全体として見ると、いまでもまだこの状態にある
☆ユニセフがアフリカでやっているように
*避妊知識の普及や避妊器具の無償配付などを行なえば
*出生力転換が起きるのかといえば、そんなことはない
☆18世紀産業革命が始まり近代化社会になると
*出生率と死亡率はともに低下
*低い出生率と低い死亡率が均衡する状態に落ち着いて
*人口は静止する
☆死亡力転換が起き。時間をおいた「ある時期」に出生力転換が起きると
*出生率はそのまま下がり続ける
*日本のように、下がり続けて止まらない国もあり
*よほど人為的な政策をとらない限り
*再び上向くことはほとんどない
☆要約すると、死亡力転換からしばらくすると
*出生力転換は確実に起きる
*それがいつ起きるかについては一概には言えない
☆出生力転換が起きるのは
*個人個人の意識の結果の総和としてではなく
*あくまで集団的な無意識の結果だから
☆トッドが人口学者とし問題にしていたのはこの点
⛳出生力転換をもたらす最大の要因は「識字率」
☆トッドの導き出した結論をひとことで言うと
*出生力転換をもたらす最大要因
*女性の識字率が一定の水準を超えると
*その共同体は出産調節を開始し
*必然的に出生力転換が起こる
*それがテイク・オフを導く
☆女性識字率は、たとえ隣同士の国や地域でもバラつきがある
*非常に離れた地域であっても
*女性識字率が同じように高い共同体も存在する
☆出生力転換に時期のずれが生じるのは
*家族システム(類型)が単一ではなく
*さまざまにヴァリエーションがあり
*ヴァリエーションで、女性識字率が異なっているから
☆女性識字率が高く出る家族システムもあれば、
*反対に女性識字率が低く出る家族システムもある
*その出発点における小さな差が
*ゴールにおける大きな差となって現れると考えた
「女性の出産」「出生力転換」「女性の識字率」
(「読み解く世界史の深層」記事他より画像引用)
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