タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

思わぬいい登山

2020年05月30日 | 山歩きから
    

天気予報が気になり、6月2日に予定していた毛無山登山を前倒し、昨日行って来ました。

毛無山と言う山はあちらこちらにありますが、大暮養魚場のところにある毛無山、と言えば広島の山屋さんにはすぐ分かります。

私たちには色々な思い出がある山ですが、その中の一番は山グループを立ち上げたころのことです。

その近くの阿佐山に登るつもりでマイカー7台で出かけましたが、大暮養魚場の方に曲がったときに車が5台しかいないことに気づきました。

携帯電話で連絡がつく時代ではなかったので、迷った2台が車が来るまで待つ羽目になりました。

そのため時間を大きくロスして、時間のかかる阿佐山はあきらめて、毛無山登山にしたのです。

    

そのような小さな山なので、今回も時間が余るかも分からない、と思いながら出かけました。

いつも車を置くところではオオルリが近くでさえずっていました。

しかし、山道に入ると鳥の声が無くなりました。気に入った花もありません。

のんびりと、しかし、順調に登っていったら、、、、、

    

山頂手前でクロジがさえずっていました。

この檜の木の中から聞こえるのですが、どうしても見ることが出来ませんでした。

地味な鳥なので仕方ないのですが、やはり残念でした。

    

そのようなことをしながらでも、山頂に着いたのは10時半でした。

ここで遠くの山でも見ながらのんびりするつもりでしたが、しばらくご無沙汰しているうちに木が茂り、展望はまったく無くなっていました。

昼には早い時間です。さてどうする、、、、、、。

ここで初めて、山頂から南に歩き、登山口に帰る周回コースを歩くことに決めました。

    

頂上から南にはいい感じのブナの森がひろがっていました。

ルンルン気分で歩き、その森が終わるころ、、、、左下に車道が見えてきました。

ルンルン気分、と言いましたが、本当はいつも以上に緊張していました。ここで足を痛めたら、、、、、

自分が痛めてもいけないし、タカカノが痛めてもいけません。

車道が見えて、その緊張もゆるみ、、、、空腹も感じ、ここで昼食としました。

     

その軌跡です。画像に一番下が昼食をしたところです。

青い軌跡が右上に伸びていますが、あれはタカ長の失敗(?)

YAMAPに軌跡を残した人(赤線)はこの林道を帰ったのだろうと勝手に判断したのと、、、、

それ以上の理由は、キビタキを見たり(と言っても実際に見たのはタカカノだけ)しながら歩き、軌跡のチェックをする時間間隔が空いてしまったのです。

そのまま行くと、地図では消えている林道に行くらしいことが分かりひき返しました。

YAMAPの軌跡までひき返しましたが、そこには何もありませんでした。茂った灌木が何となく切れたところの地面に、小さなピンク色のテープが落ちているだけでした。

ここから先、数百メートルは「経験者同伴コース」だと思います。

いつもは女房殿の後を3歩、ではなくて10歩以上離れて歩くタカ長ですが、ここは女房殿を先行させるわけにはゆきません。

見え隠れするかすかなルートを捜し、足場の悪いところ避けながら歩ける所を指示。

途中にひとつだけ古いテープを見つけましたが、どこをどのように歩くかはすべてタカ長の判断です。

時々、YAMAPを見ましたが、その時は「あの人も同じところを歩いたのだ」と確認するだけでした。

    

明るいところに出てワンショット。

この間一枚も写真を撮っていません。写真より自分たちの足場です。いわゆる難所はありませんが、転んで足を痛める危険性はあるわけですから、気を抜くことは出来ません。

里近くで林道に下り着きました。

すぐ近くでサンコウチョウの声。しかし、その姿はまったく見えませんでした。残念。

    

この間誰にも会いませんでした。そのような山なので小さなトラブルも怖いのです。

マイナーな山には人がいないので、メジャーな山にはない危険がある、といつも考えながら山を歩いています。

何しろ人がいないのですから、すべては自分たちの肩にかかってくるからです。

里に下りたところで二人のご婦人がワラビ採りをしていました。毛無山で会ったのはあの二人だけ。と言っても遠くから話しかけただけです。

そのような毛無山登山でしたが、あの数百メートルがあったのでとても充実した登山になりました。