🌸ポリコレと言葉づかい(1)
☆「政治的な正しさ」を意味する「ポリティカル・コレクトネス」
*日本で使われる「ポリコレ」には椰楡するようなニュアンスがある
☆「道徳的・倫理的な正しさ」の基準
*ひとによってかなりのばらつきがある
*社会(共同体)を運営していくには
*なにが正しく・間違っているかを政治的に決めなくてはならない
☆さまざまな立場の者たちが主張を戦わせ
*社会全体の正しさ(良識)の基準がなんとなく決まっていく
*その過程のすべてが「政治」なので
*人間は徹底的に政治的な生き物なのだ
⛳「それって悔辱じゃないのかい」事件
☆筆者が、4人のグループした時の海外旅行での経験
☆4人のグループ員が自己紹介をした
☆フランス人の夫、「君はコイズミに会ったか?」と筆者に聞いてきた
☆彼は、日本政府のODAで設立された水道開発会社の社長をしている
*本来は、日本人が社長になるべきなんだけど
*インド人は白人の指示にしか従わないから、僕が社長になれたんだ
*この嫌味な男にしてもバカらしいと思って聞いていたので
*「自分なんかが会えるわけないじゃないか」とこたえた
☆彼の妻の方が
*ポーターが部屋に運ぶスーツケースを間違えたと文句を言いだした
*夫がイヤな奴なら妻も同類だと聞き流していた
☆突然、アメリカ人の1人が苛立つたように口をはさんだ
*「それって、筆者に対しての侮辱じゃないのかい」と
*その言葉は、フランス人に対しての侮辱の様な言葉遣いだった
*アメリカ人グループを見ると、誰もが当然との顔をしている
☆フランス人の社長夫人
*社交の話題としてポーターが無能の話をした
*シンガポールではポーターは、インド人出稼ぎに来ている
☆アメリカ人のグループにはこれがよくわかっていなかった
*そのため彼らは、日本人の私(黄色人種)がいる前で
*白人の女が、シンガポール人(黄色人種)を批判したように感じた
*これは彼らにとって、黒人のゲストがいるパーティで
*白人客が、自分の黒人メイドがいかに無能かを愚痴るのと同じで
*ものすごく居心地が悪く、怒り出したのだ
☆フランス人夫妻も当然、その様な事は承知しているはず
*インドで日本人と働いているフランス人は
*インド人をけなしても日本人の私が気にしないことを知っていた
☆オクラホマの田舎から来たアメリカ人には
*フランス人の社長夫人がいきなり
*人種差別を始めたとしか思えなかったのだ
⛳ポリコレはグローバル空間のルールである
☆人類は進化の歴史の大半
*150人程度の親密な共同体で暮らしてきた
*それは家族・親族を核とした集団で、そこに他の部族から
*血縁関係のない女が加わって子どもをつくった
☆これは近親相姦を避けるための進化の仕組みで
*女は思春期になると冒険的になり
*遺伝的に異なる他部族の男に性的関心をもつ
(これはチンパンジーやボノボも同じだ)
☆150人、イギリスのダンバーが唱えた「ダンバー数」
*脳の認知的な限界から、人間150人の数を超えると
*顔と名前が一致しなくなる
*共同体空間では、誰もが相手のことを知っていて
*狩りや戦争などの共同作業を効率的に行なえる
*この人数を超えると「知らない相手」が増えてきて
*集団としての一体感を保つのが難しくなる
☆近代になって都市化が進む
*見知らぬ者同士が出会うという新しい経験が生まれた
*「想像の共同体」の国民国家が「創造」された
*同じ言語・宗教・文化を共有する国民・市民の枠組みがつくられた
☆近代国家が無償で教育を提供するようになったのは
*国民を軍隊や工場に動員できるよう訓育し
*国力を向上させて国際社会で優位に立つためだった
☆ソ連解体で冷戦が終わると、グローバル化が急速に進む
*わたしたちは、異なる国家に所属し、異なる文化や宗教をもち
*異なる言葉を話す「他者」と日常的に接するようになった
*それに合わせてポリコレが登場するのは偶然ではない
☆ドメスティック空間には「俺たちのルール」がある
*「適切な習慣」が徹底的に教え込まれる
*共同体の全員が基本的な約束事を共有していれば
*最低限のコミュニケーシヨンで意思疎通ができる
☆グローバル空間、異なるルールをもつ者たちが出会うので
*「俺たちのルール」は通用しない
*こうした場面では殺し合いが始まった
☆第二次世界大戦後にリベラル化がさらに進み、暴力は強く忌避される
*「すべてのひとは平等でなければならない」価値観が広まった
*新たに、グローバル空間のルールをつくらなければならない
☆グローバル空間とは
*人類史的には、この100年ほどで生まれたまったく新しい世界
*どのように振る舞うかのルール
*遺伝子にプログラミングされていない
*孔子・仏陀・ ソクラテスも、グローバル空間を体験したことはない
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