タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

新人研修会

2010年06月28日 | タカの渡り観察
雨さまに大歓迎されての研修会でした

 この週末、タカ研の新人研修会のため下関、北九州に行ってきました。研修会と言ってもタカ長が勝手に決めて勝手に言っているだけですから、もちろん公式なものではありません。

 マジな話ですが、日本でのタカの渡りを考えるとき関門地区は重要な位置を占めています。タカを見ている人なら説明不要、分かりきったことだと言えます。しかし、少なくとも公開されている渡り情報の面から言えば、この地区は暗黒地帯とは言わないまでも空白地帯と言っても良いくらいです。

 古くからの鳥友との縁で下関在住のタカ好きと知り合いになれました。昨年のことです。彼らは私たちより20歳以上も若い世代の人ですが、この世界に入ったばかりの新人で、もちろん観察経験は少ないのです。しかし、意欲面でもタカを見る感性の面でも良いものをもっている、と少なくともタカ長は思っているのです。

 その彼らが順調に育ってくれることを願って今回のことを企画したのです。

 今回の予定は彼らの観察地を実際に見ることとタカの渡り観察についてのタカ長たちのささやかな経験を伝えることです。いまのタカ長の重要なテーマは次の世代の人を育てることなのです。タカ長ごときが次世代を育てると言えば大変僭越なことになりますが、しかし、今の私には大切な人生のテーマなのです。



 先ず皿倉山に登りましたが雨でした。もちろん展望はまったくありません。ハチクマがこの方向から渡ってきたとか、ここに大きなタカ柱ができたのを見たと言うような説明を聞きましたが、展望がないのでイマイチそのイメージをつかむことが出来ませんでした。



 このようなものを見ながら360度の展望を想像していただけです。



 次に高塔山に行きました。ここにも立派な展望台があります。その展望台から見ると若戸大橋が見えます。ここで見ることの出来るハチクマは下関の火の山の北側から彦島を経て渡ってきて、北九州の海沿いを流れていくものだと言えます。この近くの風師山でも、毎年秋に調査が進められている福岡の油山でも観察することが出来ないグループではないかと思われます。



 ここでも傘をさして現地検分。

 この高塔山は最近アジサイの名所として整備されているようで毎年「アジサイ祭り」も行われているようです。今年は既に終わっていましたが、まだまだ十分にアジサイを楽しむことが出来ました。



 二日目も雨。

 この日はベテラン氏のリクエストで風師山に行きました。風師山で観察すると、秋は関門海峡を海抜けで渡ってきたタカが目の前で高度を上げていくのを見ることが出来ます。山頂近くを低く渡っていくハイタカ属を見ることも出来ます。それらを見るために何度も行っている観察地ですが、この日は雨なので山頂に行くのはキャンセルして、駐車場での現地検分で済ませました。

 時々雲が切れて巌流島や関釜フェリーなどを見ることが出来ました。



 そのあとは下関の火の山。ここもご覧の通りです。雨が降らないときも深い霧、、、、しかし、、、、、



 ねばっていると霧が切れて関門海峡を見下ろすことが出来ました。関門大橋の向こうに見えているのが先ほどまでいた風師山です。山頂部は雲に隠れて見ることが出来ません。

 今春韓国から帰りにここに登り、対岸方面から近づいてきて展望台のすぐ上までやって来た2羽のハチクマを観察しました。展望台の下を低く海抜けで流れていくハチクマも見ました。ここもまた良い観察地です。



 今回は観察地の実地検分だけでなく、室内でのレクチャーも大きな目的でした。

 タカ長はマレーシアや韓国での観察経験をふまえて、タカの渡りを地理的にも時間的にも広い面として見て欲しい、と言うようなことを話しました。

 トビ吉おじさんは観察データを積み上げていくことの重要性と、そうすることで見えてくるものについて、パソコン画面を見ながら話しました。

 タカの話をすれば時間が過ぎるのを忘れてします連中ばかりです。土曜日の夜も遅くなりタカ長は連日の寝不足になりました。

 しかし、その努力はいつかは目を吹いてくれるはずです。これから渡り観察の重要地帯、関門地区の観察結果を速報できるようになります。(今春も行いましたが、、、、)

 その観察内容も少しずつですが充実してくるはずです。彼らは現役世代なので観察時間などに制限があるのは仕方ないことですが、その限られて制約の中で少しずつ実力をつけてくれることを願っています。